第7回:初コースと初ウエットにどきどき
2019.06.23 池島実紅の「挑戦! 86/BRZ Race」2019年6月15日~16日に九州のオートポリスで開催された、「GR 86/BRZ Race」第4戦。今大会は大雨、濃霧と、かなり天候に左右されたレースでした。クラブマンシリーズ エキスパートクラスに参戦し、89号車をドライブしている私、池島実紅がレースのハイライトやチームの奮闘ぶりをリポートします。
(文=池島実紅/写真=池島実紅、CAR GRAPHIC)
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1/19今大会のチーム全体写真撮影です。前回はニュルブルクリンク24時間耐久のQFレース(Qualifying Race)出場により不在だった井口卓人選手も戻ってきて、いつも通り3台での参戦! いらしてくださったディーラーメカニックの皆さんもレースやラリーが好きな方、スバル大好きな方ばかりだったので、とても楽しくにぎやかなレースウイークになりました!
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2/19サーキットに到着してからは、ガレージを出て九州にあるオートポリスまで遠路旅をしてきた87号車、88号車、89号車の掃除、そして前回参加いただいたディーラーメカニックさんの“店舗名ステッカー”の貼り替えをしました。とっても楽しく作業しているのが、写真からも伝わってきます!
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3/19「BRZ」各車両のリア左右には、力を貸してくださるディーラーメカニックさんが勤務している店舗名のステッカーを、毎レース貼っています。今回は南九州スバル、福岡スバル、熊本スバル、大分スバル、広島スバル、兵庫スバルの皆さんが来てくれました。毎戦違うディーラーメカニックさんが参加されるので、レースによっては、読者の皆さんのお住まいに近いディーラーのメカニックさんが活躍しているかもしれません!
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4/19走行前に窓ガラスの撥水(はっすい)コーティングをしてくれている様子です。今大会は天気を読むことが難しく、雨が降ったりやんだり、前のマシンがはっきりと見えないようなとても濃い霧の中を走ったり、ということもありました。私はBRZに乗り始めてから、ハーフウエットの路面で走ったことはありましたが、雨が多く降り続いている中での走行は今回が初めて。オートポリスのコースも初とあって、少し緊張していました。
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5/19メカニックさんたちに車両整備をしてもらい、いよいよ走行が始まります。金曜日は、クラス分けされた特別スポーツ走行と専有走行がありました。特別スポーツ走行ではドライ路面で走ることができましたが、専有走行ではハーフウエット路面からフルウエット路面に。後半はかなり雨量が多い状態でした。上位にはハーフウエット時にタイムを計測したマシンが連なり、リザルト上では私は13位という形で終わってしまいましたが、事前に先輩たちからいただいたアドバイスのおかげもあり、マシンのフィーリングはよく、とてもいいイメージで走行を終えることができました。
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6/19プロフェッショナルシリーズも、同じく特別スポーツ走行と専有走行がありました。専有走行での結果は井口卓人選手9位、久保凜太郎選手13位でした。プロフェッショナルシリーズの専有走行でも雨量の変化が大きく、最終的にはかなりの大雨の中での走行に……。何度もピットに入りセットアップを進めているところに居合わせ、メカニックさんとの会話を聞くことができ、とても勉強になりました。
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7/19専有走行が終わると、いつも通りに予選に向けての車両メンテナンスを始めます。今回のディーラーメカニックさんは普段の拠点ではあまり使用しないジャッキでの作業や、車両の下に潜り込んで行う作業にも慣れている方が多く、皆さん協力してスムーズに作業を進めてくれていました!
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8/19そして土曜日は予選! ……の前に。今回は、いつも「BRZ」をサーキットまで安全に運び、現地ではメカニックとして作業してくれている別所さんのお誕生日と重なりました。祝福の場には、チーム全員に加えて、スバルファミリーの新井敏弘選手とプロフェッショナルシリーズを同じBRZで戦う新井大樹選手も駆けつけてくれました!
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9/19今レース界ではやりの顔面ケーキ! 風の“顔面シェービングフォーム”でお祝いしました。とても喜んでくれて、サプライズした私たちもとてもうれしかったです。別所さんお誕生日おめでとうございます! そしていつもありがとうございます!
