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ランボルギーニ・カウンタックLPI800-4(4WD/7AT)【海外試乗記・Movie】

特大のインパクト 2022.07.28 アウトビルトジャパン 2021年夏にランボルギーニが発表した「カウンタック」の復活劇は、世界の自動車ファンに驚きと喜びをもって迎えられた。それから1年、ようやく実車に触れ、走らせた印象を報告しよう。

※この記事は文末の試乗動画を含め「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。

カウンタックの誕生50周年を祝う

70年代、80年代のポスターカーの代表格、ランボルギーニ・カウンタック。全高わずか1.07mの平らなウエッジシェイプのスーパーカーの写真は、数え切れないほどの子供部屋の壁に飾られ、今日まで、「ミウラ」の後継車は伝説となっている。イタリアでは、その伝説的モデルの50周年を記念して、カウンタックのニューエディション、「超限定生産」シリーズを112台限定で発売する。

この限定スペシャルモデルは、ハイブリッドドライブを搭載すると同時に、50年前に公開されたオリジナルへのオマージュでもある。今回、カウンタックLPI800-4がドイツで初めて公開され、われわれはそのスーパースポーツカーをじっくりと観察してきた。

1971年、ベルトーネのデザイナー、マルチェロ・ガンディーニがデザインしたカウンタックがジュネーブモーターショーで初めて一般公開され、日の目を見た。当初、量産は予定されていなかったが、現在でも未来的な外観を持つカウンタックは大衆の熱狂を呼び起こし、創業者のフェルッチオ・ランボルギーニがすぐに走れるプロトタイプを製作させたという。それからわずか1年後、カウンタックのシリーズ生産の開始が決定された。しかし、ランボルギーニは同時に「ウラッコ」の開発も行っていたため、1974年に最初のカスタマーカーが納車されるまでには時間がかかった。カウンタックは、そのデザインによって伝説となり、1990年まで、ランボルギーニのどのモデルよりも長く、数多くのバージョンでラインナップされ続けたのだった。

いま、新しいカウンタックがわれわれの目の前にある。ランボルギーニのボス、ステファン・ヴィンケルマン氏は、「このクルマは私たちにとって画期的なものです」と語る。そして「初のハイブリッドスーパースポーツカー、先代と同じく現代の先見性を持ったクルマ」だと表した。

新生「ランボルギーニ・カウンタック」こと「カウンタックLPI800-4」と筆者。試乗の模様は文末の動画でもリポートする。
新生「ランボルギーニ・カウンタック」こと「カウンタックLPI800-4」と筆者。試乗の模様は文末の動画でもリポートする。拡大
オリジナルの「カウンタック」。発表から50年たったいまでも、近未来的な印象は変わらない。
オリジナルの「カウンタック」。発表から50年たったいまでも、近未来的な印象は変わらない。拡大

ニューバージョンはレトロカーではない

カウンタックLPI800-4の走りと同じくらい重要なのは、もちろんそのルックスだ。「初代カウンタックは、他のどのモデルよりも、ランボルギーニのDNAを形作っています」と、ランボルギーニのチェントロスティーレ(デザインセンター)のチーフデザイナー、ミッチャ・ボルカートは説明する。そして、「新型で特に苦労したのは、単にレトロなクルマをつくることではなく、2021年のカウンタックを創造することでした」と続けた。結果は? 成功以上だ!

まず正面から。ランボルギーニの他の現行モデル同様、カウンタックもシャープに描かれている。しかし「アヴェンタドール」と比較すると、フロントはより明確にデザインされている。超薄型のラジエーターグリルには、「カウンタックLP500」へのオマージュであるカウンタックのレタリングが控えめに施されている。フロントボンネットは、ビーズやエッジを一切使用しない。しかし、オリジナルの特に特徴的な点は、現代に受け継ぐことができなかった。カウンタックのフリップアップヘッドライトのことで、ターンランプの上のヘッドライトの中に2つの丸いライトが隠されていたのだ。現代の安全規制により、フリップアップヘッドライトを搭載した新車のホモロゲーションはほとんど不可能になった。少量生産のランボルギーニも例外ではなかった。そこで、ミッチャ・ボルカートのチームは、ヘッドライトを折りたたんだオリジナルのカウンタックの外観を模倣することにした。LPI800-4は、細いヘッドライトの下に、細いデイタイムランニングライトを装着している。

