ボルボS60 T6 Twin Engine AWDインスクリプション(4WD/8AT)/トヨタ・クラウン2.5 G(FR/CVT)
守るトヨタと攻めるボルボ 2020.01.08 試乗記 日本におけるセダンユーザー拡大を使命に、ボルボが送り込んできた新型「S60」。受けて立つのはこれぞニッポンのセダンたる「トヨタ・クラウン」。この2台を比較試乗し、SUV全盛のいま、セダンをチョイスする理由について考えた。こだわりを持って選ぶクルマ
トヨタ・クラウンでボルボS60の試乗会会場に向かいながら、セダンが乗用車の主流となる時代には二度と戻らないだろうという思いをかみしめた。
これから日欧2台のセダンを比較しようというところで身もふたもない結論だけど、同じ長さだったら背の高いSUVのほうが室内に開放感があるし、見晴らしもいい。荷物だってたくさん載る。SUVなら「よっこらしょ」と身をかがめて乗り込む必要もないし、アクティブな趣味を持っている人だと思われたり、新しい感性を持っている人に見られたりするのも悪くない。
昔だったらセダンのほうが乗り心地と走りがいいとか、SUVは燃費が悪いとか、SUVにとっての逆風があった。けれども技術の進歩とはすばらしいもので、走行性能にしろ燃費にしろ、ま、重箱の隅をつつけばそういうことも言えるかな、という程度だ。
だから一度SUVに行った人がセダンに帰ってくることはあまりないし、マンションの立体駐車場に入らないなどの制約がなければファーストチョイスがSUVになるのは自然な流れだ。
だがしかし、である。銀行員まで服装が自由になったオフィス街できちんとしたスーツを着ている人がいたら、めっちゃ目立つしカッコいい。同様に、SUVがあふれる路上ですてきなセダンを見かけたら、タダ者ではない雰囲気を醸すはずだ。
つまり、利便性や機能性だけでなく、こだわりで選ぶクルマがセダンということだ。いま、セダンを選ぶ人はクルマに対して一家言ある人だろうし、そういう方々の厳しい視線にさらされるのがいまの時代のセダンの宿命なのだ。というわけで、いまこそセダン選びはおもしろい! という結論に達したところでクラウンは、目的地に到着した。
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