トヨタC-HR G-T(4WD/CVT)
小排気量ターボの楽しさ 2017.02.21 試乗記 TNGAに基づいて開発された、トヨタのコンパクトSUV「C-HR」。欧州各地での走り込みによって鍛えたというその実力を、販売台数では劣勢の1.2リッターターボモデルでテスト。ハイブリッドモデルにはない魅力とは?競合車は兄のプリウス
2017年1月の乗用車販売台数ランキングで、日産が33年ぶりに1-2フィニッシュを達成して話題になった。1位は「ノート」で、昨年11月にも、日産車として30年ぶりに乗用車販売台数でトップに立った。2位には昨年8月にモデルチェンジした「セレナ」が入った。
この結果は、昨年12月に発表されたトヨタC-HRのおかげ? だと考えている。C-HRは4位に入っていて、3位には昨年1~10月のトップを守り続けてきた「プリウス」がランクインしていたからだ。
C-HRとプリウスは、「もっといいクルマづくり」の構造改革とトヨタが表現するTNGAに基づく新開発プラットフォームを共有し、ハイブリッド車についてはパワーユニットも基本的に同一となっている。
C-HRのハイブリッド車の価格は約250万円から。対するプリウスは約240万円スタートとなる。差額が10万円ぐらいなら、C-HRを選ぶという人も多いだろう。事実、発売から約1カ月後のC-HRの受注状況は、8割近くがハイブリッド車に集中しているという。
JC08モード燃費は、ハイブリッド車が30.2km/リッター、ガソリン車が15.2km/リッターと、ダブルスコアに近い。なのにガソリン車は1.2リッターのダウンサイジングターボエンジンにメカニカル4WDを組み合わせるという、ハイブリッド車とは別の意味でコストの掛かる内容なので、価格差は10万円ちょっとしかない。
北米向けC-HRには、価格面で有利であろう2リッター自然吸気エンジンを積むモデルのみが設定されている。日本仕様にそのエンジンを積まなかったのは、世界有数の積雪地域を擁する日本に必須の4WDが1.2リッターターボにしかないためでもあるようだが、ヨーロッパ仕込みの走りというイメージを強調したいという理由もあったかもしれない。