スズキ、より広くて低燃費な新型ソリオ発売

2015.08.26 自動車ニュース webCG 編集部
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!
新型「スズキ・ソリオ」(写真左)および「ソリオ バンディット」(同右)
新型「スズキ・ソリオ」(写真左)および「ソリオ バンディット」(同右) 拡大

スズキ、より広くて低燃費な新型「ソリオ」発売

スズキは2015年8月26日、コンパクトカー「ソリオ」をフルモデルチェンジし、販売を開始した。

「ソリオ ハイブリッドMZ」
「ソリオ ハイブリッドMZ」 拡大
「ソリオ バンディット ハイブリッドMV」
「ソリオ バンディット ハイブリッドMV」 拡大
「ソリオ バンディット」には、ルーフを黒で塗装した「ブラック2トーンルーフ」もオプションで用意される。
「ソリオ バンディット」には、ルーフを黒で塗装した「ブラック2トーンルーフ」もオプションで用意される。 拡大

■新開発のAセグメントプラットフォームを採用

スズキ・ソリオは、スクエアなボディー形状と高い全高により、コンパクトなサイズの中で広い車内空間を追求したコンパクトハイトワゴンである。

「ソリオを凌(しの)ぐソリオをつくる」を合言葉に開発された今回の新型は、従来モデルから車体設計を一新。新開発のプラットフォームにより、室内空間の拡大と大幅な軽量化を実現した。

パワーユニットには新開発の1.2リッターエンジンとマイルドハイブリッドシステムを採用しており、燃費は最高で27.8km/リッター(JC08モード、ハイブリッドシステム搭載のFF車)となっている。

また、運転支援システムとしてステレオカメラ方式の「デュアルカメラブレーキサポート」を採用したこともトピックのひとつ。7インチメモリーナビやクルーズコントロールシステムなど、そのほかの装備も充実している。

ラインナップと価格は以下の通り。

ソリオ
・G:145万4760円(FF)/158万1120円(4WD)
・ハイブリッドMX:169万5600円(FF)/182万1960円(4WD)
・ハイブリッドMZ:184万1400円(FF)/196万7760円(4WD)

ソリオ バンディット
・ハイブリッドMV:182万5200円(FF)/195万1560円(4WD)

「ソリオ ハイブリッドMZ」のインストゥルメントパネルまわり。
「ソリオ ハイブリッドMZ」のインストゥルメントパネルまわり。 拡大
「ソリオ バンディット ハイブリッドMV」のインストゥルメントパネルまわり。
「ソリオ バンディット ハイブリッドMV」のインストゥルメントパネルまわり。 拡大

■従来モデルより広くなった車内空間

ボディーサイズは全長×全幅×全高=3710×1625×1745mmと、全長は従来モデルと同等としながら、全幅を5mm拡幅。これに対して全高は、主に空気抵抗低減のために20mm低められている。ホイールベースは新プラットフォームの採用により、これまでより30mm長い2480mmとなった。

一方車内空間については、従来モデルより400mmも長い2515mmの室内長と、同じく55mm長い1080mmの前後乗員間距離を実現。荷室長も410mmと、25mm拡大している(リアシートを最も後ろまでスライドさせた状態での数値)。また室内高についても、ルーフライニングやフロアの設計を工夫することで、全高が低くなったにもかかわらず従来モデルより15mm高い1360mmを確保している。

このほかにも、インストゥルメントパネルの形状を見直すことで前席の乗員に対する圧迫感を低減するとともに、ひざまわりのスペースを拡大。細身のフロントピラーを採用し、従来モデルより0.2m小さい4.8mの最小回転半径とすることで、取り回しのしやすさも向上させている。

新型「ソリオ」の車体には、新世代のAセグメント車用プラットフォームが採用されている。
新型「ソリオ」の車体には、新世代のAセグメント車用プラットフォームが採用されている。 拡大
「K12C」型1.2リッター直4 DOHCエンジン。
「K12C」型1.2リッター直4 DOHCエンジン。 拡大
助手席シート下に搭載される、マイルドハイブリッドシステム用のリチウムイオンバッテリー。
助手席シート下に搭載される、マイルドハイブリッドシステム用のリチウムイオンバッテリー。 拡大
テールゲートに備えられた「HYBRID」のバッジ。
テールゲートに備えられた「HYBRID」のバッジ。 拡大

