【PR企画】創立100周年を迎えたZF(後編)
次なる100年に向けて動き出したZF 2015.10.30 ZF創立100周年<PR> ドライブラインとシャシーテクノロジーのメガサプライヤー、ZFフリードリヒスハーフェンAGは2015年、創業100周年を迎えた。その歩みを振り返る特集の後編はモータースポーツと、同社の社会貢献活動について紹介する。次なる100年に向け、ZFはどのような一歩を踏み出そうとしているのだろうか。さまざまな角度から考えてみる。「伝達」と「遮断」を担う
モータースポーツに限らず、クラッチはエンジンの動力を路面につなげるパーツとして常に進化を続けてきた。特にこの10年は素材の進化とともに電子制御の進化が著しく、ふたつの要素が互いを補い合うように進化することで、クラッチ全体の性能向上へとつながっている。
クラッチの根本的な性能とは何か。ZFレースエンジニアリング社のパワートレーン・テクノロジー・マネージャー、マイケル・イストチェンコ氏によれば、動力の伝達と遮断の両方が大事だが、遮断はスパッとオン/オフのように行われてもさほど問題はないものの、伝達は遅れなく、けれど段階的かつスムーズに行われないと運転しづらいし危険なため、どちらかというとより難しいのは伝達のほうだという。一方でクラッチには、動力を遮断することで駆動系を守るフェールセーフの役割もあるので、やはり伝達と遮断の両方が重要になってくる。
量産車においても、特にオートマチックトランスミッションやショックアブソーバーの分野で、ZF製品は多くのモデルに採用されている。1965年、同社初の乗用車用オートマチックトランスミッションである3HP12がBMWとプジョーに採用されて以来、多くのメーカーがZFのオートマチックトランスミッションを採用してきた。
最近では、欧米のプレミアムブランドを中心にエンジン縦置きモデルに広く採用されているオートマチックトランスミッションの8HPシリーズは、8段ATでありながら従来の6段ATに比べ、大きくも重くもなっていない画期的な製品で、量産車のATの多段化を一気に推し進め、燃費向上に貢献している。同様に、ランドローバーやFCA(フィアット クライスラー オートモービルズ)のモデルに採用されたエンジン横置きモデル用の9HPシリーズも、今後広く採用されていくはずだ。
次なる100年のZFは?
100年にわたってトランスミッション、パワーステアリング、サスペンションなど、主要な自動車部品を開発・製造し、量産車に広く採用されてきたZF。では次なる100年で、自動車に対してどういう貢献が考えられるか、質問してみた。
ZFレースエンジニアリング社でモータースポーツ・マネージャーを務めるメメット・オザーマン氏は「私はレースエンジニアリングに属するので、ZF全体についてお答えできる立場にありませんが、レーシングカーや量産車に対し、トランスミッション、クラッチ、ショックアブソーバーなどのコアコンポーネンツにおいて、その時々の最新テクノロジーを盛り込み続けているはずです」と回答。近ごろ話題の自動運転に関しても、より力を入れていくことになるだろうと付け加えた。
イストチェンコ氏は「これまでの100年のうち、ここ何年かの進化のスピードが特に著しいので、この先100年を想像するのは容易ではありません。もしかしたら月でレースをしているかもしれませんし」と笑った後、「ただ、ギアボックスを中心に貢献してきたZFが、ザックスと一緒になってショックアブソーバーも担うようになり、最近TRWとも一緒になって、総合的なサプライヤーに成長しました。将来も広範囲にわたって自動車メーカーをサポートしているのは間違いないでしょう」と語った。
100周年に100校を
ところで、ZFは創業100周年を迎え、同社史上最大規模の人道支援プロジェクトを2015年1月に開始したので、その活動についても紹介したい。
「100 Years-100 Schools」というスローガンの下で行われているその活動は、世界の貧困地域の教育環境を改善しようとするもので、100校分の学校建設と教育資材の提供を行うことを目標にしている。
この活動はZFグループ内で人道支援を行う非営利団体「ZF hilft(ゼット・エフ・ヒルフト)」が中心となり、ユネスコに協力するかたちで行われている。ZFグループの全社員が参加すると同時に、一般の募金によっても支えられており、その背景には「ZFの創立100周年という年は、単に社員が祝賀行事を行うだけでなく、グローバル企業の一員として積極的な姿勢で社会的責任を全うする機会でもある」という考えがある。
具体的には、まずバングラデシュ、インド、シエラレオネの主にスラム街やその周辺地域に初等教育を行う学校を30校建設する計画だ。また、必要となる建物が確保されている地域に向けては教育の質的向上を目指し、若い教育者の育成や派遣、および十分な教材の提供を行う。中国、メキシコ、ネパール、ペルー、フィリピンにある70校に対してサポートを行っているという。
モビリティーを担う企業として
また、モビリティーとトランスポーテーションの発展に貢献するZFらしい社会貢献が、アフリカの子どもたちに対する通学用自転車の寄贈である。
この活動は国際慈善援助組織の「World Bicycle Relief(ワールド・バイシクル・リリーフ)」と協力して行っているもの。ザンビアや南アフリカの辺境地域に住む子供たちは交通手段がないために、3人に1人が通学に2時間以上を要しているという。ZF hilftはそういった通学に困難を伴う子どもたちがいる100の村に対して2015年1月から自転車を提供しており、その数は8月末の時点で1700台に達した。自転車を使うことで、子どもたちの通学時間は4分の1に短縮されたケースもあるそうだ。
こうしたグローバルな社会貢献の一環として、ZFの日本法人であるゼット・エフ・ジャパンは2015年4月に、東京のお台場で開催されたモータースポーツのファンイベント「モータースポーツジャパン」に展示ブースを出展して募金活動を行った。また、レースシリーズ「SUPER GT」の会場にも展示ブースを出展し、来場者に「100 Years-100 Schools」プロジェクトの趣旨を伝えるとともに、募金の呼びかけを行っている。
ドライブラインとシャシーテクノロジーの先進技術を世界のカーメーカーに提供してきたZFは、同時にグローバルメガサプライヤーとしての責任とプライドを携えて、次なる100年に入った。第44回東京モーターショー(一般公開日:2015年10月30日~11月8日)では「効率」「安全」「自動運転」をテーマに、モビリティーの未来に向けてZFが訴求するメガトレンドが展示される(ZF公式サイトの東京モーターショー特設ページへ)。将来の成長分野である「環境」と「安全」の技術を融合した新たな挑戦が始まる。
(文=塩見 智/写真=荒川正幸、ZF)
→「前編/モータースポーツを支えるZFのテクノロジー」はこちら。
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