ホンダ・モンキー125<ABS>(MR/4MT)
レジャーバイクの完成形 2018.10.01 試乗記 ラブリーな50ccの名車「モンキー」の後を継ぐ、ホンダの原付二種バイク「モンキー125」。大型化したエンジンやシャシーがもたらす“新たなモンキーの世界”は、とても楽しくて気持ちのいいものだった。バランスが絶妙
新しくなったモンキーに対して「あれじゃキングコングだ」とか「モンキーじゃない」なんていう声がある。確かに旧モデルファンはそう言うのだが、乗り物としてあるべき姿に落ち着いただけなのだと思う。
50ccは日本特有のカテゴリーで、電動アシスト自転車に押されて急速に縮小している。もともと利益率も高くないから開発や生産のコストを価格に反映していくことは難しい。
つまり、モンキーをこれからも作り続けていくのであれば、東南アジアやヨーロッパでも需要のある125ccのエンジンを使うことは必須だし、そうなったら排気量が2.5倍になったエンジンと現在の交通事情に合わせた車体にしなければならないのは当然だ。旧型のように「遊園地の乗り物を市販してしまえ」的なノリとはコンセプトが根本的に違うわけで、過去をぶっ壊してゼロから新しい世界を作らなければならないという重大な使命を背負って開発されたモデルなのである。
またがった瞬間、編集部の人たちから「ノンビリした感じで良い雰囲気ですね」という声があがった。筆者も実は長く旧モンキー、ゴリラに乗っていたのだけれど、その時は一度も聞かなかった言葉だった。旧モデルは体の大きな人が乗ると必ず「サーカスの熊みたい」と言われて笑われたものだ。この時点で新型モンキーの得点、大幅にアップである。
走りだしてすぐにこの得点はダブルアップすることになった。エンジンの力強さ、車体の安定感、サスの動きがとても良い感じなのである。超高性能ってわけじゃないが、マッタリと走っているときにちょうどいい感じなのだ。気持ちの良いエンジン回転数を維持してシフトアップしていき、スピードメーターを見るとピッタリ50km/h。広い幹線道路を走っていても無理なく交通の流れに乗っていけるし、パワーを使いきれないストレスもない。ただ、普通に走っているだけで楽しい。
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