日産GT-Rプレミアムエディション 2020年モデル(前編)

2019.10.31 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 パワートレインやブレーキをはじめ、さまざまな改良が施された2020年モデルの「日産GT-R」。12年前のデビュー時からこのハイパフォーマンスカーに接してきた谷口信輝は、最新型の走りをどう評価する?
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初期モデルとはタイプが違う

「いいクルマですね」

2020年モデルの「日産GT-Rプレミアムエディション」の試乗を終えたとき、谷口信輝は確かにそう言った。最初は聞き間違いかと思ったが、それは、クルマから降り立った直後の感想として谷口が「いいクルマですね」と言ったことがこれまでなかったように記憶しているからだ。

谷口ほどの腕利きをして「いいクルマ」と言わしめたその理由はどこにあったのか? 彼の真意にもう少し迫ってみたい。
「サンゴー(R35)GT-Rのデビューって、たしか2007年とかですよね。いま考えてみると、あの最初のGT-Rが一番ダメでしたね(笑)。いや、パフォーマンスはすごかったですよ。先代のサンヨン(R34)に比べたら圧倒的に速かった。でも、乗り心地とかシフトフィーリングとかが荒削りで、熟成されている感じがしなかったんです。そこからどんどん進化していくんですが、どこか無機質で“ザ・マシン”という印象が抜けきれなかった。それが、この2020年モデルでは、いい意味で個性が出てきたような気がします。よくクルマ好きが『昔のクルマのほうが味があったよな』って言いますが、そういう味がある方向に少し戻ったような感じですね」

なるほど、そうなのか。では、その「味がある」というところを、もう少し詳しく聞かせてもらえないだろうか。
「基本的には足まわりの印象の話なんですが、正直、この2020年モデルは“パキパキでソリッドな感じ”はあまりしません。それよりも適度にしなやかで、いなしながら走っている感じ。適度な柔らかさというか、マイルドさといってもいいかもしれません。おかげで、クルマと運転手の間に“人馬一体感”が生まれて、クルマに乗せられているというよりは、運転手がクルマを操っているという味が出てきていると思うんですよ」

 
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