第460回:走る、考える、火もおこす
「プジョー・ライオン・ラリー」を仙台近郊で開催
2017.12.11
エディターから一言
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プジョー・シトロエン・ジャポンは2017年11月12日、プジョーオーナーを対象とした公道ラリーイベント「プジョー・ライオン・ラリー#01 in東北」を開催した。参加者たちは仙台市近郊を舞台にした約100kmの“アベレージラリー”に挑戦したほか、東北名物の芋煮を囲んでオーナー同士の交流を深めるなど、プジョーを通じて地元の風物を楽しんだ。
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プジョー・シトロエン・ジャポンの新たな試み
今時オーナーズイベントは珍しくないが、その企画内容にはどのブランドの担当者も頭を悩ませているはずだ。たとえばサーキットを使っての走行会、ドライビングレッスン、さらにレースに参加しているブランドであればレーシングカーの同乗体験、それからトークショーぐらいが相場であり、なかなかユニークな企画は見当たらない。単に同好の士が集まっておしゃべりするだけでも面白いという人もいるだろうし、実際にそういう形で大盛況のイベントも存在するが、ブランドとしての主張を盛り込んだり、新規参加者を増やし、さらにはリピーターを確保するにはやはりちょっと弱い。どのブランドも認知度と好感度アップを目指し、最終的にはビジネスに反映させたいと考えているから、古いモデルのオーナーがまったり集まるだけのイベントに予算は使いにくい、と判断してきたのである。
しかし、やはりそれだけでは広がらないと、その種のカスタマーイベントに冷淡だった日本メーカーでさえ方針を変更しつつあるのが昨今のトレンドだ。当たり前のことだが、既存客を大切にしないでブランドを築けるはずはない。
アベレージラリー形式で70台が参加
その点、プジョー・シトロエン・ジャポンが先月開催した「プジョー・ライオン・ラリー in東北」は、インポーターとしてはこれまでにない新しい試みだった。第一の特徴はオーナー参加型であったこと。しかも地方ごとに開催する予定らしく、1回目は仙台市近郊で行われた。ラリーと銘打ってはいるものの、もちろんWRCに代表されるようなスピードを競うイベントではなく、ロードブックに従って決められた時間通りに各チェックポイントを通過する、いわゆるアベレージラリーである。
地元東北だけでなく関東圏からも集まった70台の参加車両は仙台空港に近い岩沼市千年希望の丘公園に集合した後、散り際の紅葉に彩られた蔵王山麓のワインディングロードを含む約100kmのルートを走り、仙台市の秋保温泉のキャンプ施設にゴール。その後は参加者全員で東北の秋の風物詩である「芋煮鍋」を楽しむという内容だった。
地方の道や風土を再発見するイベント
スタート地点の千年希望の丘公園は、東日本大震災の津波で被災した集落の跡地に造成された大規模な公園で、巨大なコンクリート堤防の代わりにガレキを埋めて盛り上げた人工の丘(避難場所にもなる)が点在、かつてのような防風林の復活を目指して現在も植林が続けられている。震災から6年半たった被災地の現状を見てほしいという狙いもあったようで、参加者全員で黙とうをささげた後に、その前週に開催された全日本ラリー最終戦新城ラリーでクラス2位に入賞した「プジョー208GTi」を先導車として順次スタートした。
指定時間通りに走るアベレージラリーはいわばラリーの原型であり、クラシックイベントでは珍しくないものの、大半の参加者にはかえって目新しく、それゆえになかなか難しかったようだが、常に気を抜かずに走らなければミスコースする可能性もあるために、思った以上にやりがいがあったという声も聞かれた。また、河原の“芋煮会”も初対面の人と協力して火をおこさなければならず、おのずと“参加者”であることを求められるイベントだった。
イベント名に「#1」とナンバーが付いていることから分かるように、プジョー・シトロエン・ジャポンは今後も日本各地で地元ディーラーの協力を求めながら同様のカスタマーイベントを開催する予定らしい。地方にはまだまだ素晴らしい道があり、風土がある。それを紹介するだけでも大いに意義あるイベントといえるだろう。
(文=高平高輝/写真=プジョー・シトロエン・ジャポン/編集=竹下元太郎)

高平 高輝
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