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魅力いっぱいでリーズナブル! いま狙いたい125ccクラスのバイク5選

2023.11.29 デイリーコラム 宮崎 正行
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選べる車種は増えつつある

2023年も終わりが見えてきた9月、10月、11月。ヤマハから立て続けに125ccのスポーツバイクが登場した。「MT-125 ABS」「YZF-R125 ABS」「XSR125 ABS」の新型3台。ヤマハとしては実に16年ぶり、1998年から2007年まで生産された「RZ50」以来の“原付ミッション車”である。「ミッション車」。変速機がマニュアル式トランスミッションであることを示す、その語感さえ懐かしいと遠い目をしたアナタは“アラフォー以上”確定だ。

50代の筆者が若かりし10代の頃。そのバイクライフの起点となってくれた原付クラス(排気量125cc以下)のミッション車よ、いまいずこ? たくさんの車種がラインナップされて隆盛を誇っていた原付ミッション車は、当時に比べればすっかり下火になっている。しかし、そこに一閃(いっせん)の光を差そうという気概に満ちたニューマシンがこのたび発売されたわけだ。

しかしそうはいっても、売れそうもないバイクを新たにつくる余裕はメーカーにだってない。そもそもこの3台。アジアやヨーロッパなどの海外では既発のモデルであり、それぞれのエリアですでにしっかりと根を下ろしてマーケットを築いている。なので、やっとこさ国内導入が決まった、というのがホントのところかもしれないけれど、それでも日本のライダーの選択肢が増えるというのはうれしいことじゃないか! 選べるって、ステキよね。

2023年11月9日に国内デビュー、同年12月8日に発売される「ヤマハXSR125 ABS」。レトロな外観とエキサイティングな走りが特徴に挙げられている。
2023年11月9日に国内デビュー、同年12月8日に発売される「ヤマハXSR125 ABS」。レトロな外観とエキサイティングな走りが特徴に挙げられている。拡大
「ホンダ・ダックス125」は2022年春のモーターサイクルショーに出展され、その大反響を追い風に同年7月、発売された。1969年に生まれた「ダックスホンダ」を思わせるデザインと、乗りやすさで人気だ。価格は44万円。
「ホンダ・ダックス125」は2022年春のモーターサイクルショーに出展され、その大反響を追い風に同年7月、発売された。1969年に生まれた「ダックスホンダ」を思わせるデザインと、乗りやすさで人気だ。価格は44万円。拡大
たくましい見た目の「ホンダ・グロム」は、2021年3月の改良で新開発の123ccエンジンを搭載。ABSも標準装備して、39万0500円の値を付ける。
たくましい見た目の「ホンダ・グロム」は、2021年3月の改良で新開発の123ccエンジンを搭載。ABSも標準装備して、39万0500円の値を付ける。拡大

なんといっても「安さ」は大事

原付二種クラス(排気量50cc超~125cc以下)の人気が近年上がってきているのはみなさん、ご存じのとおり。2014年には国内での出荷台数が原付一種(同50cc以下)と逆転し、その後も堅調にセールスを伸ばしている。“維持費の安さ”という原付二種本来のメリットがまず大きいが、前述のヤマハ車のような魅力的な車種の増加もブームを引っ張っているといっていい。

維持費の安さについて、著者調べのデータをもとに、250ccクラスのバイクと比べてみよう。

●軽自動車税(1年)
125cc/2400円、250cc/3600円

●自賠責保険料(60カ月)
125cc/1万3310円、250cc/1万4200円

●任意保険(通常のバイク保険の場合)
125ccまで/5万8550円、126cc以上/5万9500円

●任意保険(自動車保険のファミリーバイク特約で契約した場合)
125ccまで/1万0070円

(※筆者注:任意保険の掛け金はあくまで目安です。新規加入にて1年、50歳、人身障害なしの標準的なプランにて試算しました。ちなみに人身障害あり<3000万円>のプランだと、ファミリーバイク特約で2万3920円、通常のバイク保険は125ccまでで10万0010円、126cc以上で9万3630円となります。バイクの特性上、人身障害は付けたほうがいいかもしれませんね)

