クラウンがマイナーチェンジ ターボ車も新登場

2015.10.02 自動車ニュース webCG 編集部
「トヨタ・クラウン アスリート」。写真の青いボディーカラー「天空(ソラ)」は、この最新型のイメージカラーだ。
「トヨタ・クラウン アスリート」。写真の青いボディーカラー「天空(ソラ)」は、この最新型のイメージカラーだ。 拡大

「トヨタ・クラウン」マイナーチェンジ 新たにターボ車も登場

トヨタ自動車は2015年10月1日、高級セダン「クラウン」の「ロイヤル」シリーズと「アスリート」シリーズをマイナーチェンジ。「クラウンマジェスタ」についても一部改良を施し、同日、販売を開始した。

こちらは「ロイヤル」シリーズ。「アスリート」シリーズ同様、フロントバンパーやグリルの形状が変更された。
こちらは「ロイヤル」シリーズ。「アスリート」シリーズ同様、フロントバンパーやグリルの形状が変更された。 拡大
写真の白い内装色は、オプションの「ジャパンカラーセレクションパッケージ」として用意される。
写真の白い内装色は、オプションの「ジャパンカラーセレクションパッケージ」として用意される。 拡大
発表会場に並んだ、色とりどりの「クラウン」。写真手前の真っ赤なボディーカラーは、その名も「紅(クレナイ)」。
発表会場に並んだ、色とりどりの「クラウン」。写真手前の真っ赤なボディーカラーは、その名も「紅(クレナイ)」。 拡大

■ボディーカラーもセリングポイント

およそ3年前の2012年12月にデビューした、14代目クラウン。今回のマイナーチェンジで、内外装に手直しが施された。

ロイヤルについては、フロントバンパーに厚みを持たせながらロワグリルの位置を低め、グリル側方の立体感も演出。これにより、押し出し感や上質感、低重心のイメージが一段と強められた。インテリアでは、細かな木目調をベースにした格子柄パネルを採用。ブラック×ブラウンアクセントの内装色も、新たに設定された。

スポーティーなキャラクターを持ち味とするアスリートも、立体メッシュ形状のフロントグリルを採用し、グリル枠をバンパー下端のラインまで伸ばすことで、ワイド&ローの構えが強調されている。
ひとつの光源でロービームとハイビームの切り替えが可能なBi-Beam(バイビーム) LEDヘッドランプや、デイライト機能付きの面発光LEDクリアランスランプ、従来型よりひと回り大きなリング状のリアランプなども備わる。
インテリアでは、工芸品のような透明感と深みを表現したというメノウ積層柄加飾パネルが新しい。新たにラインナップされる2リッター直4ターボエンジン搭載車には、プルシアと名付けられた専用内装色が設定される。

またアスリートには、標準のカラーバリエーションに加えて、「ジャパンカラーセレクションパッケージ」が用意される。このオプションを選択すると、「日本ならではの繊細な色域」をうたう12色のボディーカラー(紅<クレナイ>、仄<ホノカ>、茜色<アカネイロ>、天空<ソラ>、群青<グンジョウ>、紺碧<アオ>、白夜<ビャクヤ>、翡翠<ヒスイ>、常盤色<トキワイロ>、胡桃<クルミ>、黒曜<コクヨウ>、白光<ビャッコウ>)と3色のインテリアカラー(白、黒、こがね)の、自由な組み合わせが可能になる。

「クラウン」では初採用となる2リッター直4直噴ターボ「8AR-FTS」エンジン。
「クラウン」では初採用となる2リッター直4直噴ターボ「8AR-FTS」エンジン。 拡大
これまで以上に押し出し感が強調された、「クラウン アスリート」のフロントまわり。
これまで以上に押し出し感が強調された、「クラウン アスリート」のフロントまわり。 拡大
ボディーの強化ポイントを示すイメージ。マイナーチェンジを機に、スポット溶接の増し打ち(青枠部)と構造用接着剤による補強(赤線部)が実施された。
ボディーの強化ポイントを示すイメージ。マイナーチェンジを機に、スポット溶接の増し打ち(青枠部)と構造用接着剤による補強(赤線部)が実施された。 拡大

■新たにターボ車をラインナップ

パワーユニットは、従来ラインナップされていたハイブリッド(2.5リッター直4エンジン+モーター)、2.5リッターV6エンジン、アスリート限定となる3.5リッターV6エンジンを継承。
さらに今回のマイナーチェンジでは、直噴の2リッター直4ターボエンジンが、アスリートに限って追加設定された。

