トライアンフ・ストリートトリプルRS(MR/6MT)
立ち技系の怖いヤツ 2018.05.01 試乗記 従来モデルから大幅なパワーアップと軽量化を実現した「トライアンフ・ストリートトリプル」。“ストリートファイター”の草分け的存在である3気筒ロードスターが遂げた進化に、恐ろしいまでに律義なトライアンフの“バイク造り”を感じた。その姿勢はファイティングスタイル
まごうことなき立ち技系の達人。そう感じたのは、シートにまたがった瞬間だ。小さなちゃぶ台を思わせる丸いフューエルタンク。その幅が短い分、ハンドルは手元に、かつ高めに迫ってくる。そこに両手を置いた姿勢は、相手の懐に詰め寄った途端、上下左右どこへでも力強く拳を打ち込めるファイティングスタイル以外のなにものでもない。だからこう思った。おっかねぇなあコイツ……。
トライアンフのストリートトリプルRS。ジャンルに落とし込めばストリートファイター。まずはその名称が先入観と緊張感を膨張させる。そもそもは「街のケンカ屋」という意味でしょ。とまぁ、その辺はジャンル名に多少の過激さを含ませる遊び心と理解するけれど、トライアンフの場合、そういうおっかねぇモデルを淡々と仕込み続けているのである。
調べて分かったことだが、元はカスタムマニア間の呼称だったストリートファイターおよびそのスタイルを、メーカーとして真っ先に扱ったのがトライアンフだったらしい。片や「ボンネビル」という古典的なオートバイを今も提供しながら、その裏(?)では市中最強のファイターを育成し続けるなんて、いったいどういうことなんだろう。