プジョーe-208 GTライン(FWD)
長所が短所 2021.02.09 試乗記 プジョーのコンパクトハッチバック「208」に、電気自動車(EV)バージョン「e-208」が登場。走りと航続距離、利便性を高次元でバランスさせたという一台は、都市型EVの新たなスタンダートとなりうるか?価格という名のハードル
「208」の前に小文字の「e」。将来、中古車屋の店頭で見たら、間違ってこっち買っちゃいそうに控えめなEVがe-208である。しかしそれもプジョーの戦略だ。
8年ぶりのフルチェンジで生まれた新型208の謳い文句は「パワー・オブ・チョイス」。意訳すると「原動機をお選びください」だろうか。電動パワートレインも共用できる新型プラットフォーム(車台)を開発し、最初のラインナップからEVを揃えた。内外装のデザインや装備も横並びに揃えて、エンジンモデルとの敷居をなくした。
つまり、化石燃料か電気か、208をどっちで乗りますか? という演出。それは「もうEVなんてあたりまえなんですアピール」でもある(ホントか!?)。
前後シート下など3カ所に分散配置したリチウムイオンバッテリー(50kWh)で、フロントの電動モーターを駆動するFWD。室内のスペースや使い勝手もガソリン車と同等だという。50kWhの電池容量といえば、「日産リーフ」の標準モデル(40kWh)と「リーフe+」(62kWh)の中間で、e-208の最大航続距離は欧州のWLTCモードで340km、日本のJC08モードで403km、とされる。
価格は今回の試乗車「GTライン」が423万円。その下のグレードでも十分な装備を持つ「アリュール」が389万9000円。1.2リッター3気筒ターボのガソリンモデルより一律130万円高い。やはり価格の敷居は低くないが、東京の場合、国と都あわせて70万円の補助金が出る。