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10/19いよいよ予選が始まります。最初は私が参戦するクラブマンシリーズからです。今大会はオープンクラスとエキスパートクラスが混走となる予選/決勝レースとなりました。予選では、赤旗中断が2回もあり、自分自身少し焦りが出てしまったところもありましたが、赤旗中のピットで監督や先輩方、メカニックさんからアドバイスをいただき、なんとかチェッカーを受けた最終周にタイムをまとめられました。結果、自己ベストの8位につけることができました。
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11/19プロフェッショナルシリーズの予選も雨量が一定にならず、タイヤ空気圧の設定等が難しい、いつも以上に真剣にならざるをえない緊張感ある走行でした。結果は井口選手6位、久保選手7位と、上位を狙える順位にはつけることができました。
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12/19予選と同じ日に、ヒート1のレースもありました。グリッドには監督や先輩方、メカニックさんのほかに新井敏弘選手(写真左)も来てくださいました! 私はウエット路面でのスタートが初めてで、自分でも珍しいと思うほどにとても緊張していたので、皆さんが声をかけてくれてとてもうれしかったです。おかげで緊張もほぐれ、落ち着いてスタートすることができました。
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13/19無事にスタートし、トップ集団の中でヒート1のレースを進めていきました。雨量のためにハイドロプレーニングが起きるコーナーやラインが多く、慎重にバトルをしていたものの、レース中盤に100R出口でスピンした車両を避け切れず接触。14位まで順位を落としましたが、終盤にかけてコースオフする車両が出てセーフティーカーが入ったこともあり、12位でチェッカーを受けました。
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14/19次はプロフェッショナルシリーズのヒート1です。2台とも好スタート! 特に久保選手は7番手スタートから一気に4番手あたりまで追い上げ、場内はかなり盛り上がりました。しかし、前車と接触してしまいコースオフ。最後尾まで順位を落としながらも、17位まで追い上げてチェッカーを受けました。井口選手は順調に順位をキープしていましたが、後半はペースが上がらず1台にパスされて7位でのチェッカーとなりました。
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15/19本来、クラブマンシリーズ エキスパートクラスとプロフェッショナルシリーズの車両は、ヒート終了後は車両保管エリアに安置されて翌朝まで触れることができません。しかし今回は、89号車のヒート1での接触によるダメージが思った以上に大きく、オフィシャルの立ち会いのもと、決められた作業時間内でリペア作業が行われました。
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16/19ヒート2を走行するためには、レース前の出走前点検実施時間内までに走れる状態にし、事務局から走行に支障がないという承認をもらわなければなりません。限られた時間の中で、メカニックの皆さんが朝早くからリペア作業をしてくれたおかげで、なんとかヒート2を走ることができる状態にまで仕上がりました! メカニックさんとディーラーメカニックさん、リペア作業に必要な書類を集めに走り回ってくれたマネージャーさん、そしてチームにはとても感謝しています。
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17/19チームの皆さんのおかげでヒート2のグリッドにつくことができました。ヒート2のコースインで確認した時点では乾いている路面が見えてきていたので、思い切ってタイヤの内圧をドライ方向にセットしてスタートしました。前半はスタートも決まりポジションアップすることもできましたが、中盤から後半にかけてのセクターで濃い霧が出て雨も降り始め、自身のペースは落ちてしまい、後ろをブロックするレースになりました。なんとかしのいではいましたが、最後までは守り切れず12位でのチェッカーとなりました。
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18/19次はプロフェッショナルシリーズのヒート2です。プロフェッショナルシリーズのスタート前にはまた雨がやみ、晴れ間が見えるなど、チームとドライバーを悩ませる天候でした。スタート直後は、路面温度が低かったこともあり序盤のペースが上がらずつらいかなと思いましたが、後半にかけてペースも上がり、井口選手が6位、久保選手は13位まで追い上げチェッカーとなりました。
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19/19初のコースで不安もありましたが、練習走行からフィーリングもよくいいイメージで走ることができたこと、そして予選で自己ベストの順位につけられたのは良かったと思います。ですが、初めての雨のレースで、天候に左右されて流れを良い方向に持っていくことができなかったのは、とても悔しく、反省すべき点です。一方で、走るごとに「BRZ」との相性が良くなってきていて、以前よりもポジションを上げて走ることができてきたので、次戦の富士大会には自信をもって挑みたいと思います!