スズキ・ジムニーシエラ(4WD/4AT)
ジムニーとは違うのだよ 2018.10.04 試乗記 2018年7月の登場以来、各方面で好評を博す新型「スズキ・ジムニー/ジムニーシエラ」。しかしいざ買うとなると、何を基準に、どんな仕様を選べばいいのか? すっかり新型が気に入ったというサトータケシが、ジムニーシエラの試乗を通して持論を開陳した。ファーストインプレッションは「ジムニー」に軍配
夏に行われた試乗会で乗ったスズキの新型ジムニー/ジムニーシエラは、そのまま乗って帰りたくなるほど気に入った。すっかりお買い物モードになり、短時間ながらジムニーとジムニーシエラを乗り比べて、「買うならジムニーの5段MT」という結論に達した。
その理由は大きく3つ。まずオーバーフェンダーがないすっきりスクエアなスタイリングが好ましいことが1つ。市街地での乗り心地に関して、ジムニーのほうが路面からの突き上げがマイルドに感じたことが2つ目。そしてジムニーシエラの1.5リッター直列4気筒自然吸気(NA)エンジンが、ジムニーの660cc直列3気筒ターボエンジンに比べてそれほどパワーに余裕があるとは思えなかったことが3つ目の理由だ。むしろ、街中走りで重要な0-10m加速だったら、ジムニーに軍配が上がるのではないか。もちろんイニシャルコスト、ランニングコストともに軽自動車のほうが低く抑えられるという理由もある。
ジムニー/ジムニーシエラのどちらも、4段ATが相当に洗練されていたので5段MTにこだわる必要はない。ないけれど、スパゲティ・ナポリタンを食べる時に箸よりもフォークを使う方が気分が出るのと同じで、あるいは日本茶をマグカップで飲んでもいいけれど湯飲みで飲んだほうがうまいと感じるのと同じで、ジムニーは5段MTを操りながら乗ったほうが雰囲気に合うと思った。というわけで、ジムニーの5段MTという結論に達したのだった。
ただし、乗り心地とエンジンに関する質問に答えてくれたスズキのエンジニア氏は、こんな風に語った。
「ジムニーシエラはヨーロッパにも輸出します。ということはアウトバーンを走る機会もあるので足まわりはそれなりの高速向けセッティングで、トランスミッションのギア比もハイギアードになっており、結果として市街地での乗り心地や加速フィールはジムニーのほうが快適に感じるかもしれません」
なるほど、富士山麓のスケールの小さいワインディングロードをちょこまか走るような試乗会のシチュエーションでは、ジムニーシエラの長所があまり感じられなかったのかもしれない。ということであらためてジムニーシエラをお借りして、その持ち味を確認してみた。
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