東京モーターショー2019

スズキWAKUスポ:このサイズとカタチに拍手!

2019.10.25 自動車ニュース 沼田 亨
スズキWAKUスポ
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東京モーターショー2019の会場で、自動車ライターの沼田 亨が引かれたのは、スズキが提案する小さなコンセプトカー。“ワクワク感”をテーマに開発された、その一台の特徴は?

ドアは変則型の4枚。一見、2ドアクーペのように見える。
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写真のように車体後半のパネルがせり上がり、車体形状はワゴンへと変化する。
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欲しいのは小さな高級車

2代目「日産キューブ」のクーペ版というか、ショー会場でブースが隣り合わせるホンダの「ホンダe」を角張らせたというか……そんな感じのスズキの参考出品車である「WAKUスポ(ワクスポ)」。

一台で楽しさ、ワクワクを家族内でシェアリングできるパーソナルコンパクトPHEVとのことだが、通常のトランクにあたる部分に内蔵されているハードトップ(?)がニョキニョキとせり上がってきて、クーペからワゴンに変身する。
このギミックには正直言ってまったく引かれないが、角張って、厚みがあり、前後オーバーハングがほとんどなく、Aピラーが立ったレトロ風味のクーペフォルムが、なぜかツボにハマってしまった。「イグニス」とほぼ同じというサイズも絶妙。これより大きいとかわいげがないし、小さいとオモチャ感が増してしまい、実用性にも欠けるだろう。

歩行者保護の観点からどうなのよ? とは思うが、フェンダーミラーを模したデジタルアウターミラー用カメラも悪くない。総じてこのカタチで、内外装の素材やフィニッシュにこだわった「小さな高級車」をつくってくれたら、と思う。故・徳大寺巨匠がよく語っていたが、年寄りには小さなクルマがいい。筆者もその言葉の意味がよ~くわかるトシになってしまったのだが、小さいからといって、安っぽいのはイヤなんだよ。

(文と写真=沼田亨/編集=関 顕也)

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