メルセデス・ベンツB200d(FF/8AT)
本命あらわる 2020.05.19 試乗記 メルセデスのルーミーなコンパクトモデル「Bクラス」に、クリーンディーゼル搭載モデルが登場。とことん家庭的なクルマかと思いきや、そのスポーティーな走りとデザインは、筆者の予想を大きく上回っていた。奥さんもニッコリ
知り合いが国産ワゴンから欧州メーカーのハッチバックに買い替えた。しかもディーゼル車だ。特にクルマ好きというわけでもないから、「ずいぶんツウなクルマを選んだな」と思ったが、聞けば購入の決め手は、奥さんが「ディーゼルがいい」と言ったからだという。奥さん同士の会話の中で「ディーゼルって、燃費がいいんですって」という話が出たそうだ。
たしかにいま日本は、「遅れてきたディーゼルブーム」という感がなきにしもあらず、だ。国産メーカーではマツダが積極的にディーゼルモデルを投入しているし、輸入車でもよく売れていると聞く。クルマの世界がおしなべて“電動化”に向かっているのは確かだとしても、充電施設などインフラを考えれば、世のクルマが一足飛びにEVやプラグインハイブリッド車ばかりになるとは考えられない。将来へのブリッジとして、いまディーゼルが注目されているのだ。
2019年の夏に日本で発売された新型メルセデス・ベンツBクラスに、その秋、ディーゼルの「B200d」が追加された。ご存じのとおり、Bクラスはコンパクトハッチバックの「Aクラス」をベースに、背を高くしてユーティリティー性を向上させたコンパクトカーだ。ファミリーカーのニーズが高いこのクラスだけに、まさにディーゼルモデルの登場を待ち望んでいたクルマ好き、そして奥さんは多いのではないか。