第5回:ボルボXC40(前編)
2018.09.26 カーデザイナー明照寺彰の直言![]() |
ボルボの新しい小型車用プラットフォーム「CMA」を基に開発された「XC40」には、中身はもちろん、その外見……すなわちデザインにも新しい試みが取り入れられている。既存のモデルとは一線を画す造形を、現役デザイナーの明照寺氏はどう評価するのか。
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その全幅にモノ申す
永福ランプ(以下、永福):明照寺さん、今回のテーマは連載初の輸入車、ボルボXC40です。
明照寺彰(以下、明照寺):これはすごく解説のしやすいデザインですね。
永福:そうなんですか。
明照寺:最近ボルボって、「S90」「V90」「XC60」あたりから、要するに新型のプラットフォームになってから、すごくデザインの評価が高いですよね。カーデザイナー業界でも同様なんですが、XC40に関しては、個人的にちょっと疑問があります。
永福:というと?
明照寺:CセグメントのSUVなのに、車幅が1875mmもありますよね。
永福:あ、そんなにありましたか!
明照寺:われわれデザイナーやモデラーが、仮にデザインの途中どこかのタイミングで、「片側につき幅を10mm余分にあげよう」と言われたら、めちゃめちゃうれしいです。片側10mmはほんとに効きます。全然違いますから。
永福:えーと、片側10mmずつというと、全幅で20mmですね。
明照寺:そうです。全幅が20mm違ったら、デザインはまるで変わってきます。
永福:つまり、ボルボはある意味反則ってことですね?
明照寺:決して反則じゃないですけど(笑)。

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)
さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。
永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。
webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。
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