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第27回:真夏の夜の災難と新しい教訓

2018.08.22 バイパーほったの ヘビの毒にやられまして
東京・奥多摩湖の大麦代園地駐車場にて。……今年の夏は、結局奥多摩にしか行かなかったな。とほほ。
東京・奥多摩湖の大麦代園地駐車場にて。……今年の夏は、結局奥多摩にしか行かなかったな。とほほ。拡大

レスキュー隊がジャンプスタートでさじを投げる! 友人が引き起こしたバッテリーあがり事件をきっかけに、「ダッジ・バイパー」を襲った災難の連鎖と、コトのてんまつを通して記者が得た、“ちょっとヘンなクルマ”を持つ上での教訓を語る。

夏はやっぱり日本語ロックに限りますな。THE HIGH-LOWSはもちろん、サンボマスターやマキシマム ザ ホルモンもオススメ。暑っ苦しい歌で、積極的に汗をかいていきましょう。
夏はやっぱり日本語ロックに限りますな。THE HIGH-LOWSはもちろん、サンボマスターやマキシマム ザ ホルモンもオススメ。暑っ苦しい歌で、積極的に汗をかいていきましょう。拡大
本文の記述でお分かりの通り、せっかく直したバイパーのエアコン、再びお亡くなりになりました。怪しい箇所のOリングを交換したのに、ほぼひと月で冷媒ガスがすべてオサラバ……。もお、いいかなあエアコンは!
本文の記述でお分かりの通り、せっかく直したバイパーのエアコン、再びお亡くなりになりました。怪しい箇所のOリングを交換したのに、ほぼひと月で冷媒ガスがすべてオサラバ……。もお、いいかなあエアコンは!拡大
朝日を横目に、輸入車合同試乗会の会場である大磯ロングビーチへと爆走するワタナベ女史。……これって、もう1年半も前のことなのか。月日は百代のなんとやらですな。
朝日を横目に、輸入車合同試乗会の会場である大磯ロングビーチへと爆走するワタナベ女史。……これって、もう1年半も前のことなのか。月日は百代のなんとやらですな。拡大
修正前の「バイパー」のリアトー(写真、前回の使いまわしで申し訳ない)。これがワザとだとしたら、以前のオーナーもジムカーナなどのモータースポーツを楽しんでいたのかもしれない。
修正前の「バイパー」のリアトー(写真、前回の使いまわしで申し訳ない)。これがワザとだとしたら、以前のオーナーもジムカーナなどのモータースポーツを楽しんでいたのかもしれない。拡大
過日の「AUTO-X(オートクロス)」にて、日なたぼっこ中のモバー軍団の図。同価格帯の輸入スポーツカーの中でも、「バイパー」は“走ってる”個体やオーナーさんが多いモデルだと思う。
過日の「AUTO-X(オートクロス)」にて、日なたぼっこ中のモバー軍団の図。同価格帯の輸入スポーツカーの中でも、「バイパー」は“走ってる”個体やオーナーさんが多いモデルだと思う。拡大

リアのトーアウトは確信犯?

どうも皆さまこんにちは。webCGの堀田です。近年まれにみる酷暑の中、いかがお過ごしでしょうか? 御多分に漏れず東京・武蔵野もすっかりジリジリ。思わずTHE HIGH-LOWSの『夏なんだな』を口ずさみたくなってしまいます。こういう日のためにバイパーのエアコン直しておいたのに、トホホ。

バイパーといえば、前回は多数の感想・激励のメッセージをありがとうございます。皆さまのアドバイスに従って、キーの写真、歯の形が分からないものに差し替えておきました。その他にも、何通かでちょっと興味深い指摘をいただいたので、合わせてここで紹介させていただきます。

指摘の内容はわがバイパーのアライメントに関するもので、フロントの“左曲がり”はさておき、リアの“ガニ股”は不具合ではないのでは? とのこと。さる御仁のメールによると、「ジムカーナかいわいでは、コーナリングでクルマを曲げやすくするために、リアをトーアウトにするアライメント調整は、珍しいものではない」とのことだった。

