ロールス・ロイス・ゴースト(後編)
2022.04.07 谷口信輝の新車試乗 今回、レーシングドライバー谷口信輝が試乗するのは「ロールス・ロイス・ゴースト」。大排気量の12気筒ターボエンジンを搭載する超高級サルーンの走りを、プロはどのように評価する?レーシングカーとは真逆
箱根のワインディングロードでロールス・ロイス・ゴーストのステアリングを握りながら、その快適な乗り心地がかつての高級車とは明確に異なっていると指摘した谷口信輝。どこがどう違っているのか、もう少し詳しく説明してもらおう。
「言葉にすると、フワフワって表現しかないんですが、少なくとも安っぽいフワフワじゃありません」と谷口。
「なんか、クルマのどこかにジャイロセンサーが積んであって、そのデータをもとにしてクルマの姿勢を正確に保っている感じがします。ちなみに、ロールス・ロイスはこの乗り心地をどんな風に表現しているんですか?」
この問いに、私が「フライングカーペット、つまり空飛ぶじゅうたんと呼んでいます」と答えると、谷口は「ほー」と語ったきり、しばらく口を結んでしまったのである。
続いて谷口は、安全な駐車スペースでゴーストをゆっくりUターンさせようとした。この駐車スペースには小さな砂利が敷き詰められているので、クルマで走ると小石がホイールハウスをたたく「パチパチパチ」という音が聞こえてくるのだが、ゴーストではこの“パチパチ音”がまるで聞こえない。しかも、通常だったら感じられるはずの、「足まわりからのざらついた感触」も一切認められなかった。このとき谷口は「あれ、いま、この駐車スペースに砂利、敷いてありましたか?」と得意のジョークを口にしてみせたのだが、その表情からは彼が心底驚いていることがうかがわれた。
そして私が「雨にぬれた道を走っているときに水をはね上げる音がしないように、ホイールハウスの内側に特殊な遮音材を貼っているんです」と説明すると、谷口は「へー。グラベルに入ったあとはジャラジャラと盛大に砂利の音がするレーシングカーとは真逆ですね」と感嘆の声を上げたのである。
やがてゴーストの感触をつかんだ谷口は、少しずつ、そのペースを上げていった。
「うわー、すごいですね、このパワー。いざというときのためにこれだけのパワーを確保しているんでしょうが、それにしてもすさまじいですね」
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