プジョー508 GTライン(前編)

2019.05.30 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 今回谷口信輝がステアリングを握ったのは、プジョーのフラッグシップセダン「508」。新たに4ドアクーペスタイルをまとって登場した2代目の走りを、レーシングドライバーはどのように評価する?
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見どころの多い新作だけれど……?

「508っていうのが車名なんですか?」

それが谷口信輝の発した第一声だった。これだけを聞いても、プジョーに関する谷口の事前知識がいかに少なかったかがわかる。すると、スタッフが寄ってたかって自分が知っているプジョーと508に関する知識を谷口に押し付け始めた。いわく、「ヘッドライトから下向きに続くデイタイムランニングヘッドライトはライオンの牙がモチーフ」とか「30年以上前にもプジョーはモデル名のバッジをボンネットの前端に貼り付けていた」とか「ブレーキを踏んだときにテールライトに浮かび上がる模様はライオンの爪跡をかたどったもの」とか、そんな具合である。

ただし、そういった説明も谷口にはあまり刺さらなかったらしく、「そうですか。でも、このクルマ、なんか昔の『スバル・レガシィ』に似ていますね」とコメント。正直、この時点では508に関する興味や関心はほとんどゼロのように思われた。

レガシィに似ていると谷口が指摘したので付け加えておくと、508はリアのルーフラインが一直線に下降するファストバック風デザインを採用。「セダンが売れない」とされるこの時代にスポーティーなスタイリングで風穴を開けようとしているのも特徴のひとつである。
「なるほどねえ」と谷口。
「でも、テールライトのデザインはちょっとかっこいいと思いますよ。それじゃあ、まあ、乗ってみますか。ちなみに、このクルマは何駆動ですか?」

谷口のその質問に私が「前輪駆動です。エンジンは1.6リッターのガソリンターボ」と答えると、谷口はどこか無関心そうな表情で508に乗り込んだのである。

プジョーの最新モデルが採用する“ i-Cockpit(iコックピット)”コンセプトは、ステアリングホイールを小径にしてダイナミックなハンドリングを実現する一方で、メーターパネルをステアリングリムの上側からのぞき込ませる独創的なレイアウト。ただし、座高とシート高の関係次第ではステアリングリムでメーターパネルが“ケラレ”て見えないという話をよく耳にする。「僕は大丈夫ですよ」と谷口。
「ちょっとオドメーターのあたりが見えにくいけれど、すぐに慣れますね。それより、僕は小さいステアリングが好き。エアバッグが付くようになる以前は、よくナルディのステアリングとか買ってきて付け替えていたくらいですから……」

 
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