確かに、リアのトーアウトっぷりは左右でそんなに変わらなかったし、普通に走っている分には挙動に破綻を感じることもなかった。記者だけがそう思ってたんならアヤしいもんだが、過日試乗してもらったワタナベ女史にも山田先生にも、そうした違和感を訴えられたことはない。SNSで“アメ車 de サーキット”なかいわいを探ってみても、「俺の/あいつのクルマ、リアをトーアウトにしています」という情報がちらほら。……これはやっぱり、くだんのリアトーアウトは不具合の類いではなく、計算の上でのセッティングだったのかもしれない。

これは興味深い事である。もしこの説が当たっていたとしたら、エキゾチックカーかいわい(?)では変わり者な、「飾っておくより走らせてナンボ」なバイパーの性格をよく表すエピソードではないか。「なんだかんだいって、やっぱりこれは風変わりなクルマなのだ」と一人ニヤニヤしてしまった。

……まあ、こんなことでかみしめるまでもなく、バイパーはけったいなクルマなんですけどね。最近忘れかけていたけれど、過日あらためてそれを実感させる事態に出くわした。
“1日試乗”を楽しんでいた友人が、バッテリーをあげてしまったのだ。

ダッジ の中古車

なんでもかんでも、クルマがやってくれると思うなよ

この御仁……「ネタにするのはいいけど、名前出しはご勘弁を」との事だったので、仮にJ氏としよう……は、別にクルマに疎い人物ではない。現在のマイカーは「BMW 5シリーズ ツーリング」(ディーゼル)。免許の取得は記者より早く、当然のこと自動車歴も長い。そもそも、海のものとも山のものとも知れないバイパーなんてクルマに「試乗したい!」というのだから、クルマ慣れした人となりは理解してもらえることだろう。

しかし、彼は実際にバッテリーをあげてしまったのである。原因は“ヘッドランプのつけっぱなし”という初歩的なものだが、この失敗には読者諸兄姉の中にもピンときた人……というか、「あ、私もやったことある」という御仁がおられることだろう。先述の通り、氏のマイカーは高年式のBMW 5シリーズ。当然ながらオートライト機能付きで、夜になれば、トンネルに入れば、自動で点灯してくれるスグレモノだ。もちろんキーロックすればランプは勝手に消灯し、バッテリーがあがる事はない。氏はつまり、そんなマイカーに慣れ過ぎていたのだ。

事情聴取から得た情報をもとに、当日の犯人の動きを再現してみよう。
圏央道を試乗中だった氏は、トンネルに入ってもヘッドランプがついていないことに気づく。そして「今日日、カミさんの軽にだってオートライトぐらいついてるぜ」と苦笑いしつつ手動でヘッドランプをON。某駐車場にて、消灯するのを忘れてクルマから離れてしまったのだ。

バッテリーあがりに気づいた氏から記者のケータイに電話が入ったのは、その日の18時のことだった。

友人が乗っているのと同型の「BMW 5シリーズ ツーリング」。「高くなかった?」「未使用車を短期間で乗り継げば、そこそこ安く楽しめるよ。それにウチは共働きだし」。興味のある方、ぜひこの方法をお試しあれ。
友人が乗っているのと同型の「BMW 5シリーズ ツーリング」。「高くなかった?」「未使用車を短期間で乗り継げば、そこそこ安く楽しめるよ。それにウチは共働きだし」。興味のある方、ぜひこの方法をお試しあれ。拡大
表示類が無愛想この上ない「バイパー」の灯火スイッチ。フォグランプはスイッチ全体をぐいっと手前に引っ張るとつく。
表示類が無愛想この上ない「バイパー」の灯火スイッチ。フォグランプはスイッチ全体をぐいっと手前に引っ張るとつく。拡大
過日撮影した、圏央道 松戸-高谷間のトンネルの図。友よ、1日保険に入っていたとはいえ、試乗と称して他人のクルマを行楽のアシに使い、高速道路をぶっとばす君の神経に乾杯。
過日撮影した、圏央道 松戸-高谷間のトンネルの図。友よ、1日保険に入っていたとはいえ、試乗と称して他人のクルマを行楽のアシに使い、高速道路をぶっとばす君の神経に乾杯。拡大
友の言い分だと、「『バイパー』のランプ、昼間だとついてるんだか消えてるんだか分かんなくって」とのこと。……そうかあ?
友の言い分だと、「『バイパー』のランプ、昼間だとついてるんだか消えてるんだか分かんなくって」とのこと。……そうかあ?拡大

