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第3回:ここがインポートカーのボリュームゾーン!
輸入車チョイ乗りリポート~600万円から800万円編~

2020.03.06 JAIA輸入車試乗会2020 webCG 編集部
キャデラックXT5プレミアム
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JAIA輸入車試乗会の会場から、webCG編集部員が気になるクルマの走りをリポート。今回は「キャデラックXT5」や「BMW 3シリーズ ツーリング」「ランドローバー・レンジロ―バー イヴォーク」「テスラ・モデル3」の4台を紹介する。

 
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これぞホンモノ これぞ王道
キャデラックXT5プレミアム……650万円

キャデラックXT5は、いいクルマ、いいSUVでありました。高級車であることとか、どこのブランドであるとかをことさら主張するクルマではなくて、普通にいいクルマ。「アメリカ人にとってクルマはあくまで生活の道具。それはキャデラックでも同じこと」と言っていたのは、どのジャーナリストさんだったか。

乗り込んでみると、控えめだけど上質な車内空間にほっとする。ゴテゴテしたスピーカー装飾とかカラフルなイルミネーションとかはないけれど、革は革らしく、ウッドはウッドらしく。インフォテインメントシステムが隅々まできっちり日本語対応している点も、キャデラックの隠れた美点だ。「右ハンがない」ってだけでGMの日本戦略を批判していた人は、ちょいと反省すべし。

走りだしても、XT5はドライバーに肩ひじを張らせるところがない。自然吸気の3.6リッターV6は、踏み始めの微細な領域で「ポコッ」とトルクを出すことはあるけど、それ以外は至ってスムーズ。9段化されたトルコンATも洗練の極みで、いやぁ、快適ですわ。一方で、ブレーキは踏み始めに明確な“あそび”があるけど、制動力が立ち上がり始めるポイントがペダルの反力で分かるので、違和感も不安も痛痒(つうよう)もナシ。むしろ、決して道路事情がいいとはいえないアメリカでは、この方がギクシャクしないんでしょうね。

65偏平のタイヤもあってか、乗り心地は比較的おおらか。走行モードに応じて結構乗り味・走り味が変わるタイプだけど、たいていの人は最終的に、軽やかで、上屋の動きを比較的許容する「ツーリング」に落ち着くと思う。人によっては「もっとビシっとしていてほしい」なんて言うかもしれないが、先生、これSUVですよ? それに、今日日そういうクルマならほかにいくらでもある。キャデまでそれをまねする必要はないよ。

というわけで冒頭に戻る。キャデラックXT5はいいSUVでありました。これぞホンモノ。これぞ王道。スポーツカーもどきみたいなSUVが増えている中で、SUVらしいSUVって、むしろ貴重な存在だと思う。

(文=webCGほった/写真=峰 昌宏)

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絶妙なサジ加減
BMW 320d xDriveツーリング Mスポーツ……666万円

BMWの一番の特徴って、なんだと思います? 私はね、たぶん身のこなしだと思うんですよ。ステアリングレスポンスのタメのなさとか、その後の、シュワ……と頭が入り込んでいく感じとか。今回の試乗車は4WDだったんだけど、その辺は失われていなかった。その場でFRのBMWと乗り比べたら「ちょっとマイルドになってる?」と感じたのかもしれないけれど、別段アタマが重い感覚はなかった。

足まわりも、ひところと比べたら随分穏当になったんだろうが、“ほうれんそう”を大事にする社会人のカガミみたいな性格は不変。乗り心地は基本カタめで、それはドライブモードをどれに入れても変わらない。それでも、積極的に「こいつぁ快適ですぜ」と言えるのは、路面からの入力から丁寧にカドが取れているから。BMWのお墨付きである★マーク入りの「グッドイヤー・イーグルF1」も、むっちりしていてザラザラ感がなく、このクルマのしっとりした乗り心地に貢献していた。

自慢のエンジンはどうかというと、ゆとりのトルクと、ペダルを踏むと間髪入れずに駆動力を発生するレスポンスのよさが気持ち良し。ブレーキは踏む程に利くストローク型だけど、例えばマツダなんかと比べると制動力の立ち上がりは早く、カックン系のブレーキに慣れている人でも、これなら怖くないだろう。

このクルマは、一事が万事こんな感じ。自分のキャラクターを守りつつ、万人が求める快適さとか安心感とか痛痒のなさとかを実現する手だれっぷりが、さすがBMWでありました。

余談ですが、こうも前後方向の挙動が快適でゆとりがあると、クルコンまかせの半自動運転ですらキモチイイ。エラい先生などは「自動運転の時代になると、クルマの差異化は難しくなるのでは?」とおっしゃるが、こういうクルマに乗ってみると、「案外そうでもないのでは?」と思えてしまうのである。

