ロールス・ロイス・ゴースト(前編)

2022.03.31 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 「ロールス・ロイス史上最も成功したモデル」といわれる高級サルーン「ゴースト」。その新型は、一般的なクルマとどのように違うのか? 谷口信輝のファーストインプレッションをお届けする。

クルマの域を超えている

今回、谷口信輝に試乗してもらうのは、インテリアが「いかにも」という感じの真っ白いレザーで覆われたロールス・ロイス・ゴースト。ところが、この日の谷口は、白いレザーの試乗車では御法度とされるブルージーンズを身にまとっていたものだから、スタッフは大慌て。ジーンズのインディゴがレザーに色移りしないかどうかを懸命に確認することになったのだが、その様子を横目で眺めていた谷口は、「いやいや、向こうの白がこっちのジーンズに色移りしないかどうかのほうが心配ですよ」とジョークを飛ばす。幸いにも谷口のジーンズは色移りしないことが確認できたのだが、谷口の軽口に現場のスタッフが爆笑したのは言うまでもない。

とはいえ、谷口の言葉にも心のどこかでうなずきたくなるくらい、ゴーストのインテリアは本当に真っ白だった。そしてなにより、キャビン全体が特別な雰囲気に包まれている。それはもはや自動車の室内というよりも、どこかのビリオネアが暮らす邸宅のインテリアをそのままクルマのなかに移植したのではないかと思えるほど、豪華で贅(ぜい)を尽くした空間だった。

「なんか、やっぱりすごいですね」。運転席に腰掛けた谷口が口を開いた。
「このステアリングホイールとか、表面がツルンとしていて、縫い目がどこにも見えない。下のほうに2カ所だけつなぎ目があるけれど、いったいどうやったらこのステアリングホイールをつくれるのか、想像もできませんね」

続けて谷口はダッシュボードを眺めながら、こんなことをつぶやいた。
「このメーター類も、ちょっと見た目はレトロ風なんですが、いっぽうでデジタルっぽさもあって、ものすごく現代的。その演出というか見せ方は、本当に高級な感じですね」

やがて谷口はメーターパネル上に「あるべきもの」が見当たらないことに気づいた。

 
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