まさかADバンで来るとは

記者が某駐車場に到着したのは、19時をちょっと過ぎた時分である。J氏から事情を聞くと、「今度叙々苑ね」「分かった」の二言で示談は成立。手を振り去っていく氏を見送りつつ、記者は保険会社に電話を入れた。JAFではなく、保険に付帯しているロードサービスを利用しようと思ったのだ。

「車種をいただけますでしょうか?」
「2000年式のダッジ・バイパーです」
「承知しました」
コールセンターのお姉さんの、やけにあっさりした反応が気になった。いや、だってこの人、どこの国のクルマかも聞かなかったんですよ。アナタ本当に承知してます?

胸騒ぎを覚えつつ、「レスキューの到着時間が分かりましたらお知らせしますので、電話を切ってお待ちください」という言葉に従って電話をOFF。しばらくしてお姉さんからの折り返しがあり、「30分から40分ほどで到着しますので、お待ちください」と告げられた。意外に早いな。その程度の時間なら、クルマから離れて待つほどでもない。記者は最寄りの自販機で缶コーヒーを購入すると、街灯の下で戌井昭人著の『のろい男 俳優・亀岡拓次』を読んで過ごすことにした。程なくして、「日産ADバン」に乗ったレスキューのお兄さん(1人)が、さっそうと駐車場に現れた。

ん? ADバン? これってジャンプでエンジンがかからなかった場合、どうやってクルマを運ぶつもりなの? 確かにただのバッテリーあがりではあるんだけど……。いぶかる記者をよそに、「大丈夫ですよ」を連発するお兄さん。不安を覚えつつ記者がフロントカウルのロックを引いたら、彼はなぜかバンパーとカウルの隙間に手を突っ込み、なにやらごそごそやり始めた。しばらくの後、ようやくお兄さんが何をしたいかを悟った記者は言った。
「……すいません。このクルマ、前じゃなくて後ろからボンネットが開くんです」
「ああ、すいません。すいません」

ちなみに友人の贖罪は、諸般の事情により焼肉から修理費+味噌ラーメンと相成りました。BMW乗りなのにケチくさくない!?
ちなみに友人の贖罪は、諸般の事情により焼肉から修理費+味噌ラーメンと相成りました。BMW乗りなのにケチくさくない!?拡大
戌井昭人著『のろい男 俳優・亀岡拓次』。タイトルにもなんとなく表れている通り、『俳優・亀岡拓次』の続編。この主人公を見ていると、男って幸せになるのだけがすべてじゃねえよなあと思ってしまうから始末が悪い。
戌井昭人著『のろい男 俳優・亀岡拓次』。タイトルにもなんとなく表れている通り、『俳優・亀岡拓次』の続編。この主人公を見ていると、男って幸せになるのだけがすべてじゃねえよなあと思ってしまうから始末が悪い。拡大
正式な車名は「日産AD」もしくは「ADエキスパート」。現行モデルは確か、マイナーチェンジを機に「NV150 AD」に車名変更している。それでもついつい、昔ながらの「ADバン」て名前で呼んじゃうんだよねえ。
正式な車名は「日産AD」もしくは「ADエキスパート」。現行モデルは確か、マイナーチェンジを機に「NV150 AD」に車名変更している。それでもついつい、昔ながらの「ADバン」て名前で呼んじゃうんだよねえ。拡大
わが「バイパー」のカウルは、まずはフロントグリル内のレバーを引いて1段目のロックを解除、次に、この隙間からステーを引いてフックを外し、後方からガバチョと開ける。レスキューのお兄さん、残念でしたな。
わが「バイパー」のカウルは、まずはフロントグリル内のレバーを引いて1段目のロックを解除、次に、この隙間からステーを引いてフックを外し、後方からガバチョと開ける。レスキューのお兄さん、残念でしたな。拡大

このクルマ、機械式インジェクションですよ?