まぁ、ワタクシ普段使わないんですけどね。クルコン。

(文=webCGほった/写真=峰 昌宏)

BMW 320d xDriveツーリング Mスポーツ
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不滅のアトラクション
ランドローバー・レンジロ―バー イヴォークSE D180……679万円

初代レンジローバー イヴォークの登場は、本当にセンセーショナルだった。土くさいSUVのイメージを変えるスタイルに、スポーツカーを思わせる走りっぷり。その後、大ヒットして自動車業界に大きな影響を与えたのは、クルマ好きならご存じの通りだ。

そんな売れっ子の後継モデルは、先代の人気を引き継げるか? というのは、まったくの杞憂(きゆう)らしい。インポーターによれば、「レンジローバー ヴェラール」似の顔立ちが奏功してか、新型もセールスは絶好調。中でも、クリーンディーゼル搭載車「D180」は、その需要の4割を占めるという。半数にも満たないと思われるかもしれないが、ディーゼル1種類に対してガソリンエンジンが3種類も選べることを考えると、なかなかの存在感といえるでしょう。

実は海外には、ディーゼルのハイパワー版「D240」もある。でも、それはさすがに日本で無用だと思えるほど、D180はトルキーだ。初代ゆずりのキビキビしたハンドリングも健在で、ディーゼルのSUVとはいえ、ワインディングロードを走らせたくてウズウズしてくる。

ネガもないわけじゃない。サイドミラーとAピラーの付け根にあたる斜め前の視界は(先代と同様に)イマイチだし、使いやすいダイヤル式ギアセレクターは新型ではレバー式になってしまった。それでも、クルマを止めてレザーやスエード調の表皮を絶妙に使い分けたセンスのいい室内におさまっているだけでいい気分になってくる。これは、わが物にしたくなる。

だからなのか、新型は先代よりも女性のユーザーが多いそう。購入者全体としては、30代から40代前半までがメインだという。700万円に迫る価格なのに、大したもんだなぁ……とカタログに目を落とせば、“SE”の付かないベーシックな「D180」なら500万円台前半。むむむ……。40代後半の筆者、試しに、ヨメさんに相談してみるか?

(文=webCG 関/写真=峰 昌宏、webCG)

ランドローバー・レンジロ―バー イヴォークSE D180
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エコロジーはさておき
テスラ・モデル3パフォーマンス……727万3000円

「2016年3月、海外で予約スタート」「2018年11月に日本国内で初披露」「2019年9月、国内でのデリバリー開始」――こうした経緯を振り返ると、鳴り物入りで登場したEV、テスラ・モデル3もすっかり過去のクルマになっちゃった、ような気がする。

ところがどっこい。ちょっと待った! そこはオンラインで“中身”をアップグレード可能な、スマホのようなモデル3。2019年9月末には制御ソフトウエアの最新版「バージョン10.0」を各車両へと配信、運転支援システムが強化されたほか、YouTubeやNetflix、Spotifyなども楽しめるようになった。ほかにも更新メニューは10項目くらいあるので割愛するけど、そんな次第で、しっかり時代にキャッチアップできているのだった。

「年月を経ても容易に陳腐化されない」というのは、クルマの世界では得がたい長所だ。その点、無味乾燥と思えるほどシンプルな内外装も、陳腐化防止に結びついているかもしれない。とはいえ、実用性は相当なものだ。キャビンは広くて、ドライブシャフトがないからフロアはフラット。エンジンを持たないため、前にも後ろにも広い荷室が確保される。コネクトだけでなく、空間的な使い勝手も本当にいい。

なのに、動力性能はスポーツカー並み! というのがまたクールだ。このトップグレードの「モデル3パフォーマンス」は0-100km/h加速3.4秒。試しにペダルを床まで踏んだら、たちまち頭がクラクラした。それはさすがに過剰なのか、半数のひとが航続距離も長い中間グレード(同4.6秒)を選ぶという。

褒めすぎじゃないか? と思われるかもしれない。けれど、このクルマ、見れば見るほどプロダクトとして説得力がある。事実、日本では売れていて、堅実な国産車ユーザーからの乗り換えが多いそうだ。この7人乗りバージョンにあたる「モデルY」や、直線的なデザインのピックアップ「サイバートラック」が発表されるなど話題の多いテスラだが、現時点ではモデル3、要チェックじゃなかろうか。補助金も期待できるし。

(文=webCG 関/写真=峰 昌宏、webCG)

テスラ・モデル3パフォーマンス
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webCG 編集部

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1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。

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