ここで細かな話はしないが、金額的に大きな差がつくのはやはり「任意保険の掛け金」ということになる。すでにクルマを所有していて、その保険にプラスするかたちでファミリーバイク特約が使える読者の方は、すでに“おいしいスタート位置”にいることを素直に喜んでしまおう! しかも原付であれば何台所有しても金額が変わらないというメリットもある。

日本国内において、手ごろな原付二種で変速ギア付きのスポーティーなモデルの人気が高まっていることを受けて、2023年9月に導入が発表された「ヤマハYZF-R125」。発売は翌10月で、価格は51万7000円。
日本国内において、手ごろな原付二種で変速ギア付きのスポーティーなモデルの人気が高まっていることを受けて、2023年9月に導入が発表された「ヤマハYZF-R125」。発売は翌10月で、価格は51万7000円。拡大
ヤマハが「YZF-R125」に続けて導入した、ネイキッドスタイルのロードスポーツ「MT-125 ABS」。高い走行パフォーマンスと手ごろな価格(49万5000円)との両立がうたわれている。
 
ヤマハが「YZF-R125」に続けて導入した、ネイキッドスタイルのロードスポーツ「MT-125 ABS」。高い走行パフォーマンスと手ごろな価格(49万5000円)との両立がうたわれている。
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見た目からしてたまらない

では実際に、どんな魅力的な125ccバイクたちがアナタを待っているのだろうか? 筆者の独断で、いま新車で買える旬の5モデルをピックアップ。試乗インプレッションとともに紹介しよう。

■ヤマハXSR125 ABS:これは本当に原付バイクなのか?

国内でデビューしたてのホヤホヤがこちら、ヤマハらしいスタイリッシュなフォルムに包まれたXSR125 ABSだ。高級感のある円形LCDメーターやボディー各所を覆うカバー類など、“ネオレトロ”をうたうコンセプトのままに、デザイナーのこだわりがすみずみまで行き届いていることに感心。そこには原チャリという言葉が感じさせるチープさなんてみじんもなく、言葉どおりの“クラスレス”がそこにある。

可変バルブVVAを搭載した水冷エンジンは、回転域を問わずスムーズかつトルキーに吹け上がってくれる。速くはないがとても扱いやすいし、ライポジの自由度が高いのもビギナーにはうれしい。足つきの良くないことだけが唯一のネガだが、それを補って余りあるたくさんの魅力がXSR125 ABSにはある。

ちなみに、もしアナタが個人的に兄弟車のYZF-R125 ABSのスタイルほうが好きだったら、そちらを買うべき。きっと優しくスーパースポーツへの入り口へと誘ってくれる。意外にも同時デビューの3台のなかで、このYZFが最も足つきがいい。

■ホンダ・モンキー125:モンキーだけに新色はバナナカラー

実のところ「ダックス125」と迷ったのだけれども、壮年のライダーにはなじみ深いオーソドックスなクラッチ付きミッション車ということでこちら、「モンキー125」をプッシュ! 2023年9月にはカラーリングが刷新されてますますモンキーらしさが加速した。チェック柄シートと差し色の効いたスタイルは、近所を歩く小学生が見ても「ボクでもワタシでも乗れるかも!?」と思わせてしまうほどのかわいさと気軽さにあふれている。

そしてその敷居の低さこそが最大の好適ポイント。ちょっとそこまで、の足としてイージーに乗り出せる気安さも大切な“性能”なのだ。前後12インチと全長1710mmがなせる軽快なフットワークと、「タタタタタッ」と小気味よくパワフルに吹け上がる空冷エンジン。たった104kgの車重は取り回し性バツグンで、車体を眺めればそのショート&ファニーなルックスでいつもライダーを和ませてくれる。かつての50ccモンキー(前後8インチ)と違ってツーリングも欲張れちゃうオールラウンダー、モンキー125。ズバリおすすめの車体色は「バナナイエロー」だぜ。モンキーだけに。

■ホンダCT125ハンターカブ:“脱”原付二種! 自由を満喫させてくれるオートバイ

ポップで親しみやすい外装デザインはスタイリッシュなアウトドア感が前面に押し出されており、それだけでライダーをワクワクさせる“デザインの力”が「CT125ハンターカブ」にはみなぎっている。おじさんだがあえて言う。カワイイ!

