ホンダNSX(前編)

2020.11.08 思考するドライバー 山野哲也の“目” 山野 哲也 レーシングドライバー山野哲也が「ホンダNSX」の最新モデルに試乗。クルマを降りた直後の口ぶりからは、何やら仕上がりに気になるところがあるようだ。山野の感性がとらえた、和製ハイブリッドスーパースポーツの未完成なポイントとは!?

微妙な表情の山野哲也

繊細かつ正確無比なドライビングで日本のジムカーナ界を席巻し続け、ツーリングカーレースやSUPER GTでも輝かしい実績を残しているレーシングドライバー、山野哲也。専業のプロフェッショナルドライバーとなる前に、実はホンダのビジネスマンとして会社員生活を送った過去がある。今回は、古巣が放ったハイテクスーパーカーのステアリングホイールを握った。

派手な「インディイエローパールII」にペイントされたホンダNSXが山道を駆け下りてくる。試乗を終えた山野は微妙な表情でクルマを降りた。

「これはちょっと辛口評価になってしまうかもしれませんね」

2016年の北米国際オートショー(通称:デトロイトショー)でデビューを飾った2代目NSXは、ミドシップされた3.5リッターV6ターボエンジンに、3つのモーターを組み合わせるという野心的な動力系を持つスーパースポーツだ。電気モーターは、後輪駆動用に6気筒エンジンとトランスミッションとの間に1つ、フロントの左右輪にそれぞれ1つずつが置かれる。

4つの動力源を合わせたトータル出力が581PSに達するだけでなく、モーターを個別に制御することで、ヨー(回転方向の力)をコントロール。ハンドリング面でも新世代スーパースポーツにふさわしいアプローチを図っている。しかしコントロールの幅広さは、もろ刃の剣でもある。やはり不自然さをぬぐえなかったのだろうか!?

 
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【ホンダNSXのスペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4490×1940×1215mm/ホイールベース:2630mm/車重:1800kg/駆動方式:4WD/エンジン:3.5リッターV6 DOHC 24バルブ ターボ/モーター:交流同期電動機/トランスミッション:9段AT/エンジン最高出力:507PS(373kW)/6500-7500rpm/エンジン最大トルク:550N・m(56.1kgf・m)/2000-6000rpm/フロントモーター最高出力:37PS(27kW)/4000rpm(1基当たり)/フロントモーター最大トルク:73N・m(7.4kgf・m)/0-2000rpm(1基当たり)/リアモーター最高出力:48PS(35kW)/3000rpm/リアモーター最大トルク:148N・m(15.1kgf・m)/500-2000rpm/システム最高出力:581PS(427kW)/システム最大トルク:646N・m(65.9kgf・m)/タイヤ:(前)245/35ZR19 93Y (後)305/30ZR20 103Y/(コンチネンタル・スポーツコンタクト6)/燃費:10.6km/リッター(WLTCモード)/価格:2420万円

【取材時の燃費データ】
テスト距離:295.2km(市街地1:高速道路7:山岳路2)/使用燃料:38.8リッター(ハイオクガソリン)/参考燃費:7.6km/リッター(満タン法)/7.8km/リッター(車載燃費計計測値)
【ホンダNSXのスペック】
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4490×1940×1215mm/ホイールベース:2630mm/車重:1800kg/駆動方式:4WD/エンジン:3.5リッターV6 DOHC 24バルブ ターボ/モーター:交流同期電動機/トランスミッション:9段AT/エンジン最高出力:507PS(373kW)/6500-7500rpm/エンジン最大トルク:550N・m(56.1kgf・m)/2000-6000rpm/フロントモーター最高出力:37PS(27kW)/4000rpm(1基当たり)/フロントモーター最大トルク:73N・m(7.4kgf・m)/0-2000rpm(1基当たり)/リアモーター最高出力:48PS(35kW)/3000rpm/リアモーター最大トルク:148N・m(15.1kgf・m)/500-2000rpm/システム最高出力:581PS(427kW)/システム最大トルク:646N・m(65.9kgf・m)/タイヤ:(前)245/35ZR19 93Y (後)305/30ZR20 103Y/(コンチネンタル・スポーツコンタクト6)/燃費:10.6km/リッター(WLTCモード)/価格:2420万円
	
	【取材時の燃費データ】
	テスト距離:295.2km(市街地1:高速道路7:山岳路2)/使用燃料:38.8リッター(ハイオクガソリン)/参考燃費:7.6km/リッター(満タン法)/7.8km/リッター(車載燃費計計測値)拡大
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