第639回:自動車文化を盛り上げたい! トーヨータイヤの“バーチャルオートサロン”訪問記
2021.01.27 エディターから一言![]() |
「東京オートサロン」の中止もなんのその! 例年、熱のこもった展示でイベントを盛り上げてきたトーヨータイヤが、オンラインコンテンツ「TOKYO AUTOSALON 2021 Special Site」を公開。世界各国のカーガイが登場するリポートからは、「こんな時こそ盛り上がりたい! 盛り上げたい!」という熱い思いが感じられた。
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ドリフトやオフロードレースのヒーローが登場
クルマ好きにとって年始のお楽しみであったカスタムカーの祭典、東京オートサロン2021の中止は、コロナ禍の現状を踏まえると致し方ないところだろう。ただ頭では理解できても、気持ちのうえでは寂しさを感じ、落胆している人も多いはず。しかし、それは主催者も出展者も同じだったようで、オンラインイベント「バーチャルオートサロン」では、各社が熱のこもったさまざまなコンテンツを展開した。その中にあって、デモランやトークショーなど充実の動画コンテンツを提供したのがトーヨータイヤだ。
特設サイト「TOKYO AUTOSALON 2021 Special Site」のオープニングを飾るのは、来日を予定していた人気ドライバーのケン・ブロックだ。動画の冒頭でブロック選手は、「ごめん! 今年は東京オートサロンに行けないんだ」と同イベントが中止となり、多くのファンとの交流ができない寂しさを語った。
さらに動画には、ラリーマシン「フォード・シエラ コスワース」によるパフォーマンスも収録。後半にはオフロードレース「KING of HAMMERS(キング オブ ハマーズ)」などで活躍する、ブライス・メイジス選手のメッセージも添えられている。ブロックとメイジスは、お互いのメインステージとは異なるオフロードレース「トロフィー・トラック」でのよきライバルでもある。次なる2人のバトルが白熱したものとなることを予感させる内容となっており、こちらも注目だ。
4人のD1ドライバーによる華麗なドリフトも
海外からのリポートはもうひとつ用意され、「フォーミュラ・ドリフト」で活躍する「マッド・マイク」こと、ニュージーランドのマイク・ウィデット選手が出演。自身の拠点である「マッド・ラボ」をファンに向けて自ら案内し、こだわりのマツダ製ロータリー車など、参戦マシンを紹介した。
中でも特にユニークだったのが、「マッドキャブ“ROTAXI”」だ。これは同乗走行用のマシンで、なんとベースは1986年式「マツダ・ルーチェ」。エンジンをチューニングした「13B」ロータリーターボに換装するなど、中身は相当アグレッシブなのに、見た目はその車名からも想像できるよう日本のタクシー風となっている。このほかにも、息子とともに製作したロータリー仕様の「ユーノス・ロードスター」なども登場するなど、まさに見ごたえ十分の内容だった。
海外のレーサーやパフォーマーたちからの熱いメッセージに応えるように、日本でも独自の動画が製作された。その目玉が、毎年、東京オートサロンを盛り上げる恒例のドリフトパフォーマンスだ。動画「TEAM TOYO TIRE DRIFT PERFORMANCE」では、Team TOYO TIRES DRIFTの川畑真人選手と村上 満選手、そしてサポートドライバーである松井有紀夫選手と松山北斗選手の4人が、「GRスープラ」と「86(ハチロク)」でドリフト走行を披露。その華麗なテクニックに興奮してしまうこと間違いなしだが、例年なら感じられるはずの観覧者を包む緊迫した空気感や、タイヤが放つ独特の匂いなどがないことに、寂しさも覚えてしまった。
オートサロンの展示ブースを再現したオンライン向け展示会場では、Team TOYOで活躍するドリフトドライバーたちのトークショー「D1ファンミーティング」を配信。Team TOYO TIRES Drift総監督である今村隆弘氏の司会進行によるトークショーには、先述の動画でドリフト走行を披露した、川畑選手と藤野選手、松井選手、松山選手が参加し、選手だけが知るD1GPの裏話が惜しみなく披露された。
カスタム界の最前線で活躍する人物の競演
このほかにも、特別コンテンツとして「カリスマ“神”対談」と題し、「D1車両GRスープラチューニング秘話」と「エアロ×アートのカリスマ対談」の2本の動画を公開。1本目のマシン開発秘話では、ドライバーの川畑選手、「KUHL-Racing」代表の片岡孝裕氏、そして伊藤チーフエンジニアの3名による熱いトークが展開された。また2本目のカリスマ対談では、長年カスタム業界の第一線で活躍する、「TRA京都」の三浦 慶代表と「ART FACTORY」の澤田 弘代表が登場。カスタムカー界の“今”と、その魅力について語っている。
さらに「TOYO TIRES CUSTOM CARS & TIRE LINE-UP」では、東京オートサロンに出展予定だった4台のカスタムカー/ドリフトマシンが紹介された。1台はD1GPに参戦する川畑選手のGRスープラで、競技でも使用するドリフト用スポーツタイヤ「プロクセスR888ドリフト」を装着。人気の本格SUV「ランドローバー・ディフェンダー」には、オフロードタイヤ「オープンカントリーR/T」が装着されていた。
またアジアクロスカントリー参戦のために「TEAM JAOS(チーム ジャオス)」が製作した「JAOS HILUX RALLY CAR」には、マッドテレインタイヤ「オープンカントリーM/T」を装着。2020年12月に発売されたばかりの「三菱エクリプス クロスPHEV」が履いていたのは、SUV向けタイヤの新商品「プロクセスCL1 SUV」だった。静粛性を重視したSUV向けのエコタイヤで、PHEVとの相性も抜群といったところだろう。こうした車両とタイヤの特徴については、動画内でモータージャーナリストの藤島知子氏が紹介している。
モータースポーツやカスタムカーに関わる人々により、熱いトークが展開される動画には、まさに東京オートサロンの魅力が凝縮されており、大いに視聴者を楽しませてくれる。スペシャルコンテンツは現在も配信中なので、まだ視聴していない人は好きな時間に楽しんでほしい。ただ、見れば見るほどあの熱狂的な空気に包まれた会場が恋しくなるのも事実。来年こそは多くのクルマ好きたちと、どっぷりとカスタムカーの世界に浸れることを願いたい。
(文=大音安弘/写真=トーヨータイヤ/編集=堀田剛資)
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大音 安弘
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