ジョー・バイデン新大統領誕生で自動車産業はどう変わる?
2021.01.22 デイリーコラムアメリカンV8をこよなく愛する新大統領
昨2020年来、日本でも大変盛り上がったアメリカ次期大統領問題も、民主党のジョー・バイデンの新大統領就任で決着した。バイデン新大統領は「運転好き、クルマ好き」を公言しており、かなりの飛ばし屋とのウワサもある。また、1967年に父親から結婚祝いでもらったという2代目「シボレー・コルベット スティングレイ(通称:C2)」を、現在も素晴らしいコンディションで維持している。
そんなバイデン新大統領は大統領選当時から、「新型コロナウイルス」「経済対策」「人種問題」「気候変動抑制(≒いわゆる地球温暖化防止)」の4分野が、自身の最優先課題だと公言してきた。なかでも、クルマ産業に直結するのは気候変動抑制にまつわる政策だが、この部分は「CO2による気候変動説なんてフェイク」と主張するドナルド・トランプ前大統領が、その前のオバマ政策のそれをことごとくひっくり返してきた。そこに最優先で取り組むとは、つまりは「CO2削減策をトランプ政権時代より明確に厳格化する」ということだろう。
バイデン新大統領がいかに古式ゆかしいアメリカンV8を積むC2コルベット愛好家だとしても、ここはさすがに「ガソリン車バンザイ!」という政策にはなりそうにない。
バイデン新政権の気候変動抑制政策で、いの一番におこなわれるのは、トランプ政権時に離脱した“パリ協定”への復帰といわれる。この点はバイデン新大統領も以前から「就任したら即復帰」と明言してきた。
あらためてパリ協定とは、約200カ国が参加して2015年にパリで採択された気候変動抑制のための国際的な枠組みだ。この種の枠組みとしては初めて、途上国も含むすべての参加国に排出削減努力を求めていることが、パリ協定の画期的なところだった。
同協定の採択には当時のオバマ政権がとくに積極的で、みずから中国やインドにも批准を働きかけたほか、アメリカ自身も「2025年までに温室効果ガス(主にCO2)を2005年比で26~28%削減」という目標を受け入れた。アメリカは2016年9月にパリ協定を批准したものの、翌2017年1月に就任したトランプ前大統領が同年6月にパリ協定離脱を表明した。
……と、ここまではよく知られたところだが、その手続きとしてアメリカから離脱が正式通告されたのは2019年11月4日のことで、取り決めに従ってアメリカが正式に離脱したのは、じつはつい先日の2020年11月4日だったのだ。それなのに、年明け早々にまたまた復帰……というのだから、その経緯を世界中が知るとはいえ、なんとも人騒がせなハナシだ。
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