ロータス・エリーゼ(MR/6MT)
自動運転なんていらない 2018.01.17 試乗記 マイナーチェンジを受けた「ロータス・エリーゼ」に試乗。最新装備の使い勝手を……と思いきや、テスト車は、エアコンなし、オーディオなし、さらにはフロアマットまで省かれた超硬派仕様。「エリーゼ大好き」を公言してはばからない下野康史は、このパートナーとどう付き合う?輸入販売元の努力が実を結んだ日本限定モデル
ロータスが中国資本になった。これまでの親会社はマレーシアのプロトンだったが、プロトンブランドもろともジーリー(吉利)に買収されたのである。ジーリーは2010年にボルボを傘下に収めている。このところのボルボの好調ぶりをみると、ロータスにも新体制のプラス効果が出ることを期待したい。潤沢な中国マネーを得ることで、掛け声ばかりで進まずにいたアメリカ進出計画も前進するかもしれない。
そんな新生ロータスから送られた初荷の一台がこのベーシックエリーゼである。エリーゼは昨年半ばに“17.5”とも呼ばれるフェイスリフトを受けた。その最新型エリーゼの標準モデルがこれで、エアコン、オーディオ、さらにはフロアマットまで省くことで496万8000円を実現している。
エリーゼは日本でも販売の6割を占めるロータスのエントリーモデルだが、ポンド高騰やエアコンの標準装備化などで、1.6リッターのベースグレードでも一時、500万円台後半のプライスタグを付けていた。装備を簡素にすれば、軽くなる。新しいベーシックエリーゼは、エリーゼ本来のネイキッドな魅力を伝える原点回帰モデルといえる。1.6/1.8リッターの上位モデルを含めて、品ぞろえを厚くした新シリーズのなかで、これだけは日本専用バージョン。ボディーカラーを赤と黄色の2色に絞るなどのコストダウンにも踏み込んで、最初から400万円台の価格を目標に掲げ、輸入販売元のLCIがロータス本社に粘り強く働きかけて実現したモデルである。