またがるとちょっとだけ足つきがイマイチだけれども、それがどうした。118kgのボディーは重くないから取り回しは全然悪くない。慣れないロータリー式シフトペダルをガチャンと踏み込んでいざ走りだせば、思いのほかパワフルに発進。そのままスルスルとスピードを乗せてゆくし先行のクルマに後れをとることもナシ。アイポイントが高いから視界が広くてキモチいいぞ。キャンプ道具はたくさん積めて魅力的な社外パーツも盛りだくさん。チョイ乗りもロングツーリングもどっちも欲張れるハンターカブは、うん、全然カブっぽくない。もはや立派なオートバイでしょ。そうそう、2023年12月には新色の「ターメリックイエロー」も出ますよ!

立派な見た目の「ヤマハXSR125 ABS」だが、小排気量車だけに、車重は137kgとそこそこ。価格は50万6000円である。
立派な見た目の「ヤマハXSR125 ABS」だが、小排気量車だけに、車重は137kgとそこそこ。価格は50万6000円である。拡大
こちらは「ヤマハXSR125 ABS」の純正アクセサリー装着車。こうしたカスタマイズも、オートバイ趣味の楽しみのひとつだ。
こちらは「ヤマハXSR125 ABS」の純正アクセサリー装着車。こうしたカスタマイズも、オートバイ趣味の楽しみのひとつだ。拡大
ラブリーな見た目の小排気量バイク「ホンダ・モンキー125」。2023年夏には車体色が変更され、フレームやスイングアームが「バナナイエロー」に塗られたモデルが登場した。価格は44万円。
ラブリーな見た目の小排気量バイク「ホンダ・モンキー125」。2023年夏には車体色が変更され、フレームやスイングアームが「バナナイエロー」に塗られたモデルが登場した。価格は44万円。拡大
「ホンダ・モンキー125」には、「パールネビュラレッド」のモデルも用意される。ほかに「パールシャイニングブラック」のモデルも選べる。
「ホンダ・モンキー125」には、「パールネビュラレッド」のモデルも用意される。ほかに「パールシャイニングブラック」のモデルも選べる。拡大
「ホンダCT125ハンターカブ」は、原付二種に属するレジャーバイクだ。2022年には排出ガス規制に対応する改良が施されたが、その走りの楽しさ、冒険へと向かうワクワク感は変わらない。44万円。
「ホンダCT125ハンターカブ」は、原付二種に属するレジャーバイクだ。2022年には排出ガス規制に対応する改良が施されたが、その走りの楽しさ、冒険へと向かうワクワク感は変わらない。44万円。拡大

走りのよさも光ってる!

■スズキGSX-R125 ABS:15PSを使い切るフルスロットル、痛快!

ひとことで言えば、いい汗かけるバイクなのだ。「GSX-R125 ABS」の車体はスリムゆえ足つきもグッド。見た目を裏切らないスポーティーなライディングポジションは、上半身がしっかり前傾しつつ全身がギュッと小さくなれるスーパースポーツの流儀そのものだ。決してラクチンではないが、気分も走りも“攻めること”に集中できるのがすがすがしいし、主戦場はワインディングロードやミニサーキットだと正面切って言える。

でもハンドリングはクイックすぎないしサスペンションのセットもソフト寄りなので、ちょっとミスっても怖い思いをすることはきっと少ないはず。要所要所で包容力があるので、カラダのなまったライダーにもスポーツライドに憧れるビギナーにも優しい相棒なのだ。

「SUZUKI」のロゴがカウルに大書きされたボディーはちょっと気恥ずかしいけれど、同時にこみ上げてくるこの懐かしさはナンなんだ!? エイティーズっぽい派手なグラフィックにおじさんはドキドキ……。ノスタルジーは最高のスパイスかもね。不意に空いた週末、「ちょっと半日、ワインディングロードへ!」が愉快ツーカイなGSX-R125。でも帰路にラーメン大盛り食っちゃ、ダメよ(笑)。

■スズキ・アドレス125:お目目パッチリ! This is 最高にちょうどいいスズキ!

