「テスラ・モデルS」がマイナーチェンジ リモート駐車が可能に
2016.05.18 自動車ニュース![]() |
テスラモーターズジャパンは2016年5月18日、米国内で同年1月に提供が始まったスマートフォンによるリモート駐車(出庫および入庫)機能「サモン」が、日本仕様の「モデルS」でも利用できるようになったと発表した。同時に、マイナーチェンジして新デザインとなったモデルSの国内販売を開始。東京都内で、最新型のモデルSを使ったサモン機能のデモンストレーションが実施された。
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■無人のテスラをスマホで駐車
サモン(summon)は、英語で「呼び出す」という意味。あらかじめ専用アプリケーションをダウンロードしたスマートフォンを操作し、無人のモデルSを前進駐車あるいは後退駐車させることができる機能だ。入庫する際、ユーザーは駐車スペースやガレージの近くにクルマを止め、パーキング状態にあることを確認して車外に出てからスマートフォンを操作する。一度の作動でクルマを動かすことができる距離は12mで、現時点では、ガレージに入っているクルマを遠く離れた場所から呼び出すことはできない。
車両の左右に余裕のない駐車スペースやガレージに駐車する際には、便利な機能だ。作動中に車載のセンサーが障害物を検知すると、自動操舵(そうだ)で回避するか停止する。米国では2016年1月からこの機能が盛り込まれた。日本では同年4月15日に国土交通省に承認され、国内でのいくつかのテストを重ねた上で、5月18日に提供された。
実際にスマートフォンを操作してみた。「音もなく動いた!」と驚いたが、よく考えたらEVなので常に音はしない。スマートフォンの画面に表示された「前進」「後進」のどちらかを長押ししている間のみクルマが移動する。壁を認識すると操作にかかわらず自動的に停止する。壁との距離は、あらかじめ設定しておくことができる。
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■初のフェイスリフトも実施
今後デリバリーされるモデルSにサモン機能が盛り込まれる一方で、すでに納車済みのモデルSも、インターネット経由で車両のソフトウエアを無料アップデートすることにより、同じ機能が使えるようになる。また、2016年内に日本で納車が開始されるSUV「モデルX」や、翌17年以降に納車が開始される予定の、小型セダン「モデル3」にも採用される。
モデルSは、2012年の発売(日本導入は翌13年)以来、インターネット経由のアップデートなどで何度もマイナーチェンジが繰り返されたが、今回、初めてデザインの変更を伴うマイナーチェンジが行われた。これまで車両の先端に黒い部分、いわゆるノーズコーンがあしらわれたデザインだったが、新デザインでは、テスラの「T」をかたどったエンブレムを強調しつつ、のっぺりとしたシンプルなフロントマスクとなった。SUVのモデルXとファミリーであることを強く感じさせるフロントのデザインといえる。
また、ヘッドランプがフルLED化されたのに伴い、レンズカットをはじめヘッドランプ・ユニット内のデザインが変わったほか、これまでブラックアウトされていたボディーサイドのロッカーパネルがボディー同色になった。リアのデフューザー部分のデザインも変わった。
先般、米国でモデルXが発表された際、オプションで車内への空気を取り入れる部分に「HEPAフィルター」を装着することができるようになった。これは、0.3マイクロメートルのホコリを99.97%除去する性能をもつエアフィルターで、テスラによれば、アレルギー源やバクテリア、その他の汚染物質を事実上完全に排除できる。花粉症の予防にも効果を発揮するとか。このオプションには、車内の圧力を高めることで外気の侵入を防ぐ対生物兵器モードも含まれる!
価格は、以下の通り。
・モデルS 70D:1015万6000円
・モデルS 90D:1187万2000円
・モデルS P90D:1437万6500円
(文=塩見 智/写真=webCG)