日産GT-R Pure edition For TRACK PACK(4WD/6AT)【試乗記】
さらなる高みに 2011.11.17 試乗記 日産GT-R Pure edition For TRACK PACK(4WD/6AT)……1016万4000円
「日産GT-R」の進化は止まらない。左右非対称のサスペンションセッティングが与えられる2012年モデルの走りやいかに。東北のニュル(?)、スポーツランドSUGOで試乗した。
0-100km/hは今や2.84秒
スポーツランドSUGOを「日産GT-R」で走っている。1周3.7kmのレースコース。レインボーコーナーを抜けると、黄旗が振られ、パイロンが置かれた場所で一時停止する。センターコンソールに並ぶセットアップスイッチを、トランスミッション「R」、VDC-R「R」、まんなかのショックアブソーバーだけは、「むしろノーマルのほうがタイヤの食いつきがいいですから」との事前説明通り「ノーマル」のままにする。ブレーキペダルを踏み付け、スロットルを開け、左足を上げてブレーキをリリース。絶妙のスタートダッシュを決めるローンチコントロールが作動してGT-Rが矢のように飛び出す!
……はずだったのだが、550ps、64.5kgmという大きなアウトプットを受けとめきれず、前255/40ZRF20、後285/35ZRF20の超扁平タイヤがむなしく路面をかく。一瞬の後、GT-Rは次のパイロンに向かって突進を始めた。「スタートの瞬間はハーフスロットル。動きはじめてからフルスロットルにしたほうがタイムが出ます」という、ステアリングを握る前に授けられたアドバイスを思い出すのは、試乗が終わってからだ。手だれの「0-100km/h」テストでは、前年モデルの3.0秒を上回る、2.84秒をたたき出すという。
次のパイロンでフルブレーキ。加速時と同じ獰猛(どうもう)さでGT-Rは速度を殺す。ニュルブルクリンクでは、1.9Gの減速Gを出すこともあるとか。続いて「速度70km/hで」との看板の指示に従いパイロンスラローム、回頭性をテストする。新しいサスペンションセッティングが与えられた2012年型GT-Rは、右、左、と素早い身のこなしを見せてドライバーを感心させる。最後のパイロンを終えると、ニッポンのスーパーセダンは「馬の背」コーナーへ。プレス試乗会では、新しいGT-Rの進化を満喫できるコースが設けられていた。