その後も、バッテリーの位置が分からなくてきょろきょろしたり、アースする場所が分からなくてうろうろしたり、記者の不安を大いにあおったレスキューのお兄さん。ようやくジャンプの準備を終えると、記者に「それじゃあセルを回してください」。その言葉に従い、車内に乗り込んだ記者はクラッチを踏んでセルを回した。バイパーのV10は一瞬だけかかって見せたが、わずかの後にプスンといってしまった。
「……アクセル、どのくらいあおってます?」
「ちょい強めくらいです」
「じゃあ、めいっぱいあおりながらセルを回してください」
言われるがままに、アクセルをべたんと踏んでセルを回す。爆音をとどろかせながら再びお目覚めする8リッターV10。何事かと周辺住民が顔を出すが、彼らから怒号を浴びせられることはなかった。程なくして、エンジンはやはりカクンと落ちてしまったのだ。

その後は何をどうやってもエンジンは目覚めず。途中からは記者に代わってお兄さんがセルを回したが、当然ながら結果は同じである。
やがて、お兄さんは言った。
「これは、エンジンをカブらせちゃいましたね。ガス臭いでしょう?」
「……」

……いや、いや、いや。
お兄さんよ。それはないでしょう。バイパーの燃料噴射はキャブじゃないよ? 腐っても電子制御式よ? それに、このバイパーは普段からこれくらいガス臭いよ? 以前、5発カブった状態で走ったことがあるけど、その時の臭いはこんなんじゃなかったよ?

すっかり不信感でいっぱいの記者をよそに、いずこにか電話を掛けるお兄さん。あて先は保険屋さんのサービスセンターで、要するに「自分には手に負えないので、他の業者を回してほしい」ということだった。サービスセンターのお姉さんと、お姉さんに紹介された次の業者に、クルマの状態や周辺の道路環境などを報告。もろもろの手続きを済ますと、彼は「力になれなくて申し訳アリマセン」とひとつ頭を下げ、さっそうと去っていった。

バッテリーはこちら。エンジンルームの左手、ホイールハウスのすぐ後ろにあります。そんなに特殊な場所じゃないと思うのだけど……。
バッテリーはこちら。エンジンルームの左手、ホイールハウスのすぐ後ろにあります。そんなに特殊な場所じゃないと思うのだけど……。拡大
ボディーがプラスチックでできている「バイパー」は、普通のクルマよりアースが取れる場所が限られている。
ボディーがプラスチックでできている「バイパー」は、普通のクルマよりアースが取れる場所が限られている。拡大
わが「バイパー」の心臓部。当然ながら燃料噴射は機械式で、後日、わが主治医もやはり「いやいや。へんな改造でもしていない限り、カブるなんてことはありませんよ」と言っていた。
わが「バイパー」の心臓部。当然ながら燃料噴射は機械式で、後日、わが主治医もやはり「いやいや。へんな改造でもしていない限り、カブるなんてことはありませんよ」と言っていた。拡大
ちなみに、このときのお兄さん、「自分のケータイ、電波の調子が悪くって……」と言い、記者のケータイを利用して各所と連絡を取った。そんなぜい弱な通信機器で、普段の会社とのやり取りとかどうやっているんだろう? 思い出すだに、いろいろと味わい深いお兄さんだったな……。
ちなみに、このときのお兄さん、「自分のケータイ、電波の調子が悪くって……」と言い、記者のケータイを利用して各所と連絡を取った。そんなぜい弱な通信機器で、普段の会社とのやり取りとかどうやっているんだろう? 思い出すだに、いろいろと味わい深いお兄さんだったな……。拡大

自力で引いた“三度目の正直”

さらに待つこと1時間、けん引車で現れた次なるお兄さんは言った。
「ここ、周りの道が細いじゃないですか。僕一人しかいないし、そもそもこのけん引車だと運び出せないんですよね~」
記者は思った。アナタ、じゃあ何しに来たのよ?
「取りあえず“押しがけ”……この場合は“引きがけ”って言うんですかね? が、できるかなあと思って。このクルマ、フロントにけん引フックってありますか?」
賢明なる読者諸兄姉なら察しがつくだろうが、わがバイパーにそんなものはない。結局2人目のお兄さんは、さっきのお兄さんと同じ情報をサービスセンターと3つ目の業者に共有しただけで、けん引車に乗って帰ってしまった。
記者は思った。アナタ、ホント何しに来たのよ?