横顔も、新型カウンタックはオリジナルモデルと非常によく似ている。ドア裏の大きなエアインテーク、いわゆるNACAダクトは、初代カウンタックと同様、視覚的にドアの中まで延長されている。その上には、初期のカウンタックLP500をほうふつとさせるスラットギルを装着し、新型カウンタックのルーフにある同名のウィンドウ(「ペリスコピオ」)まで考えられている。ボタンひとつで、透明な屋根が不透明になる。

もちろん、六角形のホイールアーチや伝説的な“電話機風”ホイールも見逃せない。しかし、新型カウンタックのホイールは20インチまたは21インチと、かなり大きくなっている。これは、2011年から販売されているアヴェンタドールをベースとしたニューエディションであることも影響していると思われる。イタリア人はプレスリリースでは触れていないが、シザーズドアを開けると、カーボンボディーの下にV12フラッグシップのモノコックがあることが明らかになる。というのも、1974年、カウンタックはドアが上に開く、最初のランボモデルとなったからだ。このシリーズで、V12ランボはすべてシザーズドアがトレードマークになったのだ。

チーフデザイナーが目指したのはレトロなクルマをつくることではなく、21世紀の「カウンタック」を創造することだったという。その目標は、間違いなく達成できたといえるだろう。
チーフデザイナーが目指したのはレトロなクルマをつくることではなく、21世紀の「カウンタック」を創造することだったという。その目標は、間違いなく達成できたといえるだろう。拡大
ルーフには、スイッチ操作により透明度が変えられる、特徴的なウィンドウが設けられている。
ルーフには、スイッチ操作により透明度が変えられる、特徴的なウィンドウが設けられている。拡大
白いドアの向こうに広がる真っ赤な内装は、見る者に強烈なインパクトを与える。
白いドアの向こうに広がる真っ赤な内装は、見る者に強烈なインパクトを与える。拡大
ヘッドレストには、猛牛をかたどったおなじみのエンブレムが刺しゅうされている。
ヘッドレストには、猛牛をかたどったおなじみのエンブレムが刺しゅうされている。拡大

新型カウンタックに初試乗

ランボルギーニのシザーズドアを開けるのは、飽くことのないスペクタクルだ。少し練習すれば、乗り降りもスムーズにできる。真っ赤な内装では、アヴェンタドールとの関係がより鮮明になる。唯一の違いは、ダッシュボードと「シアン」から転用した大型タッチスクリーンが機能的でないことだ。ミッチャ・ボルカートは、「私たちは、グループから最高のマルチメディア、例えばアウディの音声認識などを得ています」と説明し、「しかし、ドライバーがあたかもパイロットになったかのように感じられるよう、インターフェイスを再プログラムしています」と締めくくった。

カウンタックのスペースは身長1.85mまでの人には十分だが、背の高いドライバーには、特にヘッドルームが窮屈に感じられる。通常のアヴェンタドールでは、乗員はアルカンターラとカーボンでできた洞窟の中にいるような感覚だが、ペリスコピオと呼ばれるガラス窓はその印象をいくぶん和らげてくれる。ボタンひとつで透明なルーフが不透明になるという特別な機能だ。ランボの赤いレザーインテリアは、確かに万人受けはしないものの、カウンタックの初期モデル(「クアトロバルボーレ」など)からインスピレーションを得ており、白い塗装との組み合わせで、純粋な80年代フィーリングを醸し出している。

エンジンの始動ボタンをはじめとする、センターコンソールのスイッチ類。新生「カウンタック」は往年のモデルと異なりAT限定となっている。
エンジンの始動ボタンをはじめとする、センターコンソールのスイッチ類。新生「カウンタック」は往年のモデルと異なりAT限定となっている。拡大
「カウンタックLPI800-4」のコックピットは、大柄なドライバーにはやや窮屈。ただ、ペリスコピオと呼ばれるガラス窓は、その印象をいくぶん和らげてくれる。
「カウンタックLPI800-4」のコックピットは、大柄なドライバーにはやや窮屈。ただ、ペリスコピオと呼ばれるガラス窓は、その印象をいくぶん和らげてくれる。拡大

6.5リッター V12を電動モーターがアシスト

全長4.87m、全高1.14mのカウンタックのボディーはすべてカーボン製で、複雑な技術にもかかわらず、車重はわずか1595kgしかないのだ。その結果、パワーウェイトレシオは1PSあたり、わずか1.95kgを実現している。カウンタックが静止状態から100km/hまでわずか2.8秒で加速するのも不思議はない。0-200km/hはわずか8.6秒、最高速度は355km/hとなっている。

