ポルシェ・タイカン ターボ(後編)

2021.02.25 谷口信輝の新車試乗 高性能を誇るポルシェのEV「タイカン ターボ」にすっかり感心した様子の谷口信輝。しかし、試乗を続けるなかで、走りの特性にちょっと気になる点もあるという。それは一体……?

普通の人は気づかなそうだが……

「コーナーとコーナーの間にあるちょっとした直線区間での加速が、このクルマはメチャクチャ速いですよね」

箱根のワインディングロードでポルシェ・タイカン ターボを操りながら、谷口信輝はそんなことを口にした。
「4WDのトラクションを生かして、4本のタイヤがものすごい勢いで路面を蹴って前に進んでいこうとするし、速いのはめちゃくちゃ速いですよね。コーナリングにしても、ものすごく安定しているし、驚くほど速い。重心が低くて、コーナリングフォースもすごく高いと思います。こんな言い方したらトゲがあるけれど、普通の人が乗ったら加速にしてもコーナリングにしても、タイカンの性能に100%満足するはずですよ。ただし……」

むむ、谷口はなにを感じたのか? 「ただし」の先を聞いてみることにした。「プロフェッショナルの僕の目でみると、かなりペースを上げたとき、ターンインでステアリングを切ったぶんだけしっかり曲がってくれなくて、ほんの少しだけ旋回円が大きくなることがあるようです。それは、おそらく普通の人はほとんど感じないレベルでしょうが、僕が思い描いているラインからはわずかに外れてしまうことがあるんです」

つまり、フロントタイヤのグリップが不足する場面がある、ということなのか? 「いや、それとは少し違うんですよ」と谷口。
「僕の中では、フロントタイヤのポテンシャルを使いながらクルマの向きを変えて、次にフロントタイヤがグリップしている状態をうまくリアタイヤのグリップにつなげてあげたいんですが、タイカンだと狙いどおりのラインにうまく乗らないというか、一連の流れをスムーズにつくりにくいんです」

それはタイヤのグリップがどうのこうのというよりは、自分が狙ったとおりの動きをクルマがしてくれるかどうか、という問題のようだ。それにしても、なぜ谷口は、実際にタイヤのグリップが失われる前に、コーナリング中の走行ラインが自分のイメージとずれてしまうことを予想できるのか? ひょっとして、谷口には一種の予知能力があるのか?

 
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