トヨタが“つながる新サービス”の展開を宣言
2018.06.26 自動車ニュース![]() |
トヨタ自動車は2018年6月26日、新型「クラウン」および新型車「カローラ スポーツ」の発売を皮切りに、同社が開発した情報インフラ「モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)」を介してさまざまな情報サービスが受けられる「コネクティッドカー」を、本格的に展開すると発表した。
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今後は“トヨタ車の常識”に
これらのコネクティッドカーは、車両の制御ネットワークに接続する車載通信機(DCM)を搭載。MSPFとの通信機能を活用した、以下の「コネクティッドサービス」が利用できるようになる。
- eケア走行アドバイス:ユーザーのクルマに異常が発生した際、車両データから車両の状態を診断し、オペレーターが車載マイクとスピーカーを通してユーザーにアドバイスする。販売店への入庫が必要な場合は、担当販売店または近くの販売店に誘導する。
- eケアヘルスチェックレポート:車両データを元に、車両の状態をセンターが常時診断。トラブルが発生する前に、担当の販売店がユーザーに整備・入庫を勧める。
- ヘルプネット:エアバッグの展開と連動した緊急通報サービス。衝突時の車両データから乗員のダメージを瞬時に解析し、消防本部に送信。消防本部で重症の確率が高いと診断された場合にはドクターヘリなどが出動し、医師が現場に直行する救命サービスも行う。
- 走行データ連動型自動車保険プラン:MSPFに蓄積された走行ビッグデータから算出した「安全運転スコア」を記録。このスコアに連動して割引が適用される、リーズナブルな自動車保険プランが提供される。
- AI音声エージェント:人工知能のバーチャルエージェントがユーザーの自然発話を聞き取り、カーナビの目的地設定やオーディオの操作、機器の取り扱い説明などを行う。
- LINEマイカーアカウント:LINEアプリに車両を“友だち”として登録し、クルマとの会話形式で情報が得られるサービス。例えば、LINEアプリのトーク機能で事前に行きたいところを伝えるだけで、車載ナビ上に目的地を設定することができる。
- ハイブリッドナビ:情報センター側にある最新の地図データとビッグデータ交通情報を元に、最適なルート案内を行う。ナビシステムのプログラムや地図データは、常に最新版になるよう維持される。
東京都内で開かれた発表会には、同社の豊田章男社長が登壇。「いま自動車には、従来の『走る』『曲がる』『止まる』に加えて、『つながる』機能が求められている」「このコネクティッド技術を、重要車種であるクラウンやカローラから採用するというのは、われわれの本気の表れだ」などとコメントした。
また同席した友山茂樹副社長からは、コネクティッドサービスは将来的にトヨタディーラー5000店で対応できるようになること、eケア走行アドバイスやeケアヘルスチェックレポートの運用を確実に行うために、同社の研修施設に「コネクティッドオペレーション改善道場」を設置し、スタッフのトレーニングを行っていることなども紹介された。
トヨタでは、今後国内で発売されるほぼすべての乗用車にDCMを搭載。コネクティッドサービスの提供に力を入れていくという。
(webCG)