【東京モーターショー2017】カワサキが「Z900RS」をワールドプレミア
2017.10.26 自動車ニュース![]() |
川崎重工業は東京モーターショー2017で、歴史的名車「Z1」のイメージを色濃く受け継いだレトロスポーツモデル「Z900RS」を世界初公開した。また、エンジンやフレームが新設計となる「ニンジャ250」と「ニンジャ400」も発表した。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
往年のイメージに最新の技術を組み合わせる
川崎重工業が、1970年代に一世を風靡したビッグバイク「Z1/Z2」の復活版を出す。昨年あたりからそんな噂がバイク好きの間で語られるようになった。そして今年9月、同社はZ900RSと名付けた新型のティーザー動画をYouTubeにアップ。噂が真実であることを証明した。
そこには10月25日アンベールという文字もあり、ワールドプレミアの場として東京モーターショーを選んだことも明らかになった。
そして当日、プレスブリーフィングで登壇したモーターサイクル&エンジンカンパニーのプレジデント、太田和男氏はまず、航空、鉄道、船舶、エネルギーなど、文字どおり重工系の分野を120年以上担うカワサキが、なぜモーターサイクルを作っているのかという説明から始めた。
カワサキがモーターサイクルに参入したのは1950年代。すでに移動手段としての二輪車は多くのメーカーが提供していた。そこでカワサキは、現代人の生活には心の豊かさが必要であるという観点から、心を豊かにするレジャー製品と位置づけてモーターサイクルに取り組んだ。
この姿勢が多くのライダーから「カワサキは違う」という評価につながり、「Z」や「ニンジャ」というブランドが40年、30年という歴史を刻むことができたのではないかと語りつつ、Z900RSのアンベールとなった。
細いパイプを複雑に組み合わせたトレリスフレームに水冷並列4気筒エンジンという現代的な成り立ちとは思えない姿がそこにあった。しかも初期型Z1/Z2が採用していた通称「火の玉カラー」のタンクまで再現するという芸の細かさだ。
Zブランドは絶対性能を追い求めただけでなく、触覚や聴覚、視覚などで感じる「操る悦び」を設計してきたと太田氏は説明。Z900RSもその伝統は継承しており、人間の感覚に忠実なスロットルレスポンス、荒々しさと緻密さを併せ持つエキゾーストサウンドなど、細部までこだわったという。
眺めているだけでも週末が楽しみになるZ900RS。その喜びを高めるべく、カスタムプロジェクトも企画。ブースにはカワサキとつながりの深いスペシャルショップによる3台のカスタムも展示された。
もうひとつの柱であるニンジャにも新型車を用意した。ちょうど10年前の東京モーターショーでデビューし、走る喜びと使いやすさ、スタイリッシュなデザインの3つの魅力が融合することで250ccブームの火付け役になったニンジャ250の新型だ。大幅な軽量化とパワーアップを実現することで、操る喜びをさらに高めたという。
同時にニンジャ400の新型も発表された。従来は650cc版との共通設計だったのに対し、新型は250と基本構造を同一とすることで、格段に痛快な走りが味わえるようになったと紹介した。
モーターサイクルの新型車は東京や大阪、ミラノやケルンなどで行われるモーターサイクルショーで発表されることが多い。しかしカワサキは多くのバイク好きが注目するZ900RSを東京モーターショーでデビューさせた。日本を代表する自動車のお祭りを盛り上げるために、あえてこの場を選んでくれたカワサキに感謝したい。
(文と写真=森口将之)

森口 将之
モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。ヒストリックカーから自動運転車まで、さらにはモーターサイクルに自転車、公共交通、そして道路と、モビリティーにまつわる全般を分け隔てなく取材し、さまざまなメディアを通して発信する。グッドデザイン賞の審査委員を長年務めている関係もあり、デザインへの造詣も深い。プライベートではフランスおよびフランス車をこよなく愛しており、現在の所有車はルノーの「アヴァンタイム」と「トゥインゴ」。
-
トヨタが新型クロスカントリーモデル「ランドクルーザー“FJ”」を世界初公開 2026年に発売を予定NEW 2025.10.21 トヨタ自動車は2025年10月21日、新型クロスカントリーモデル「ランドクルーザー“FJ”」を世界初公開した。「悪路走破性と機動性」と「コンパクトだからこその気軽さ軽快さ」を両立させたモデルで、日本での発売は2026年の年央を予定している。
-
