スズキがこれからのパワーユニット戦略を発表
2014.04.16 自動車ニュース ![]() |
スズキがこれからのパワーユニット戦略を発表
スズキは2014年4月16日、現在開発を進めている四輪車技術の概要を発表。今後のパワーユニット戦略を明らかにした。
■世界で進むスズキのパワーユニット戦略
スズキは2012年9月の「ワゴンR」の一部改良以来、停車前アイドリングストップ機構やブレーキエネルギー回生システムに代表される一連の低燃費化技術「スズキグリーンテクノロジー」を、日本市場において順次市販モデルに投入。2014年3月末までに累計52万台(ブレーキエネルギー回生システム「エネチャージ」搭載車)を販売している。また最近では、2014年1月に新開発のロボタイズドMT「オートギアシフト」の実用化を発表。Aセグメントの世界戦略コンパクト車「セレリオ」より導入を開始した。
同社は内燃機関の燃費改善などから、今後も当分は内燃機関を動力の主体としたクルマが市場の主流であり続けると想定しており、今回紹介された新技術についても、内燃機関の高効率化と、ガソリンエンジンを補助するタイプのマイルドハイブリッドなどが中心となっていた。
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■開発リソースを軽&コンパクト用エンジンに集約
ガソリンエンジンについては660ccの軽自動車用と1.4リッター以下のコンパクトカー用に開発を集約。軽自動車用エンジンはこれまでK6A型、R06A型と存在していたものを、より設計の新しいR06A型に一本化し、さらなる燃費改善を進めていくとしている。
一方コンパクトカー用エンジンについては、ベースエンジンを共通とし、自然吸気ユニットと直噴過給ユニットをラインナップ。燃費改善の方策としては、クールドEGRの採用や低フリクション化によるエネルギー損失の低減と、熱効率のさらなる向上を挙げている。具体的には燃料噴霧技術、筒内流動技術、点火技術の改善により圧縮比を向上し、現在は33~34%となっている平均熱効率を、2020年初頭までに40%に引き上げる。
また、インドを主要市場とした800cc 2気筒ディーゼルターボエンジンの開発についても表明。新興国向けのコンパクトカーに搭載する予定という。
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■電動モーターは今のところ補助動力
電動化技術に関しては、スズキは現在マイルドハイブリッドの開発を進めている。このシステムは鉛バッテリーとリチウムイオンバッテリーを併用したブレーキエネルギー回生システム「エネチャージ」の技術を応用したもので、通常のジェネレーター(発電機)に替わって、より高効率に発電するとともに、動力のアシストにも使える「ISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)」を採用。加速時にはISGでエンジンをアシストする仕組みとなっている。
もともとエネチャージにおける蓄電容量にゆとりがあったこともあり、リチウムイオンバッテリーには既存のものを流用することで、コストアップを抑えつつ、オルタネーターの高出力化、高効率化により減速時の回生エネルギー量は従来のシステムより30%アップするという。
スズキはハイブリッドをはじめとしたクルマの電動化技術について、まずはこのマイルドハイブリッドを実用化し、次のステップでトランスミッション側にモーターを装備したストロングハイブリッドを開発するとしている。
(webCG)