化学の力で進化した“未来の”EVスマート登場【フランクフルトショー2011】

2011.09.03 自動車ニュース

【フランクフルトショー2011】化学の力で進化した“未来の”EVスマート登場

独ダイムラーは2011年9月1日、同じくドイツに本社を置く総合化学メーカーBASFと共同開発した電気自動車コンセプト「smart forvision(スマート・フォービジョン)」をフランクフルトモーターショーに出展すると発表した。

■発電・軽量化・温度管理がキーワード

スマート・フォービジョンは、ダイムラーの持つ電気自動車に関する専門知識とBASFの持つ化学技術ノウハウを共に採り入れた、「電気自動車の未来像」(プレスリリース)を示すコンセプトカーである。

外観はヘッドランプやリアランプに特徴があるものの、「スマート・フォーツー」の面影を残すモノ。インテリアはエクステリアデザインを反復しつつ、航空機の操縦桿(かん)を思わせるホワイトのハンドルや、タッチで操作できるスクリーンなど、かなり未来的にしつらえられた。
しかしこのクルマの見どころは、電気自動車の課題である走行距離を伸ばすために採り入れられた、さまざまな化学技術である。

まずは走行に必要となるエネルギーの生成だ。
ルーフに開いた六角形の中に見えるのは、有機化学染料を用いた透明な太陽電池で、ここで作り出されるエネルギーは、車内の換気をはじめ、さまざまな用途に使うことが可能。その裏側、つまり車内側には消費エネルギーの少ない、透明有機発光ダイオード(OLED)が備わり、照明として車内を照らすことができるという。

軽量化も航続距離延長の大きな要素となる。
世界初の技術という、量産可能な完全プラスチックホイールの採用により、ホイール1本あたり3kgの軽量化を実現。もちろん強度などの性能部分も、量産車で使用可能なレベルとのことだ。
ボディには炭素繊維強化エポキシ樹脂を使用。スチールとの比較では50%以上、アルミニウムとの比較では30%以上の軽量化が実現できるというこの素材を、トリディオンパッセンジャーセルのほか、ドアなどの部品にも用いている。

無駄なエネルギーを使わないため、温度管理にも効率化が図られている。
自動車の暖房・空調システムは多くのエネルギーを必要とするため、数々のエネルギー削減技術が採り入れられた。ウィンドウには、新赤外反射膜が組み込まれ、車内の温度上昇を抑制。さらに高機能発泡体を車体パネルに用いることで、車内の温度・湿度を快適に保つことができるという。他にも、ボディに熱線や光を反射する塗料や、体を効率的に暖めるシートヒーターなどが採用され、徹底した温度管理がなされている。

これらの徹底した温度管理や軽量設計により、未来の電気自動車は走行距離を最大20%延長することが可能であるという。なお、同コンセプトカーに用いられた技術は、一部はまだ研究段階とのことだが、他は量産できる見込みがあるとのこと。

(webCG 本諏訪)

「smart forvision」
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化学の力で進化した“未来の”EVスマート登場【フランクフルトショー2011】の画像 拡大
 
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