フォルクスワーゲン・ゴルフeTSIアクティブ(後編)

2021.09.26 思考するドライバー 山野哲也の“目” 山野 哲也 レーシングドライバー山野哲也が新型「フォルクスワーゲン・ゴルフ」に試乗。前編ではそのボディー剛性の高さについて絶賛した山野。後編ではコーナリング性能とパワートレインの仕上がりについて、プロならではの視点からジャッジを下してもらおう。

バンク路を走っているような感覚

1974年の登場以来、“実用車のお手本”として、自動車メーカー各社のベンチマークとされてきたフォルクスワーゲン・ゴルフ。8代目となった現在も、その地位は揺らがない。

2021年に国内デビューを果たしたゴルフVIIIの目玉は、「eTSI」ことマイルドハイブリッドパワートレインの採用と各種装備のデジタル化、インフォテインメントシステムの強化である。

もちろん、「走る」「止まる」「曲がる」といった基本性能のブラッシュアップにも余念がない。1.5リッター4気筒ターボを積む上級版はリアにマルチリンクをおごった4輪独立式を採るが、1リッター3気筒ターボ車は、コンベンショナルなトーションビーム式リアサスペンション。

今回、山野哲也がテストしたのはベーシックな後者、「ゴルフeTSIアクティブ」である。しかしその走りは、ベンチマークの名に恥じないものだという。

山野:新型ゴルフは、フロントの踏ん張りがいいですね。印象的なのは、カーブでドライバーがステアリングを切ると、あたかも路面が正バンク的にせり上がってくるかのような接地感の高さです。

webCG:正バンク!? つまり高速周回路のように、コーナリング時にクルマの外側路面が高くなっている……、そんなイメージですね。

 
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