BMW i8(後編)
2016.12.08 谷口信輝の新車試乗 SUPER GTや86/BRZ Raceなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回も引き続き、BMWのプラグインハイブリッド・スポーツカー「i8」がテーマ。ユニークな外観をどう評価する? そしてi8はどんなタイプのドライバーに薦めたい? BMWが示す「スーパースポーツカーの未来形」を、歯に衣(きぬ)を着せぬ“谷口節”で解説する!あらためて見ると“遠目美人”!?
今回の取材に先立ち、谷口はBMW専門ショップとして名高いStudieの鈴木康昭社長が所有するスペシャルi8に試乗する機会を得ていたようだ。
「いやあ、格好(かっこ)いいんですよ、鈴木さんのi8は……」
切れ味のいい谷口の語り口がようやく戻ってきた。
「まず、ACシュニッツァーのエアロパーツがバリバリに付いているんです。ホイールもACシュニッツアーだし、車高も落としてあるし。i8って、こんなに格好よくなるんだって驚いたくらいです」
ところがノーマル状態のi8には異なる印象を持っているらしい。
「いや、ノーマルもデビューした当時は格好いいと思っていたんですよ。でも、最近は見慣れたからなのか、いろいろなライバルが登場したからなのか、そのオーラみたいなものをいまひとつ感じにくくなっていたんです。で、今日あらためてi8を間近に眺めてみましたが、意外にも、まー、ブチャイクですね(笑)。いやいや、全然悪い意味じゃないんですよ。でも、遠くから見たらモデルさんみたいに完璧なプロポーションで、すっごい美人だろうなと期待していたのに、近くで見たらそうでもなかったーっていう、軽い落胆みたいな感じなんですよね」
その後も「ひとつひとつのパーツは美人なんですが、目と鼻と口と輪郭を別々の美人から持ち寄ってきたみたいで、結果としてブチャイク」など、谷口のデザイン評価(?)は止まらなかったのだが、非常に危険な領域に迫ってきたので、そろそろ話題をインテリアに切り替えることにしよう。
「このステアリングとか、全然悪くないですね。タコメーターが普通と逆向きに回るのは不自然な感じがするけれど、それ以外はいいんじゃないですか。室内も広いし、少なくともフェラーリとかマクラーレンみたいに、ドライバーを不安にさせるような恐ろしい部分はありませんよね」
高いボディー剛性を得るうえで必要となる幅広で高いサイドシルはいかがだろうか?
「あのー、僕、一応レーシングドライバーなんです。だから、レーシングカーで慣れているので、こういうのは全然気になりません」
あ、そうだった。これは大変失礼しました。
では、軽く捻(ねじ)るようにして上方に開くドアはいかがだろうか?
「格好はいいけれど、意外と不便らしいですよ」
ほう、どんなところが不便なのだろうか?
「知り合いが言うには、ボディーの脇に80cmくらいの余裕がないとドアを開けられないんだって。それで、隣のスペースが開いている駐車場にクルマを止めて出掛けてきて、戻ってきたら自分のi8のすぐ脇にクルマを止められていると、ドアを開けられなくなっちゃうんだって」
それはさぞかし困るはず。
「それが、普通の駐車場だったらまだしも、成田空港の駐車場とかだったら、隣の人が1週間くらい帰ってこないかもしれないし、かなりまずいことになるよね」
うーん、そんな恐ろしい状況は想像したくもない。
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