ポルシェ・カイエンS(4WD/8AT)/カイエンターボ(4WD/8AT)
これがポルシェの生きる道 2014.10.03 試乗記 4年ぶりのマイナーチェンジでエンジンや内外装に手が入れられた、ポルシェのSUV「カイエン」。では、実際に乗ってみたらどうだった? 「カイエンS」と「カイエンターボ」、2モデルの印象を報告する。人気モデルもテコ入れ
ポルシェというブランドに、「スポーツカーの専業メーカー」というタイトルが使えなくなって久しい。もっと言ってしまえば、このブランドの稼ぎ頭は今や、歴史あるスポーツカーなどではなくなってしまっているのだ。
そんな歴史的な“分水嶺(れい)”は、2002年にあった。この年の秋に、デビュー後たちまち世界的なヒット作となり、後にポルシェ社の新たな屋台骨とまでなるブランニューモデルがデビュー――そう、それが初代のカイエンだ。
多くのポルシェ製スポーツカーのユーザーは、同時に他銘柄の大型SUVも所有する。であるならば、それをポルシェが自ら作れば、間違いなく売れるはず……。そんなリサーチの結果から米国市場に向けて仕掛けられた試みは、まんまと的中。さらには、米国以外のマーケットでも予想以上の好評をもって迎えられた。
2010年デビューの2代目モデルは、基本となる骨格構造を「フォルクスワーゲン・トゥアレグ」と共有するという特徴も含め、かように好調だった初代モデルをベースに開発された。
基本的なボディーのディメンションは、初代モデルをほぼ踏襲。その上で、大幅な軽量化を軸にアイドリングストップシステムの導入やATの多段化(6段→8段)などを実施することで、燃費性能も大幅に改善された。
そんな時流に乗ったリファインを行って世に現れた2代目も、デビュー以来、はや4年半。そろそろ現行モデルとしてもライフ半ば……そんなタイミングでマイナーチェンジされた結果が、ここに紹介する“新型”だ。