このターボエンジンは、レクサスのコンパクトSUV「NX」にも採用されている「8AR-FTS」ユニットで、2.5リッターV6自然吸気エンジンを大きく上回る、最高出力235ps/5200-5800rpmと最大トルク35.7kgm/1650-4400rpmを発生する。JC08モードの燃費値は、クラウンのガソリンエンジン車の中では最も優れる13.4km/リッターと公表される。
8AR-FTS搭載車のトランスミッションは、3.5リッターV6モデルと同じ8段ATで、駆動方式はFRのみ。これにあわせて、2.5リッターV6エンジンを搭載するアスリートは、FR車がカタログから消え4WD車だけになった。

このほか、走りに関わる変更点としては、構造用接着剤の採用と90カ所以上に及ぶスポット溶接の増し打ちによるボディー接合部の剛性強化や、サスペンションのチューニングが挙げられる。これにより、操舵(そうだ)時の応答性やコーナリング中のグリップ感、乗り心地が、従来モデルよりも向上したという。

 
クラウンがマイナーチェンジ ターボ車も新登場の画像 拡大
最新の「クラウン」には、一部グレードを除き、最新の運転支援システム「ITS Connect」がオプション設定される。写真は、その機能のひとつである「右折時注意喚起」のモニターイメージ。
最新の「クラウン」には、一部グレードを除き、最新の運転支援システム「ITS Connect」がオプション設定される。写真は、その機能のひとつである「右折時注意喚起」のモニターイメージ。 拡大

オプションのボディーカラーを選択した「クラウン アスリート」。写真手前の色は「茜色(アカネイロ)」で、奥に見える淡いピンクは「仄(ホノカ)」と名付けられている。


	オプションのボディーカラーを選択した「クラウン アスリート」。写真手前の色は「茜色(アカネイロ)」で、奥に見える淡いピンクは「仄(ホノカ)」と名付けられている。
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「クラウン アスリート」のリアビュー。今回、リアコンビランプの形状も改められた。
「クラウン アスリート」のリアビュー。今回、リアコンビランプの形状も改められた。 拡大
 
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■いままでなかった安全装備も

新たな運転支援システム「ITS Connect」の採用も、トピックのひとつだ。これは、クルマに搭載されたセンサーでは捉えきれない車両周辺の情報や信号の情報を、ほかのクルマや道路に設置されたインフラ設備との直接的な通信を介して、ドライバーに知らせるシステム。

具体的には、以下の機能が含まれている。
・右折時注意喚起
交差点で右折待ちの際、対向車線を接近してくる直進車や右折先の歩行者がいるにもかかわらず、ドライバーがブレーキペダルから足を離して発進しようとした場合、見落としの可能性が高いと判断されると、モニター表示やブザー音で注意を喚起する機能。
・赤信号注意喚起
路車間通信システム(DSSS)に対応した赤信号の交差点に近づいた際、ドライバーがアクセルペダルを踏み続けているなど信号見落としの可能性がある場合に、モニター表示やブザー音で注意を喚起する機能。
・信号待ち発進準備案内
赤信号で停車した際、信号の待ち時間の目安を表示する機能。
・通信利用型レーダークルーズコントロール
先行車も通信利用型レーダークルーズコントロール対応車両である場合、車車間通信システム(CVSS)により取得した先行車両の加減速情報に反応して、車間の距離や速度の変動を抑え、スムーズな追従走行を実現する機能。
・緊急車両存在通知
サイレンを鳴らしているCVSS対応の緊急車両が存在する場合に、それら緊急車両と自車両との位置関係を表示する機能。

さらに、グレードにより、確認しにくい後側方を走る他車の存在をドアミラーのLEDインジケーターでドライバーに知らせるブラインドスポットモニターを標準装備。車庫入れや縦列駐車の際、車両がハンドル操作をアシストするインテリジェントパーキングアシストも、オプション設定された。

価格は、以下の通り。
ロイヤルシリーズ
・2.5リッターV6モデル(FRまたは4WD/6AT):373万円~537万7000円
・ハイブリッドモデル(FRまたは4WD/CVT):431万円~590万6000円
アスリートシリーズ
・2リッター直4ターボモデル(FR/8AT):388万円~533万円
・2.5リッターV6モデル(4WD/6AT):400万7000円~546万7000円
・3.5リッターV6モデル(FR/8AT):524万円~610万円
・ハイブリッドモデル(FRまたは4WD/CVT):431万円~598万6000円

同時に、クラウンマジェスタについても、ボディー接合部の剛性強化や前後サスペンションの最適化、ITS Connectの採用といった仕様・装備の変更が実施された。
こちらはグレードにより、633万円~695万円の価格帯で販売される。

(webCG)

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