マツダ・ロードスターRF VSプロトタイプ(FR/6AT)
こだわりのオープンルーフ 2016.11.19 試乗記 「マツダ・ロードスター」に、スイッチひとつでルーフが開閉する電動ハードトップモデル「RF」が追加された。開発者のこだわりがつまったリトラクタブルハードトップの出来栄えと、ソフトトップ車とは一味違う走りをリポートする。不都合を逆手に取ったスタイリング
今回の4代目マツダ・ロードスターも商品企画の初期段階から、電動ハードトップありきだった。先代の3代目ロードスターでも途中に「RHT(リトラクタブルハードトップ)」を追加してからは、ソフトトップよりRHTのほうが販売台数が多くなったからだ。
……なのに、先行したソフトトップの設計開発では、そんなことはお構いなしにギリギリのパッケージングをした。そこにソフトトップよりかさ張るハードトップを押し込めようとしても、とても入りきらない。当然である。
その独特のスタイリングから「RF(リトラクタブルファストバック)」と名づけられた新型リトラクタブル・ロードスターは、そんな不都合な現実(?)を逆手にとったデザインだそうである。試作段階では強引にフルオープン形状にする方法も検討されたそうだが、それでもソフトトップと同じスタイルにはならない(=オープン時には先代RHTと同等か、それ以上に盛り上がりが残る)し、RHTとは比較にならないくらいに複雑怪奇で重い機構になってしまう。
「収納してもハミ出てしまうなら、ハミ出した状態でカッコよくすりゃいいじゃないか」との発想が、そのハミ出し部分を美しくカバーするタルガトップ風スタイルにつながった。
ロードスターRFは見た目にはタルガトップだが、実際のリアウィンドウは格納ルーフと一体である。オープン時にはウィンドウも同時に格納されるので、シート背後は貫通した巨大ロールバーのような形状になる。よって厳密にはタルガトップではなく、オープン時の開放感はタルガトップを確実に上回る。