Tire Chains | タイヤチェーン
スマートに雪道を乗り切る非金属タイヤチェーン3選 2021.12.06 Gear Up! 2022 Winter 冬への備えは進めておきたい。でも、非降雪地域にお住まいであれば「冬タイヤに交換するほどでは……」と躊躇(ちゅうちょ)する人も少なくないだろう。そんな方におすすめしたいのがタイヤチェーンである。何よりチェーン規制が敷かれた際にはスタッドレスタイヤ装着時でも必須の装備であり、最近では簡単に着脱でき、置き場所にも困らない非金属系のアイテムも充実。急な天候変化にもスマートに対応できる、最新モデルをピックアップした。カーメイト | バイアスロン クイックイージー
簡単装着のベストセラー
素早く取り付けられる便利さと、氷雪路での高いグリップ性能により、数ある非金属タイヤチェーンのなかで、国内販売数ナンバーワン(メーカー調べ)を誇るのが、カーメイトのバイアスロンシリーズ。1985年の発売から2020年までに約325万セットを販売する、非金属タイヤチェーンの定番である。
このバイアスロン クイックイージーは、簡単、スムーズな装着が可能な「クイックロック」を採用。ジャッキアップや、クルマを動かすことなく、タイヤへの装着が可能。クイックロックを3カ所設けることで、少ない力で確実にロックすることができるのだ。
取り付け方法は、バイアスロンを展開した状態でタイヤの裏側に回し込み、裏側のワンタッチジョイントをタイヤ上部に引き上げて接続。そのあと、外側のフックを接続したら、3カ所のクイックロックを締め付けるというシンプルなもの。慣れれば素早く装着できる。
装着のしやすさもさることながら、その高い氷雪路性能も人気の秘密。特殊なトレッドパターンが前後左右の良好なグリップを発揮するとともに、両輪で108本のマカロニ型スパイクピンが、アイスバーンでのグリップを飛躍的に高めている。
タイヤチェーンとしての性能もお墨付きで、一般財団法人日本自動車交通安全用品協会(JASAA)による厳しい安全性能基準をクリア。高い耐久性もバイアスロン クイックイージーの特徴だ。トレッド素材には、高性能ポリウレタンエラストマーを採用し、低温での柔軟性を確保しながら、切れにくさを実現。また、スパイクピンも耐久性に優れた超鋼材質でつくることで、1000kmの耐久走行距離と5年の耐久年数を誇る。
万一トレッド部分が切断した場合には、トレッド交換による部分修理が可能というのもうれしい配慮で、ベストセラーにはそれを裏づける十分すぎる理由があるというわけだ。
お問い合わせ:カーメイト
03-5926-1212
コイズミ・イエティ エンジニアリング | イエティスノーネット
確かなグリップ力と快適性
非金属タイヤチェーンのなかでも、高い氷雪性能と快適な乗り心地、優れた静粛性によって、長年にわたり高い人気を集めているのがイエティスノーネット。1978年にスイスで誕生したこの高性能スノーネットは、日本で改良を重ねることで、進化を続けてきた。
その一番の特徴が、ゴム製へのこだわり。切れ目のないラバーネットのトレッド上に、多数の超硬スパイクピンを配置することで、雪道や凍結路でも優れたグリップを発揮。厳しい条件下でのブレーキや、登坂路での発進を確実にし、また、ふらつきの少ない安定した走りを実現してくれるのだ。
そのうえ、走行中のノイズや乗り心地は、金属チェーンは言うまでもなく、樹脂製チェーンに比べても段違いに快適なレベル。しかも、ハイスペックモデルの「WD」シリーズは、優れた性能を維持したまま、耐久性と耐荷重性を向上させている。
特許のロックシステムにより、簡単に取り外しができるというのも、イエティスノーネットの魅力のひとつ。「のばす」「かぶせる」「ロックする」の3ステップで装着でき、慣れれば60秒以内で取り付けられるそうだ。
さらに、付属のオリジナルソフトバッグでコンパクトに収納ができるので、クルマのトランクに積むにも、オフシーズンにガレージに保管するときでも、置き場所に困らない。
幅広いタイヤサイズに対応しているのも多くの人に選ばれる理由だろう。日本車の各ブランドに加えて、30以上の輸入車ブランドが名を連ねており、適応車種の多さから輸入車オーナーにはうれしい存在。一部の輸入車ブランドでは純正アクセサリー、または、推奨品として採用されている。
スタッドレスタイヤだけでは通行できないチェーン規制時でも、このイエティスノーネットなら走行が可能。スタッドレスタイヤと組み合わせることも可能で、冬のドライブに欠かせない、安心のアイテムである。
お問い合わせ:コイズミ・イエティ エンジニアリング
03-3959-1232
コイズミ・スノーテックス | スノーテックス
もしもの時の手軽な備え
降雪地域の人にとっては、雪のシーズンにスタッドレスタイヤを履くのは当たり前のことだが、年に一度雪が降るかどうかという地域となると、スタッドレスタイヤの購入をためらうドライバーは多いはず。最近では、サマータイヤに近い性能を備えながら、雪道も走れるオールシーズンが注目を集めているが、もっと手軽に雪に備えたいという人には、布製タイヤチェーンという選択肢がある。
このスノーテックスは、日本生まれの布製スノーチェーン。ジャッキアップ不要、かぶせるだけで、スタッドレスタイヤに迫る性能を発揮することに加えて、チェーン規制にも適合する安心のアイテムである。
氷雪路でタイヤが滑るのは、タイヤと路面との間に水の膜ができるため。そこでこのスノーテックスを装着すると、特殊な生地が路面の水を吸収し、また雪や氷に密着した布が摩擦力を増やすことでグリップを生み出している。スノーテックスでは、摩耗性に優れるナイロン・ハニカム構造の生地を、編み目を傾けて断裁する「バイアスカット」を採用することで、丈夫さと伸縮性を両立。おかげで取り付けも簡単だ。取り付けたあと、布にシワがあると、そこから布が切れる恐れがあるが、サイド部分に波形のカットを入れることでシワを防いでいるのもスノーテックスの優れているところ。さらに、万一、走行中にスノーテックスが外れても、内側に巻き込まない工夫が施されているので安心だ。
ただし、金属チェーンや樹脂製チェーンとは違うので、耐久性や取り扱い方には異なるところも。雪道の走行では、30km/h以下の走行をこころがけ、雪のない道路の走行はできるだけ避けたい。
対応するタイヤサイズは135/80R12から285/35R21と幅広く、価格は1万3200円または1万6500円とお手ごろ。とてもコンパクトなだけに、これからの季節はトランクに忍ばせておきたい一品である。
お問い合わせ:コイズミ・イエティ エンジニアリング
03-3959-1232
(文=生方 聡)

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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