今年も自動車業界は元気だ! 2020年にデビューする新型車を知る
2020.01.08 デイリーコラム「トヨタ・ミライ」はLサイズセダンに
2020年に登場する新型国産車について考えてみたい。まずトヨタからは「ヴィッツ」の後継となるコンパクトカー「ヤリス」が登場する。価格を含めて情報はすでに発表されているが、納車も含めた発売は2020年2月になる。
エンジンはすべて直列3気筒で、以前から搭載される1リッターに加えて、新開発の1.5リッターと1.5リッターのハイブリッドも選べる。後席と荷室はヴィッツよりも狭いが、走行安定性と乗り心地を向上させて内装の質も高めた。ドライバーの満足感をより重視するコンパクトカーになり、既存の車種では「マツダ2」のような性格に近づく。
なお将来的には、ヤリスのエンジンとプラットフォームを使う背の高いコンパクトカーも発売され、ファミリーカーの需要にも応えるようだ。
「トヨタ・ミライ」の新型も登場する。高圧水素タンクとモーターを搭載する燃料電池車であり、次期型のプロトタイプ(試作車)は、東京モーターショー2019に出展された。プラットフォームからレイアウトまですべてを刷新して後輪駆動車に発展する。全長が5m近いLサイズセダンになり、燃料電池車の環境性能と、上質な運転感覚を兼ね備えるのが自慢だ。
日産は新型車がめじろ押し
続いて日産を見てみたい。「ジューク」は海外仕様をフルモデルチェンジしたが、日本では従来型を継続販売している。そしてその新型の代わりに「キックス」を導入する予定だ。
車種を代える理由は、国内市場との相性にある。新型ジュークのパワーユニットは1リッター直列3気筒ターボエンジンが基本となる。一方のキックスには1.5リッター直列4気筒エンジンなども設定されており、ライバル車と比較された場合に見劣りしないという背景がある。シリーズハイブリッドの「e-POWER」も設定する。
東京モーターショー2019には「アリア コンセプト」が出展された。SUVタイプの電気自動車で、その市販モデルが2020年中に発売される。前後の車軸にそれぞれモーターを搭載する4WDとして、優れた走行性能を実現させている。
4輪のブレーキを独立制御して、操舵に応じて車両の向きを機敏に変える機能も採用され、スポーティーで運転の楽しい電気自動車を目指す。
「IMk」のプロトタイプも東京モーターショー2019に出展された。軽自動車サイズの電気自動車だ。背の高いボディーのシルエットは「デイズ」や「デイズルークス」に似ているが、プラットフォームは独自の新設計になる。現状では電気自動車は市街地の短距離移動に向いているから、軽自動車のサイズとあいまって、日本の使用環境にピッタリだろう。
マツダとホンダが電気自動車をリリース
マツダの目玉は、東京モーターショー2019にも出展されていたSUVの電気自動車「MX-30」だ。プラットフォームの基本部分は「マツダ3」や「CX-30」と共通化されている。
外観は従来の「魂動(こどう)デザイン」採用車とは雰囲気が異なる。走りのよさを表現するところは共通だが、ボンネットからサイドウィンドウにかけて走るラインが水平基調で、ボディーパネルをシンプルに仕上げたのが特徴だ。
MX-30の方向性はマツダの新しいデザイン路線に位置付けられ、将来的には同様のコンセプトで車内の広い実用志向の車種も開発されるかもしれない。
ホンダではやはり新型「フィット」に注目だ。すでにグレードの基本構成や搭載されるパワートレインなどが明らかにされているが、価格を公式に発表して、納車を開始するのは2020年2月だ。
プラットフォームは従来型と共通で、全高を立体駐車場が使える高さに抑えたコンパクトカーでありながら、広い居住空間と荷室を備えている。後席の足元空間はLサイズセダンに匹敵するほどだ。この優れた空間効率による高い実用性を受け継ぎながら、新型では走行性能や乗り心地、安全性能などを幅広く進化させている。
ホンダはコンパクトな電気自動車「e」も導入する。駆動用モーターを後軸に搭載しているのが特徴だ。小さなボディーゆえに混雑した街中でも運転しやすく、後輪駆動の採用により、走りの楽しさも味わえるだろう。
ダイハツからは新型の軽クロスオーバーが登場
スバルは新型「レヴォーグ」を投入する。快適な居住性と優れた走行性能を両立したミドルサイズワゴンという位置付けは現行型と同様だが、エンジンやプラットフォームを刷新。動力性能や車両安定性、乗り心地、燃費など、走りに関する機能を幅広く向上させる。新開発のエンジンは1.8リッターの水平対向4気筒ターボで、高効率なパワーユニットとなる。
ダイハツは新型のクロスオーバー「TAFT(タフト)」を発売する。「タント」から採用した新しいプラットフォームを使う軽自動車で、車両の性格は「スズキ・ハスラー」に近い。外観は直線基調とし、空間効率を高めている。内装には汚れを落としやすい素材を採用するなどして、アウトドアで使いやすいクルマを目指した。
以上のように2020年には、さまざまな性格の新型車が登場することになりそうだ。久しぶりにクルマの世界が活性化するだろう。いい年になりますように。
(文=渡辺陽一郎/写真=トヨタ自動車、日産自動車、ダイハツ工業、webCG/編集=藤沢 勝)

渡辺 陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆さまにけがを負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。特にクルマには、交通事故を発生させる甚大な欠点がある。今はボディーが大きく、後方視界の悪い車種も増えており、必ずしも安全性が向上したとは限らない。常にメーカーや行政と対峙(たいじ)する心を忘れず、お客さまの不利益になることは、迅速かつ正確に報道せねばならない。 従って執筆の対象も、試乗記をはじめとする車両の紹介、メカニズムや装備の解説、価格やグレード構成、買い得な車種やグレードの見分け方、リセールバリュー、値引き、保険、税金、取り締まりなど、カーライフに関する全般の事柄に及ぶ。 1985年に出版社に入社して、担当した雑誌が自動車の購入ガイド誌であった。そのために、価格やグレード構成、買い得な車種やグレードの見分け方、リセールバリュー、値引き、保険、税金、車買取、カーリースなどの取材・編集経験は、約40年間に及ぶ。また編集長を約10年間務めた自動車雑誌も、購入ガイド誌であった。その過程では新車販売店、中古車販売店などの取材も行っており、新車、中古車を問わず、自動車販売に関する沿革も把握している。 クルマ好きの視点から、ヒストリー関連の執筆も手がけている。
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