メルセデス・ベンツEQA250(前編)
2021.08.19 谷口信輝の新車試乗 メルセデスが新たに提案する、コンパクトSUVタイプの新型電気自動車(EV)「EQA250」。自他ともに認めるEV好きのレーシングドライバー谷口信輝は、その走りの特徴をどう受け止めたのか?これまでの主流とは違う
日本国内でも次第に選択の幅が広がっているヨーロッパ製EVのなかにあって、メルセデス・ベンツが放つEQAは従来なかったジャンルのEVだ。
まず、これまで輸入EV市場ではDセグメント以上の比較的大きなモデルが多数派を占めていたが、EQAはCセグメントと、日本の狭い道路でも取り扱いやすいサイズにおさめられている。おかげで640万円という比較的手ごろな価格を実現。このため、バッテリー容量が66.5kWhとコンパクトなうえ、駆動系もシンプルな前輪駆動とされた。価格は1000万円前後、バッテリー容量は90kWhオーバーで、前後にモーターを搭載した4WDタイプが主流だった従来の輸入EVとは大きく趣が異なる。
そんなEQAを、EVに興味津々な谷口信輝はどう評価したのか。まずは、いつものように箱根のワインディングロードで試乗してもらった。
運転席に乗り込んでシステムを立ち上げた谷口は、急発進とは言わないまでも、比較的元気にEQAを発進させた。
「ふーん」
お、谷口がなにか感じたようである。そこで早速、尋ねてみると「ホイールスピン、しやすいですね」との答えが返ってきた。
念のため断っておくと、このとき実際にはホイールスピンは起きていない。ただ、谷口は発進の過程を細かく観察するなかで、ステアリングから伝わるフロントタイヤの接地感などからホイールスピンの予兆を感じ取ったにすぎない。いつものこととはいえ、谷口の鋭敏な感覚には驚かざるを得ない。
「モーターって、スロットルペダルを踏んだあとのレスポンスが鋭いですよね。そこがEVの魅力でもあるんですが、このEQAは前輪駆動ですよね。だから、軽くステアリングを切ったまま素早く発進するとトルクステアみたいな症状が起こって、ステアリングを軽く握っている状態だと思わぬ方向に進みかねません。もちろん、いま説明しているのはわりと極端な状況で、普通の人が普通に走らせていたらほとんど経験しないことですが、クルマの特性としてそういう傾向があることは事実ですね」
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