平成の自動車界を振り返る(第1回)
“電化”をめぐり世界は動く
2019.04.24
デイリーコラム
気を吐いた日本メーカー
平成は自動車電動化の時代だった、と言ったらウソになる。平成元年は西暦で言えば1989年。“日本車のヴィンテージイヤー”と呼ばれる特別な年だった。2.6リッター直6ツインターボエンジンを搭載する「日産スカイラインGT-R」、1.6リッター直4エンジンのFRオープンスポーツ「ユーノス・ロードスター」、4リッターV8エンジンで悠々と走る「トヨタ・セルシオ(レクサスLS400)」が登場した。いずれもエンジンが魅力の核である。平成初期は、バリバリの内燃機関全盛時代だった。
世界初の量産ハイブリッドカー(HV)「トヨタ・プリウス」がデビューしたのは平成9年(1997年)。「21世紀に間に合いました。」というキャッチコピーが付けられていた。この年はCOP3で京都議定書が採択されており、温室効果ガス削減に向けての取り組みとして評価される。2年遅れでホンダが「インサイト」を送り出す。日本は欧米に対してハイブリッド技術で圧倒的なアドバンテージを築いた。
欧米メーカーはこんなに早くHVが実用化されるとは思っていなかったフシがある。急いでつくったHVコンセプトをモーターショーに出展して開発の姿勢を示したものの、ハリボテ同然の代物だった。実際にはHVに懐疑的なメーカーが多かったようだ。当時アメリカの自動車会社の広報担当者にHV技術について質問して、半笑いで返されたことがある。「HVは短期間のつなぎであり、究極のエコカーは燃料電池車(FCV)」という主張だった。「2010年には市販燃料電池車を投入する」と強調していたが、一体どうなったのだろう。
FCVでも、日本が先行した。平成14年(2002年)12月にホンダが「FCX」の、トヨタが「FCHV」のリース販売を開始。技術は未完成だったが、曲がりなりにも形にしたのだ。日本以外では電動化への意欲はしぼんでいくように見えた。ヨーロッパではディーゼルこそがエコカーであるという主張が強まり、ディーゼルアレルギーが広がっていた日本とは対照的なマーケットが形成されていく。
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