【F1 2025】第19戦アメリカGPでフェルスタッペンが独走で今季5勝目 ノリス2位、ピアストリ5位でチャンピオン争いは三つどもえの戦いに 2025.10.20 F1世界選手権第19戦アメリカGP決勝が、2025年10月19日(現地時間)、アメリカはテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(5.513km)を56周して行われた。レースの結果とポイントランキングを報告する。
-
【SUPER GT 2025】第7戦オートポリスで山本尚貴/牧野任祐組のNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTが今季初勝利 CIVIC勢は表彰台独占 2025.10.19 2025年10月19日、国内最高峰レースであるSUPER GTの2025年シーズン第7戦が大分県のオートポリスで開催された。GT500クラス、GT300クラスともに、その結果を報告する。
-
横浜ゴムが「アドバンスポーツ」の新コンセプトタイヤを初披露【ジャパンモビリティショー2025】 2025.10.17 横浜ゴムは2025年10月17日、「ジャパンモビリティショー2025」(会期:10月29日~11月9日)への出展概要を発表した。ウルトラハイパフォーマンスタイヤ「アドバンスポーツV107」の次世代コンセプトモデルが初披露される予定。
-
ホンダが日本自動車工業会主催のメインプログラムへの展示内容を追加発表【ジャパンモビリティショー2025】 2025.10.16 本田技研工業は2025年10月16日、「ジャパンモビリティショー2025」(会期:10月29日~11月9日)への出展概要の追加情報を発表した。ゲーム『ポケットモンスター スカーレット』に登場する「コライドン」の実物大モデルも展示予定。
関連記事
-
NEW
トヨタ・カローラ クロスGRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】
2025.10.21試乗記「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジに合わせて追加設定された、初のスポーティーグレード「GRスポーツ」に試乗。排気量をアップしたハイブリッドパワートレインや強化されたボディー、そして専用セッティングのリアサスが織りなす走りの印象を報告する。 -
NEW
SUVやミニバンに備わるリアワイパーがセダンに少ないのはなぜ?
2025.10.21あの多田哲哉のクルマQ&ASUVやミニバンではリアウィンドウにワイパーが装着されているのが一般的なのに、セダンでの装着例は非常に少ない。その理由は? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
2025-2026 Winter webCGタイヤセレクション
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>2025-2026 Winterシーズンに注目のタイヤをwebCGが独自にリポート。一年を通して履き替えいらずのオールシーズンタイヤか、それともスノー/アイス性能に磨きをかけ、より進化したスタッドレスタイヤか。最新ラインナップを詳しく紹介する。 -
進化したオールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2」の走りを体感
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>欧州・北米に続き、ネクセンの最新オールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2(エヌブルー4シーズン2)」が日本にも上陸。進化したその性能は、いかなるものなのか。「ルノー・カングー」に装着したオーナーのロングドライブに同行し、リアルな評価を聞いた。 -
ウインターライフが変わる・広がる ダンロップ「シンクロウェザー」の真価
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>あらゆる路面にシンクロし、四季を通して高い性能を発揮する、ダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」。そのウインター性能はどれほどのものか? 横浜、河口湖、八ヶ岳の3拠点生活を送る自動車ヘビーユーザーが、冬の八ヶ岳でその真価に触れた。 -
第321回:私の名前を覚えていますか
2025.10.20カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。24年ぶりに復活したホンダの新型「プレリュード」がリバイバルヒットを飛ばすなか、その陰でひっそりと消えていく2ドアクーペがある。今回はスペシャリティークーペについて、カーマニア的に考察した。