「アヴェンタドール ウルティマエ」同様、特徴的な12気筒は780PSを4輪に押し出す。電動モーターとの組み合わせで、システム出力は814PSとなる。電動モーターは、内燃機関と吸気エンジンの伝統的な組み合わせが限界に達したとき、つまりギアチェンジの休止時間や低回転域で正確に機能する。そして、その間に電動モーターがコンスタントにブーストし、新型カウンタックの性能に疑問が生じる前に、ブーストを開始する。

つまり、面倒なシーケンシャルギアボックスの怖さが消え、カウンタックはほとんど調和のとれたギアチェンジを行うことができるのだ。あとは? いつもどおり、足まわりは楽しいし、シートも長距離ツーリングには不向きな感じだ。カウンタックは、われわれの印象に強く残った。私は真剣に、新車のポスターをオフィスに飾ろうと考えている。

「カウンタックLPI800-4」が0-100km/h加速に要する時間は2.8秒。最高速は355km/hとなっている。
「カウンタックLPI800-4」が0-100km/h加速に要する時間は2.8秒。最高速は355km/hとなっている。拡大
最高出力は780PS。スーパーキャパシタと34PSの電動モーターを用いたハイブリッドシステムの総出力は814PSに達する。
最高出力は780PS。スーパーキャパシタと34PSの電動モーターを用いたハイブリッドシステムの総出力は814PSに達する。拡大

ベース価格は239万ユーロ(約3億3500万円)

ランボルギーニは、色に関してもオリジナルとの橋渡しをする。新型カウンタックには、「インパクトホワイト」「ジャッロカウンタック」「ヴェルデメディオ」といったヒストリカルカラーが用意されている。これらの無地が気に入らない場合は、現在のカラーパレットから、自由に選択することができるようになっている。なぜカウンタックがよりによって112台限定なのかといえば、初代カウンタックの社内呼称が「LP112」だったからだ。

ランボルギーニは、カウンタックLPI800-4の最初の顧客車両をすでに納車し、2022年の終わりまでに全112台を完成させる予定である。単価が201万ユーロ(約2億8000万円)を下回ることはない。ドイツでは、カウンタックは2021年には、239万ユーロ(約3億3500万円)になり、同じく限定車である「アヴェンタドール ウルティマエ」の約5倍となる。しかし、これでも購買意欲は衰えないようで、ペブルビーチで開催されたカーウイークでの公式発表では、2021年型カウンタックはすでに完売していた。ランボルギーニは、カウンタックをもう1台か2台売ることができたかもしれないが、独占性は切り札のままだ。新型もポスターカーとしての資質を備えているかどうかは、これから数十年後にわかることだろう。

結論

ランボルギーニは、カウンタックにふさわしいモニュメントと、アヴェンタドールにふさわしい別れを同時に準備している。まさに車輪の上の芸術品だ。

(Text=Alexander Bernt and Jan Götze/Photos=Lamborghini Automobili S.p.A.)

【スペック】

  • 全長:4.87m
  • 全高:1.14m
  • 全幅:2.10m
  • シザーズドア
  • 電話機型ホイール
  • 六角形ホイールアーチ
  • 折りたたみ式ヘッドライトなし
  • 6.5リッター自然吸気V12(780PS/720N・m)
  • トランスミッションに直接連結された48V電動モーター
  • システム最高出力:814PS
  • 0-100km/h加速:2.8秒
  • 0-200km/h加速:8.6秒
  • 最高速度:355km/h
  • 乾燥重量:1595kg
  • パワーウェイトレシオ:1.95kg/PS

記事提供:AUTO BILD JAPAN Web(アウトビルトジャパン)

「カウンタックLPI800-4」のドイツでの価格は、2021年の時点で239万ユーロ(約3億3500万円)。12気筒の限定車「アヴェンタドール ウルティマエ」の約5倍に相当する。
「カウンタックLPI800-4」のドイツでの価格は、2021年の時点で239万ユーロ(約3億3500万円)。12気筒の限定車「アヴェンタドール ウルティマエ」の約5倍に相当する。拡大
新しい「カウンタック」もまた、写真が子供部屋に貼られるような名車になるだろうか。数十年後に出るその結論も、楽しみではある。
新しい「カウンタック」もまた、写真が子供部屋に貼られるような名車になるだろうか。数十年後に出るその結論も、楽しみではある。拡大
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