トヨタ・センチュリー(後編)
2018.10.11 谷口信輝の新車試乗 ショーファードリブンカー「トヨタ・センチュリー」の見どころは、後席だけにあらず。プロのレーシングドライバー谷口信輝が、そのコックピットから走りの印象を報告する。誰でもスムーズに運転できる
センチュリーの快適性をまずは後席で満喫した谷口信輝。後編では、そのステアリングを握ってもらうことにした。
「後席でも感じたことですが、サスペンションはやっぱり柔らかいですよね。でも、ただ柔らかいだけではなく、バランスもちゃんと出ています。まあ、ハンドリング特性はどちらかといえばアンダーステアですが、決して扱いにくくはありません。それどころか“数字がきちんとそろって”いて、クルマとじっくり対話できます」
「例えば、次のコーナーに進入するときも、なんだかブレーキを踏まなくてもそのまま行けると思っちゃうくらい、クルマのバランスがいい。もちろん、ものすごいペースで走ればサイドウオールが接地するようになってアンダーステアに陥るでしょう。でも、そもそもそこまでタイヤを使っちゃいけないんです。僕はこのクルマのアンダーステアはそれほど強くないと思いますよ」
センチュリーのハンドリングに関する話を、もう少し詳しく聞いてみよう。
「決して鈍くさくないから、カーブを走っていてもうっとうしくない。さっきも言ったとおり、ハンドリングの数字がちゃんと並んでいるのでクルマとの対話が容易だし、先が読みやすい。視界もよくて、運転しやすいクルマです」
「ステアリングギアがわりとスローだから、ハンドルはグルグルとよく回ります。おそらく前輪もそれなりに切れているんでしょうが、さすがにホイールベースが長いから小回りが利くというところまではいかない。それでも持てあますことがない程度にはよく切れると思いますよ」
さらに谷口は、センチュリーだったら腕があまりよくないドライバーでもスムーズな運転ができるはずと太鼓判を押す。
「クルマの挙動がすごく穏やかなので、急な操作をしても変な揺れは起こらない。それは加速しても減速してもコーナーを曲がっても同じこと。乗員の感じるGが急に立ち上がることがないので、体が揺れなくて快適なんです。お抱え運転手があんまり上手じゃなくても、これだったら気にならないでしょうね」
この記事は会員限定公開です。webCGプレミアムプラン会員に登録すると<月額550円(税込)>、続きを読むことができます。
登録初月無料! | クレジットカードで会員登録いただくと、ご契約いただいた日からその月の末日までが無料になります。いつでも解約可能です。 |
---|
- 毎月20本以上、新型車の試乗記が先取りで読める!
- 人気のさまざまな連載エッセイも、いち早く読める!
- 100車種超! 「谷口信輝の新車試乗」がぜんぶ読める!
- あの漫画家・池沢早人師の特集記事も堪能できる!
- 頭脳派レーシングドライバー山野哲也の車評が分かる!
- 『日刊!名車列伝』で世界の名車に毎日触れられる!
- 自動車メーカー関連グッズのプレゼントに応募できる!
- 話題のニューモデルのアツい走りが動画で見られる!
-
トヨタGRカローラRZ(4WD/6MT)【試乗記】 2023.3.2 試乗記 ボディーもパワートレインも専用仕立て……なのだが、「GRカローラ」を走らせてみると、どこか懐かしい感じがする。何かが突出しているわけではなく、すべての要素が高バランス。この味わいはまぎれもなくカローラだ。ただし、その速さはとんでもない。
-
-
トヨタGRカローラRZ“モリゾウエディション”(4WD/6MT)【試乗記】 2023.3.17 試乗記 わずか70台限定で販売された「トヨタGRカローラRZ“モリゾウエディション”」に試乗。高出力ターボエンジンとフルタイム4WDを備えた「GRカローラ」のさらなるハイパフォーマンスバージョンは、走り好きのこだわりが詰まった珠玉のマシンに仕上がっていた。
-
マツダCX-60 XDエクスクルーシブモード(4WD/8AT)【試乗記】 2023.3.14 試乗記 熱心な読者の方であれば、マツダの新世代SUV第1弾「CX-60」の乗り味に賛否合わせてさまざまな意見があることはご存じだろう。今回の試乗車はマイルドハイブリッドではないピュアなディーゼルの「XD」。高速道路とワインディングロードを中心に走ってみた。
-
新型「BMW M2」に胸アツ! なぜ運転好きは「FRのMT車」に引かれるのか? 2023.3.10 デイリーコラム FRの駆動方式を採用しMT車も設定される新型「BMW M2」に、一部のマニアは興奮気味。「フェアレディZ」といい「スープラ」といい、運転好きが「FRのMT車」に引かれるのはなぜなのか? あらためてその魅力を考えた。
-
「プリウス」は1年半! 人気車ばかりの大所帯、トヨタの最新納期情報 2023.3.8 デイリーコラム 「クラウン」「プリウス」「シエンタ」「ハリアー」など、大ヒットモデルを連発するトヨタ自動車。一方で、そこに半導体不足なども絡んだ結果、長納期化が取りざたされることも増えている。人気のトヨタ車の最新納期情報を調査した。