ボルボS60 T5 R-DESIGN(FF/8AT)
力強い第一章 2014.03.28 試乗記 ボルボが新世代パワートレイン「Drive-E(ドライブ・イー)」を携えて走りだした。その第1弾となる2リッター直4ターボエンジンの実力は? 「S60 T5 R-DESIGN」を箱根で試した。「Drive-E」の第1弾
四角いワゴン――このブランドの、かつて一世を風靡(ふうび)したモデルたちによって象徴される記号性と決別したボルボ。新たなデザイン言語を用いたモデルの姿が、ようやく街の風景に馴染(なじ)んで感じられるようになってきた。
もちろんそれは、久々のビッグヒットを飛ばして話題の「V40」や、「S60/V60」などといった、ここ数年のうちにデビューを遂げたモデルたちが原動力となって築いた、まだ新しい印象である。
ほんのひと昔前まで、このブランドは「740/760」や「850」、さらにはそれらの流れを受け継いだ「V70」など、大柄なステーションワゴンの人気が高かった。しかし今、多くの人がボルボと聞いて脳裏に思い浮かべるであろうイメージは、もはや角張ったデザインではなく、最新モデルたちのように有機的な曲線基調のラインを用いた姿だろう。
SUVやクロスオーバーと称されるモデルたちが成長する陰で、ステーションワゴンの人気は衰退し、それと共に徐々にその存在が希薄となった感が否めなかったボルボだが、前述のとおりS60/V60、そしてV40の人気を背景に、今、ハッキリと“復活ののろし”が上がっていることを実感する。
そして、そんな勢いをさらに後押ししそうなのが、ボルボが独自開発を行い、満を持して市場投入した新しいパワーユニットである。今回紹介するのは、「Drive-E」と称する新世代パワートレインの第1弾として完成された、2リッターのターボ付き直噴ガソリンエンジンを搭載するモデルだ。
ちなみに、「T5」グレードを名乗るものの、搭載される心臓は直列4気筒である。これまでのボルボ車のグレード名称は、「T」の文字に続く数字が搭載する心臓の気筒数を示すのが一般的だった。が、今後の新世代パワーユニットでは、それは「出力レベルを示す記号」へと意味が改められるという。
![]() |
![]() |
![]() |