クルマもバイクも、令和のいまはいかついツリ目のフェイスデザインが主流。「本当のボクはそんなんじゃない」と胸のうちに違和感を秘めているアナタには、2022年末にデビューした「アドレス125」をリコメンドしたい。

ややもすると同クラスでは地味な穏健派に思われがちなポジションにいるアドレス125だが、ちょっと待った! たしかに反主流な“マッタリ顔”をしているけれど、筆者にはその高い気位が光り輝いて見えるのである。水平基調のボディーデザイン、大きな単眼ヘッドライト、そして静かに主張する指針式アナログ速度計。クラシック路線に寄せすぎることなく、総じて醸し出すことに成功しているノーブルな雰囲気。ワイドでロングでフラットなシートにドカッと座ればソロもタンデムも安楽だし、広いフットスペースはリッチですらある。センタースタンドとサイドスタンドの両方が備わっている利便性に感心しつつ、前12インチ/後ろ10インチは俊敏な小回りを見せ、信号スタートもなかなかのダッシュ力だ。

街を行くひとのキモチをひとつも逆なでしない、パーフェクトな愛玩犬がアドレス125だと言い切ろう。うーん、This is 最高にちょうどいいスズキ!


……とまぁ、個人的な「好きのキモチ」だけで一気に5台を挙げてしまった。書いててウズウズ、写真を見てはドキドキ……欲しくなっちゃったよ。このクラス、さらに視野を広げれば、魅力的な車種が世界中にわんさかあるので、興味があったらぐるりと見渡してみてください!

(文=宮崎正行/写真=ヤマハ発動機、本田技研工業、スズキ/編集=関 顕也)

ビギナーでも楽しめる125ccクラスのスポーツモデルとして生まれた、「スズキGSX-R125 ABS」。生産国はインドネシアで、国内における販売価格は45万3200円。
ビギナーでも楽しめる125ccクラスのスポーツモデルとして生まれた、「スズキGSX-R125 ABS」。生産国はインドネシアで、国内における販売価格は45万3200円。拡大
スズキは「GSX-R125 ABS」のほかに、そのネイキッドバージョンたる「GSX-S125 ABS」(写真右上)もラインナップしている。
スズキは「GSX-R125 ABS」のほかに、そのネイキッドバージョンたる「GSX-S125 ABS」(写真右上)もラインナップしている。拡大
2022年10月に発売されたスズキのスクーター「アドレス125」は、実に“わかっている人”向けの一台だ。およそ不満のでないであろう収納力と、安楽な乗り心地。落ち着いたデザインも、長く付き合う相棒としては大きな美点と思われる。価格は27万3900円。
2022年10月に発売されたスズキのスクーター「アドレス125」は、実に“わかっている人”向けの一台だ。およそ不満のでないであろう収納力と、安楽な乗り心地。落ち着いたデザインも、長く付き合う相棒としては大きな美点と思われる。価格は27万3900円。拡大
宮崎 正行

宮崎 正行

1971年生まれのライター/エディター。『MOTO NAVI』『NAVI CARS』『BICYCLE NAVI』編集部を経てフリーランスに。いろんな国のいろんな娘とお付き合いしたくて2〜3年に1回のペースでクルマを乗り換えるも、バイクはなぜかずーっと同じ空冷4発ナナハンと単気筒250に乗り続ける。本音を言えば雑誌は原稿を書くよりも編集する方が好き。あとシングルスピードの自転車とスティールパンと大盛りが好き。

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