さらに待つこと40分。時間は既に11時を回り、『のろい男 俳優・亀岡拓次』もすでに佳境である。3本目の缶コーヒーでも買ってくるかな、と街灯から離れかけたところで、3人目の挑戦者たる3t積みの積載車が、ディーゼルをガラガラ言わしながら路地から現れた。

ようやく……ようやく当初から望んでいたものが来てくれたという気分だが、これにはちょっと事情がある。2人目のお兄さんがサービスセンターに電話をくれた折、横から電話をかっさらって、「もうクルマを始動させようとしなくていいから、積載車を呼んでくれ」と伝えておいたのだ。

後日、某奥多摩の駐車場にて、撮影のためにエンジンをご開帳中の「バイパー」の図。このレスキューの時といい、最近カウルのダンパーの機嫌がいい。普段は手で支えていないと、だんだん下がってきてしまうので、こうした撮影を一人ではできないのだ。
後日、某奥多摩の駐車場にて、撮影のためにエンジンをご開帳中の「バイパー」の図。このレスキューの時といい、最近カウルのダンパーの機嫌がいい。普段は手で支えていないと、だんだん下がってきてしまうので、こうした撮影を一人ではできないのだ。拡大
すっきりとしたわが「バイパー」のご尊顔。もちろんけん引フックも、それを差すねじ込み穴もない。……今回の件もあるし、今度付けてもらおう。
すっきりとしたわが「バイパー」のご尊顔。もちろんけん引フックも、それを差すねじ込み穴もない。……今回の件もあるし、今度付けてもらおう。拡大
亀岡拓次で思い出したんですけど、最近、断捨離気分で本をごっそり売ったんですわ。6140円で売れて、「こりゃ肉でも食うか」と思ったら、全部その日の燃料代に消えたっていう……。そんなあるある話でした。
亀岡拓次で思い出したんですけど、最近、断捨離気分で本をごっそり売ったんですわ。6140円で売れて、「こりゃ肉でも食うか」と思ったら、全部その日の燃料代に消えたっていう……。そんなあるある話でした。拡大

またひとつ賢くなってしまった

早速作業に取りかかるおじさんに終電が迫っている旨を伝えると、「帰ってしまって大丈夫ですよ。後はやっておきますので」とのありがたいお言葉。キーを渡し、差し出された書類にサインをすると、記者は作業の終了を見届けることなく武蔵野へと帰ったのだった。

1人目、2人目のこともあったので一抹の不安はあったものの、翌日サービスセンターに問い合わせたところ、無事センターの駐車場にバイパーは届いているとのこと。電話口のお姉さんに、いつも世話になっているお店(毎度おなじみ、相模原のコレクションズさんである)に届けるよう依頼し、ようやく夏の夜のバイパー救出劇は終幕と相成った。

今回のトラブルにおいて、記者は2つの教訓を得た。
ひとつは冒頭でも触れたとおり、「なんだかんだいってバイパーは普通のクルマではない」ということ。少なくとも、たかがバッテリーあがりでも保険屋さんのロードサービスでは復旧できなかったり、けん引車でほいほい運び出せなかったりする程度には、ヘンテコなクルマなのだ。普段使いをしているうちに、20年も前のどマイナーなクルマであることを忘れてしまっていた。

もうひとつの教訓は、ものを頼むときははっきり意思を示し、ささいでも疑問に思ったら、その場で確認しておくべきということだ。今回のレスキューにまつわるグダグダは、記者がキッパリ要望を伝えなかったことが原因のひとつだろう。最初から「エンジンを始動できないときは運んでほしいから、できれば積載車で来てほしい」と言えばよかったのだ。優柔不断と下手な遠慮は、相手も自分もハッピーにしない。うーむ。またひとつ賢くなってしまった。

