マクラーレンGT(前編)
2020.03.19
谷口信輝の新車試乗
マクラーレンの最新モデル「GT」は、グランドツアラーとしての資質を特徴のひとつに掲げるハイパフォーマンスカーだ。では、ワインディングロードにおける走りはどうか? レーシングドライバー谷口信輝がステアリングを握った。このブランドは独特
今回、われらが谷口信輝に試乗してもらったのはマクラーレンGTである。
創業以来、カーボンモノコックとミドシップレイアウトを組み合わせたスーパースポーツカーをひたすらつくり続けてきたマクラーレン・オートモーティブだが、過去に2度、グランドツアラーを手がけたことがあった。その初作は2016年にデビューした「570GT」で、スポーツシリーズの「570S」をベースとしてサスペンションを乗り心地重視にチューニングし直すとともに、ファストバックのエレガントなスタイリングとし、テールゲート下にもラゲッジスペースを用意したことが特徴だった。
その後、マクラーレンはアルティメットシリーズに「スピードテール」という名の超ド級グランドツアラーを設定。これに続いて登場したのが今回取り上げるマクラーレンGTで、これは既存の3シリーズ(スポーツ、スーパー、アルティメット)のどれにも属さない独自のモデルと説明されている。
もっとも、GTに使われたテクノロジーは、モノコックにしてもサスペンションにしてもスポーツシリーズの570Sあたりとよく似ている。明確に異なるのはエンジンの排気量が3.8リッターではなくスーパーシリーズの「720S」と同じ4リッターになることと、基本は570Sに近いパッシブサスペンションでありながら720Sで培った姿勢制御方式の一部を可変ダンパーのコントロールに採り入れたことだろう。また、スタイリングもGTというコンセプトに合わせて、上品で流れるようなデザインに仕上げられている。
いつものように箱根のワインディングロードでの試乗を終えた谷口は、マクラーレン独自のディヘドラルドアを大きく上方に開け放つと、「よっこらしょ」と言いながら運転席から降り立った。
「うーん、やっぱりマクラーレンって独特。どれに乗っても一貫していますよ」
ほほー、それはマクラーレンの思想に共鳴してくれたということなのか?
「というか、まずはカーボンモノコックのサイドシルが高いせいで乗り降りがしにくい」
この記事は会員限定公開です。webCGプレミアムプラン会員に登録すると<月額550円(税込)>、続きを読むことができます。
登録初月無料! | クレジットカードで会員登録いただくと、ご契約いただいた日からその月の末日までが無料になります。いつでも解約可能です。 |
---|
- 毎月20本以上、新型車の試乗記が先取りで読める!
- 人気のさまざまな連載エッセイも、いち早く読める!
- 100車種超! 「谷口信輝の新車試乗」がぜんぶ読める!
- あの漫画家・池沢早人師の特集記事も堪能できる!
- 頭脳派レーシングドライバー山野哲也の車評が分かる!
- 『日刊!名車列伝』で世界の名車に毎日触れられる!
- 自動車メーカー関連グッズのプレゼントに応募できる!
- 話題のニューモデルのアツい走りが動画で見られる!