東京モーターショー2019

【FUTURE EXPOの歩き方】見知らぬ美少年とのシェアドライブを疑似体験

2019.10.24 自動車ニュース 林 愛子
VR体験用の「トヨタ・コムス」。
VR体験用の「トヨタ・コムス」。拡大

AIが進化し、カーシェアリングが今よりずっと生活の中に浸透した未来では、どのような体験が私たちを待ち受けているのだろうか? トヨタ最新のコンセプトカー「LQ」のVRコーナーで、そんな未来のドライブを疑似体験してみた。

トヨタのコンセプトカー「LQ」。AIエージェントを搭載した、レベル4の自動運転も可能な電気自動車だ。
トヨタのコンセプトカー「LQ」。AIエージェントを搭載した、レベル4の自動運転も可能な電気自動車だ。拡大
AIエージェント同士のマッチングによって選ばれたドライブのパートナーのAkio少年。
AIエージェント同士のマッチングによって選ばれたドライブのパートナーのAkio少年。拡大
ヘッドセットを装着してVRでドライブ体験。ハンドルやペダルの操作は不要だが、つい手足が動いてしまう。
ヘッドセットを装着してVRでドライブ体験。ハンドルやペダルの操作は不要だが、つい手足が動いてしまう。拡大
VRでは左側の席にAkioが座っているのが見える。YUIだけでなく、シェアサービスの疑似体験としても面白い。
VRでは左側の席にAkioが座っているのが見える。YUIだけでなく、シェアサービスの疑似体験としても面白い。拡大

AIエージェントがカーシェアの相手をマッチング

トヨタが未来のモビリティーとして打ち出す自動運転のコンセプトモデルには、人工知能AIによるエージェント「YUI(ユイ)」が搭載されている。iPhoneの「Siri」やAmazonの「Alexa」などでの経験があるので、「Hey、YUI、今日は〇〇へ連れていって」などと話しかけるつもりでいたのだが、今回のYUIは違っていた。

YUIを体験できるのは、FUTURE EXPOの中央通路にあるVR体験用の「トヨタ・コムス」だ。VRの中ではコンセプトカー「LQ」に乗ってドライブを楽しむのだが、実際にはコムスがほんの少しだけ前後に動くだけ。しかし、映像と音による没入感と、送風機による風のおかげで、かなりの臨場感を味わえる。

VRで体験するのはシェアリングサービス。自分のAIエージェントと、シェアを希望する人のAIエージェントがコミュニケーションをとってマッチングした結果、Akioという名の少年と乗り合わせることになった、という設定だ。

体験前にはタブレットで「海が好きか/山が好きか」といった簡単な質問に答えており、その内容に基づいてシナリオが進む。私はリラックスできるドライブを希望し、Akioは学校の宿題でキレイな景色の写真を撮りたいのだという。AIエージェントたちは私たちの希望をかなえるルートを選び、ドライブは進む。近年のVR技術の進化のおかげで、窓外の景色はとても美しい。

その道中で、ちょっとしたアクシデントが起こる。詳細はネタバレになるので割愛するが、YUIがいる世界の意味や、見知らぬ人とシェアサービスを利用することの意義を考えるヒントになりそうだ。

なお、中央通路の奥にあるもう1台のコムスでもVR体験ができる。こちらはエージェント不在だが、二輪車で世界遺産を巡る旅に出るという内容。思わず「あっ!」と声が出る仕掛けがあるのでお楽しみに。

(文=林 愛子/写真=峰 昌宏、中谷 智/編集=堀田剛資)

関連キーワード:
東京モーターショー2019, モーターショー, ニュース