なぜか日本人の心の琴線に触れる
英国車の魅力の本質って何?
2018.06.04
デイリーコラム
薄れつつある生産国ごとの魅力
ヘビの毒に犯された編集部H氏から、「英国車の魅力について書いてくださいね」との依頼。面白そうだと軽く引き受けたものの、書き始めようとPCに向き合ってハタと考え込んでしまった。なにせ英国車といったって超高級車から大衆車までさまざまだ。難解な原稿を引き受けてしまったといまさら後悔しても始まらない。とにかく、今回はかなりの私見(と思い込み)を交えて語るので、「いやいやそれは違うだろう」というご意見も多数あるに違いないが、ぜひ笑い飛ばしながら気軽にお読みいただきたい。
それはいつ頃からだろうか。どの国のクルマからも、その国ならではの個性が薄れてきたのは。例えばフランス車はストロークの長いサスペンションとふんわりと体を包み込むようなシートによる乗り心地のよさ。イタリア車はとにかく全開で走りたくなるような気持ちのよいフィーリングと官能的なサウンド。ドイツ車は質実剛健な固いシートとしっかりとした乗り心地。少々単純ではあるが、おおよそこんなイメージだった。従って、目をつぶって乗ったとしても、なんとなくどこの国のクルマか分かったものだ。そうそう、“匂い”も重要な要素だった。
それが今は、どのクルマに乗っても大きな差は感じられないようになった。資本関係とともに、グローバル化の波によってそれぞれの国の製品が似通ったものになってしまったように思えてならない。たぶんそれはそれで良い点もあるのだろうが、少し寂しくもあるのは事実だ。
そうした中で、英国車はどうだろう? 英国資本のメーカーはマクラーレンとモーガンくらいで、それ以外はアジアをはじめとした他国の資本の元、経営を進めている。当然、資本関係にあるメーカーのカラーは入ってきているだろうし、ベントレーやジャガー、そしてロールス・ロイスまでSUVをラインナップしているのは、まさに親会社のマーケティングの表れである。それは生き残りをかけるうえでは致し方のないことで、決して安易に否定できることではないだろう。
それでも私は、今日でも英国車の個性は、ある程度守られていると思っている。
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