ルノー・トゥインゴGT(RR/6AT)/トゥインゴGT(RR/5MT)
日常系スポーツカー 2018.02.12 試乗記 台数限定で日本に導入されるや否や、たちまちのうちに“完売御礼”となった「ルノー・トゥインゴGT」が、カタログモデルになって復活。その走りの実力を、新たに設定された2ペダル仕様の出来栄えとともに報告する。“約束どおり”のカタログモデル昇格
2017年9月に200台限定で先行発売された3代目トゥインゴのGTが、予定どおりカタログモデルに昇格した。今回から5段MTだけでなく6段DCT(ルノーでの商品名は「EDC」)も選べるようになった点が新しいが、これも昨年の限定車発売時点でアナウンスされていたとおりである。
昨年の限定車はあくまで日本側の企画商品だったので、その限定車と今回のカタログモデルとの間に(5段MTどうしなら)クルマ本体の差異はまったくない。
ただし、本国でアクセサリーあつかいのセンターストライプを標準装備して224万円だった限定車に対して、カタログモデルはストライプを省略したうえで、限定車と同じ5段MTなら229万円。つまり、今回は限定車から明確な値上げとなったのだが、その理由はやはり昨今の為替レートの影響という。
ルノー・ジャポンは「限定車の価格設定は、それだけ頑張ったものだったとご理解ください」と笑うから、約1カ月で完売したという先行限定車を手に入れたマニア筋は実に幸運だったということだ。
ちなみに、今のルノーでGTを名乗るにはけっこう厳格な条件がある。先ごろ日本発売された「メガーヌGT」もそうだが、エンジンとシャシーがともに専用チューンで、しかもその開発をルノー傘下の専門技能集団「ルノー・スポール(以下、R.S.)」が担当する……というのが、ルノーにおけるGTの定義だ。
彼らが手がける市販物件にはGT以外に「R.S.」もあり、R.S.のほうがハードな仕立てで、マニア間でのカリスマ性も高い。ただ、それはあくまでターゲットとする商品性のちがいでしかなく、エンジンとシャシー、そして細部の使い勝手やデザインにいたるまで、R.S.のチームが責任監修するという意味では、両者に貴賤や格差はない。