■大幅な軽量化と新パワーユニットで燃費を改善

大幅な軽量化も新型ソリオの特徴となっており、エントリーグレードの「ソリオG」(FF)で930kgと、従来モデルより重量を約100kgも軽減。全ての仕様で1トンを切る車重を実現している。

特に軽量化に寄与しているのが新設計の車体構造で、ボディー全体の51%に高張力鋼板を、さらに16%に980MPaの超高張力鋼板を使用することで、ボディー剛性の確保と部材の大幅な軽量化を両立。また主要構造や部品のレイアウトを見直し、各フレームを滑らかにつなげる形状とすることで、強度を落とすことなく部材を薄厚化し、補強部品の点数を減らすことに成功している。

エンジンは新開発の「K12C」型で、従来の「K12B」型より1気筒あたり2本のインジェクターを持つ「デュアルジェット」構造は踏襲しつつ、冷却効率や着火性の改善、混合気の最適化などにより、ノッキングを抑えながら圧縮比を12.5に変更。各部の摺動(しゅうどう)抵抗を低減することで、低回転域における発生トルクを高めるとともに、燃費性能を改善している。またEGRパイプ一体構造インテークマニホールドを採用するなど、小型化、軽量化も図っている。

さらに新型ソリオでは、ソリオGを除く全グレードに新たにマイルドハイブリッドシステムを採用した。これは軽自動車用のモーターアシスト機構「S-エネチャージ」をベースにISG(モーター機能付き発電機)の出力を向上させたもので、減速時に車速が13km/h以下になると自動でエンジンを停止するアイドリングストップ機構や、ブレーキエネルギー回生機構によって無駄な燃料消費を抑制するとともに、発進から約100km/hまでの加速の間に、最長で約30秒間モーターアシスト機能を働かせることができる。

これらの技術により、新型ソリオはマイルドハイブリッドシステムを搭載したFF車で27.8km/リッター、同4WD車で23.8km/リッターの燃費性能を実現。マイルドハイブリッドシステムが搭載されないソリオGでも、燃費はFF車で24.8km/リッター、4WD車で22.0km/リッターとなっている(いずれもJC08モード)。

「ワンアクションパワースライドドア」は、左側は全車標準装備、右側については、一部のグレードに標準、もしくはオプションで用意される。
「ワンアクションパワースライドドア」は、左側は全車標準装備、右側については、一部のグレードに標準、もしくはオプションで用意される。 拡大
「デュアルカメラブレーキサポート」用のステレオカメラ。
「デュアルカメラブレーキサポート」用のステレオカメラ。 拡大
「ソリオ バンディット ハイブリッドMV」のラゲッジスペース。
「ソリオ バンディット ハイブリッドMV」のラゲッジスペース。 拡大

■充実した安全装備と快適装備

装備も従来モデルより大幅に強化しており、開閉中にもう一度ドアノブのスイッチを押すことで、任意の位置で扉を停止することができる「ワンアクションパワースライドドア」をスズキ車として初採用。自車周囲の俯瞰(ふかん)映像を表示する全方位モニターや、スマートフォン連携機能付きメモリーナビゲーションシステムなども用意している。

また車内空間の快適性を高める装備として、プレミアムUV&IRカットガラス(フロントドア)やIRカット機能付きフロントガラス、「ナノイー」搭載フルオートエアコンを上級グレードに採用。運転席シートヒーターを全グレードに(4WD車では助手席にも採用)、後席用ロールサンシェードやショッピングフック付きのピクニックテーブルを、ソリオGを除く全グレードに装備している。

さらに運転支援システムとして、「スペーシア」から導入を進めている「デュアルカメラブレーキサポート」をソリオGを除く全グレードにオプションで設定した。このシステムは前方衝突警報や自動緊急ブレーキなどの機能をセットにしたもので、センサーにはステレオカメラを採用。誤発進抑制機能や車線逸脱警報機能なども備わっている。

収納スペースも充実しており、500mlの紙パックに対応したインパネドリンクホルダーや、脱着可能なインパネアンダーボックスなどを採用。荷室については寸法の拡大に加え、床下にサブトランク(FF車では100リッター、4WD車では26リッター)を用意したり、後席に荷室側からスライド調整が可能なレバーを設けたりすることで、使い勝手を改善している。

(webCG)

新型「スズキ・ソリオ」のフォトギャラリー(前編)はこちら
新型「スズキ・ソリオ」のフォトギャラリー(後編)はこちら

関連キーワード:
ソリオ, ソリオ バンディット, スズキ, 自動車ニュース