アウディR8 V10クーペ 5.2 FSIクワトロ(後編)
2016.07.28 谷口信輝の新車試乗 SUPER GTや86/BRZ Raceなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー、谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回も引き続き、「アウディR8」に試乗する。外観からは“穏やかな進化形”に見える新型も、乗れば実はアグレッシブ。ヤンチャなクルマに仕上がっているという。さて、谷口の結論は?この外観に惑わされるな!
「あのね、R8のマイナスポイントを3つ挙げましょう」 出た! 本企画ではおなじみの“後編辛口タイム”の始まりである。「まずね、ブレーキペダルの位置が高い。だからアクセルから踏み換えようとして右足を横に動かすと、足の側面がブレーキペダルにぶつかっちゃう。自分で買うならここは調整したいところだけど、どうかな、できるかな……」
ほほう、これはいかにもレーシングドライバーらしい指摘である。では、次は? 「2番目は、もしも僕がこのクルマを買ったら、助手席のヨメが間違いなく『テレビが見られない!』と言いそうなところ。だって、R8はメーターパネルにナビの地図まで表示させるバーチャルコックピットになっているから、ダッシュボードの中央にはなにもついてないじゃないですか。ああ、ヨメがブツブツ言っている様子が目に浮かぶなあ(笑)」
ふーむ、ドライビングに関する真剣な話題から一気にテレビか。まあ、谷口が家族思いであることはよくわかった。そして3番目は? 「R8って、アウディのフラッグシップモデルでしょ? なんで、もっと見た目で強くアピールしようとしなかったのか、そこは不思議で仕方ありません」
どちらかといえばおとなしいアウディのスタイリングが谷口の趣味にあわないことは本連載でも何度か取り上げたが、今回はただ「好みでない」という以上の意味を持っているようだった。「だって、この外観なのに、このアグレッシブさでしょ。前に乗ったR8に比べると、かなり過激な感じですよね」
谷口が乗ったという先代R8は、まだギアボックスがシングルクラッチだった時代の初期型だが、それでも谷口にかなり深い印象を残したようだ。「前のR8は、ギアチェンジするたびにシフトショックでオジギしなきゃいけないところが大キライだったけれど、スタイリングは未来感があって格好よかったし、ワインディングロードで乗ればどんなカーブでもブレーキなしで進入できちゃうんじゃないかと思わせるような安心感があった。それに比べると新型はかなりヤンチャですよ」
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