番外編:箱根の中心で謹賀新年を叫ぶ
2017.01.01 バイパーほったの ヘビの毒にやられまして![]() |
いよいよ始まった2017年! webCG最初の記事では、編集ほったと「ダッジ・バイパー」が、皆さまのもとに箱根の山からめでたいご来光をお届けいたします。
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正月はどうせ暇ですし……
さてさて。これで2017年が巳(へび)年だったらうまい口上のひとつでも用意できたのだろうが、あいにく今年は酉(とり)年である。このままでは読者の皆さまに、「なんだって2017年最初の記事が『ヘビの毒~』なんだよ?」と突っ込まれてしまいそうだが、その辺は記者が今年の年男であることに免じて許していただきたい。
もろもろのきっかけは、昨年末に発せられた編集長こんどーの「今年はどこも“初日の出”いかへんのか?」という質問だった。「今年は」もなにも、記者は別に、毎年日本のどこかからご来光をお届けしているわけではない。昨年初めて、連載特集の一環として九十九里に赴いただけである。
とはいえ健全なる独身男子の常で、1月1日に別段用事があるわけでもない。このままではどうせ寝正月なので、今年もちょっと出かけることとした。
行き先はずばり、箱根のターンパイクである。理由は、
(1)前回が海だったので今回は山がいい。
(2)「ダッジ・バイパー」はどうも海と相性が悪い。
(3)とはいえ高尾山は混む。筑波山は土地勘がない。
(4)そうだ、箱根に行こう。
といったものである。
調べたところ、箱根における日の出の時刻は午前6時50分ごろ。“ぴったり着”だと駐車スペースがなさそうなので、到着時刻は1時間ほどサバを読んで、朝4時ごろに実家を出ることとする。寒空の中で待つことになるが、大観山の休憩所は4時半から開いているので凍える心配はない。わが計画に抜かりなし。
それでも、出発時にいきなり「解錠したのにクルマのドアが開かない」というトラブルに襲われたものの、お百度参りのごとくドアオープナーのボタンを押し続けて難なく解決。キートラブル程度で動揺していては、このクルマのオーナーは務まりませんよ。ククク……。まあでも、そのうちにクルマ屋さんに見てもらおう。電装系のトラブルは、なんというか不気味なので。
わが相棒は暖房器具としても高性能
かようにささやかなトラブルこそあったものの、クルマが走りだしさえすれば、後は知ったる道である。今回もまた、なんのドラマもなく目的地に到着してしまった。
京葉道路→首都高速→東名自動車道→小田原厚木道路と走って、いつも通り小田原料金所からターンパイクにコースイン。警戒していた路面の凍結などもなく、午前6時には無事に本線終点の大観山に到着していた。しかし、大観山の駐車場をぐるりと“ロケハン”して「なんだか、さっきの駐車場の方が見晴らしがいいかも」と思い、ターンパイクを逆戻り。ちょっと下の白銀展望駐車場で日の出を待つこととした。
普段は暑っ苦しいことこの上ないダッジ・バイパーのエンジンであるが、こういうときは誠にありがたい。前回の「フォード・フォーカス」ではエンジンを切って15分後には車内は冷蔵庫と化していたが、バイパーの車内は日の出まで暖かさが残っていた。スポーツカーとしてはもちろん、コタツとしての素養も持ち合わせているとは、さすがはわが相棒である。
後ははるか太平洋から昇る初日の出を写真に収めたら、今回のミッションは終了。ついでに富士山の写真も撮っておいたので、「タカとナスは夢に出てきたんだけど、富士山は出てこなかったんだよなあ」という方、ぜひご活用ください。
読者諸兄姉の皆さま、あけましておめでとうございます。
今年も一年、webCGをどうぞよろしくお願いいたします。
(webCG ほった)

堀田 剛資
猫とバイクと文庫本、そして東京多摩地区をこよなく愛するwebCG編集者。好きな言葉は反骨、嫌いな言葉は権威主義。今日もダッジとトライアンフで、奥多摩かいわいをお散歩する。
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