RRの新型「ルノー・トゥインゴ」デビュー【ジュネーブショー2014】

2014.03.06 自動車ニュース 沼田 亨
「ルノー・トゥインゴ」
「ルノー・トゥインゴ」
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【ジュネーブショー2014】RRの新型「ルノー・トゥインゴ」デビュー

仏ルノーは2014年3月4日、スイスで開催中のジュネーブモーターショーにおいて、新型「トゥインゴ」を発表した。

■実は縁が深い、ルノーとリアエンジンの関係

「カラフルで鮮やか……トゥインゴのスピリットが帰ってきた!」と、4色のビビッドなカラーをそろえてデビューした新型「ルノー・トゥインゴ」。1992年に誕生した初代から数えて3代目となる新型は、次期スマートを計画中のダイムラーと共同開発され、リアエンジンへとドラスティックな転換を果たしたことが最大の話題である。

ルノーとリアエンジンは、実は縁が深い。1947年に登場して戦後ルノーの礎を築き、日本でもライセンス生産された「4CV」に始まり、モータースポーツで活躍した「8ゴルディーニ」で知られる「8」など、60年代まで主力となる小型車にリアエンジンを採用していたのだ。ルノーが8の生産を終了したのは73年だったから、およそ40年ぶりにリアエンジン車が復活したことになる。

初代「ルノー5」と初代トゥインゴのデザイン遺産を継承したという、キュートな印象のボディーは、先代までの3ドアから5ドアハッチバックに変わった。スタイリングは昨年発表された「Twin’Z (トゥインジー)」「 Twin’Run(トゥインラン)」という2台のコンセプトカーの流れをくむものである。3590mmの全長は先代のベーシックグレード(3600mm)と実質的に変わらないが、ホイールベースは125mm延びて2490mmとなり、前後オーバーハングが切り詰められた。全幅は15mm狭められて1640mm、全高は90mmも高くなって1550mmとなる。

フロントにエンジンがなくなったことでステアリングの切れ角が大きくなり、ターニングサークル(日本式の回転半径ではなく直径)は、クラス平均より1m近く小さい8.65m。小回りが利くことを、新型は大きなセリングポイントに掲げている。

リアエンジン化は室内空間の拡大にも貢献した。キャビン部分が前寄りになったため、室内長は先代より130mmも長いクラス最大級の2200mm。全高を高めたことによるアップライトなドライビングポジションとも相まって、ボディーサイズからは考えられないほどのスペースを確保すると同時に、視界も広くなったという。黒基調だが、ダッシュ、ステアリングホイールやドアパネルの一部に白またはビビッドなカラーをあしらったインテリアのデザインも、エクステリア同様にポップな雰囲気である。

リアエンジンとなると懸念されるのがカーゴスペースだが、容量は219リッターを確保。荷室にホイールハウスの出っ張りがなく、リアシートのバックレストを畳むと、テールゲート開口部からフルフラットになる。

カーゴルームの下に収まるパワーユニットは、自然吸気とターボの2種類の3気筒ガソリンエンジン。自然吸気版は999ccから70psと9.3kgm、ターボ版は898ccから90psと13.8kgmのパワーとトルクを発生、双方とも燃費とパフォーマンスを両立したという。

ファン・トゥ・ドライブで、驚くほど運転しやすく、しかも広い室内を持つという新型トゥインゴ。日本への導入が待たれる一台である。

(文=沼田 亨)

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