中央線とか山手線の感覚に慣れていると、地元に帰ったりしたときの終電の早さにビビリませんか? 記者はビビリます。
中央線とか山手線の感覚に慣れていると、地元に帰ったりしたときの終電の早さにビビリませんか? 記者はビビリます。拡大
魚道見学で有名(?)な、東京・白丸ダムの駐車場にて休憩中の「バイパー」。ご近所ドライブに日常品の買い出しにと、“ゲタ車”のごとく使っているうちに忘れていたけど、このクルマって、なんだかんだいってフツーのクルマじゃないんですよね。今回の件であらためて実感しました。
魚道見学で有名(?)な、東京・白丸ダムの駐車場にて休憩中の「バイパー」。ご近所ドライブに日常品の買い出しにと、“ゲタ車”のごとく使っているうちに忘れていたけど、このクルマって、なんだかんだいってフツーのクルマじゃないんですよね。今回の件であらためて実感しました。拡大
当連載の第19回より、ドナドナされる「バイパー」の図。今回はやっぱり、最初から「積載車で来て!」とお願いしておくべきだった。
当連載の第19回より、ドナドナされる「バイパー」の図。今回はやっぱり、最初から「積載車で来て!」とお願いしておくべきだった。拡大

実は危ないところだった

そして1週間後、記者はさらにひとつ勉強することになった。
場所は、バイパーのエンジン始動とバッテリーの充電をお願いしていた相模原の専門店、コレクションズさんである。アライメント騒動からわずか2週間後の再訪に、顔は笑顔の本多氏も胸中さぞあきれていたことだろう。

早速症状の説明を受けたところ、エンジンの再始動ができなくなったのは、やはりというか当然ながらというか、プラグがカブったからではなかった。
「バイパーには異常を検知するとエンジンを止めちゃうセキュリティーが入ってるんですよ。多分それでしょう」
やっぱりね。だろうと思ったよ。
「でも次からは気をつけてくださいね。この世代のバイパーは、バッテリートラブルからの2次災害が多いクルマだから」

不穏な言葉に詳しい説明を求めたところ、初代バイパーのバッテリーあがりは、ジャンプスタートで「バチッ」っと火花が散り、その拍子にECUがおだぶつし、めでたくECU交換という必殺コンボに至るケースが少なくないのだとか。ではどうするのが正解なのかといえば、「いったんクルマからバッテリーを外し、よそでゆっくり充電するのが正解」とのことだった。1人目のお兄さんがジャンプスタートにこだわり続けた場合、記者のバイパーもECUがこんがり逝っていた可能性がある。運が良かったんだか、悪かったんだか。

今回のトラブルで得た最後の教訓、それは、「ささいに見えるトラブルでも、まずは主治医に電話しろ」である。

(webCG ほった)

写真のストックが尽きたので、皆さまに涼を届けるべく白丸ダムに行ったときの写真でも。水位が上がっていたのか、ちょうど放水のタイミングでした。
写真のストックが尽きたので、皆さまに涼を届けるべく白丸ダムに行ったときの写真でも。水位が上がっていたのか、ちょうど放水のタイミングでした。拡大
ダムの上から下を見下ろすと、ご覧の通りきれいな虹がかかっていた。まあ、高所恐怖症なのでこの写真を撮ったらとっとと退散したのだが。
ダムの上から下を見下ろすと、ご覧の通りきれいな虹がかかっていた。まあ、高所恐怖症なのでこの写真を撮ったらとっとと退散したのだが。拡大
月夜見第一駐車場から見た奥多摩湖と小河内ダム。奥多摩に来たのも久しぶりだが、正直に言って、四輪で来るより絶対に二輪で来た方が面白い。今度はやっぱり、トライアンフで来よう。
月夜見第一駐車場から見た奥多摩湖と小河内ダム。奥多摩に来たのも久しぶりだが、正直に言って、四輪で来るより絶対に二輪で来た方が面白い。今度はやっぱり、トライアンフで来よう。拡大
普段はオーナー(つまり私だ)にささやかな嫌がらせを仕掛ける側の「バイパー」だが、今回は珍しく人災をこうむる側だった。洗車するから、機嫌直せや。
普段はオーナー(つまり私だ)にささやかな嫌がらせを仕掛ける側の「バイパー」だが、今回は珍しく人災をこうむる側だった。洗車するから、機嫌直せや。拡大
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